北海道のアイコン

北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

白金野鳥の森(冬編)

2011年02月25日
東川
空気がまだまだひんやりするここ大雪山周辺ですが、2月も下旬になり降り注ぐ太陽の光に季節の変化が感じられるようになりました。雪解けにはまだ程遠い大雪山ですが、外を歩いていると着実に季節は真冬から少しずつ春に向かっている事を実感できます。

冬って何をしているのですか?という事はよく聞かれます。登山道がはるか雪の下に埋もれているこの時期にはもちろん登山道の巡視などは出来ませんが、施設の管理なども我々の大事な業務です。施設の屋根の雪おろしや、看板なども定期的に巡視を行って確認をしています。

先日、施設の状況確認の為に国指定白金野鳥の森へ入りました。シーズン中はバードウォッチングの方などが多く訪れるここ野鳥の森ですが、白金温泉から先は道路も通行止めになるこの時期に訪れる人は少なく、野鳥たちも警戒心を忘れて彼らのありのままの姿を我々に見せてくれる事があります。冬に見られる野鳥は夏に比べて限られてきますが、シジュウカラ等のカラの仲間、アカゲラ等と、条件の良い日にゆっくり観察していれば結構な種類の野鳥を見る事が出来るでしょう。姿は確認できませんでしたが、この日もひっそりと静まり返った野鳥の森に、クマゲラの声が鳴り響いていました。

今年は例年より積雪は少ないと予想しており、雪おろしも少しは楽かな?と思って行った次第でしたが、さてさてどんなものやら・・・。

着いてみてがっかり・・・、例年通りの積雪でした。これは休憩舎の様子、積雪深を図ったら150cm程でした。気合を入れて頑張ります!


こちらは野鳥観察小屋の作業前の様子。冬の時期でも利用出来るように入口を確保して雪おろしを行います。

静かな森に積もった雪の上をスノーシュー等で歩きながらの野鳥観察も冬ならではの魅力です。遊歩道からしか観察できない夏と違い、この時期はどこからでも観察が出来るメリットがあり、木の葉が落ちている時期は視界も開け、野鳥を見るにもよい条件にもなります。ただし積雪時期は道迷いの危険性もあるため出来れば冬の森を熟知している地元のガイドさん等と歩くのが良いでしょう。


一日の作業を終えて帰る途中、真っ青な空に映える十勝岳連峰(写真上)と森の向こうにゆっくり沈む夕日(写真下)が出迎えてくれました。「一日よく頑張った!」という御褒美のようにも感じました(勝手な自己満足でが・・・)。

最後にお知らせです。

3月13日(日)に東川町との共催で自然観察会を開催します。スノーシューを使って天人峡の峡関壁(きょうかんへき)周辺を散策します。詳細は大雪山国立公園連絡協議会のHPで見る事が出来ます。下記アドレスから東川自然保護官事務所主催の箇所をご覧ください。
http://cgi.eolas-net.ne.jp/eolas-lab/daisetsu/news/view.php?line=5