ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

北海道地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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2012年11月20日

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2012年11月20日シリーズ支笏湖の山 その3樽前山

支笏洞爺国立公園 支笏湖 福家 菜緒

みなさん、こんにちは。
先週末の荒れた天気で、ついに平地でも初雪が降り、支笏湖を囲む山々も、支笏湖温泉も、道路も雪に覆われました。今朝10時の気温は2.6℃でした。いよいよ道内各地で初雪を観測。冬、まっしぐらです。

細々と続けている『シリーズ支笏湖の山』。第3回目は、お待たせしました、樽前山です。



支笏湖園地より、真っ白く積雪した樽前山(左)11月19日撮影


苫小牧市街からすそ野まで見渡せる雄大なその姿ゆえに、苫小牧市のシンボル的な存在になっています。

4万年前に支笏湖の原形であるカルデラ湖ができ、その後、噴火により風不死岳、恵庭岳、そして最後に樽前山が誕生したのが9千年前です。さらに樽前山はその後も噴火を繰り返し、その頂上部にある溶岩ドームは、103年前(1909年)、突然現れたそうです。溶岩ドームを囲っているくぼみ(=火口原)のふちの部分(=外輪山)は、東ピークが1023.1m、西ピークが994.0mです。(なお溶岩ドームを含めた標高は1041mとされています)

この火口原の中は国立公園の特別保護地区に指定されており、また「樽前山溶岩円頂丘」として、北海道指定文化財の天然記念物でもあります。現在も溶岩ドーム周辺では有毒な火山ガスが出ており大変危険であることから、火口原の立ち入りは禁止されています。外輪山から見ても充分、大迫力の溶岩ドームです。どうぞ火口原内には立ち入らないようお願いします。

樽前山7合目までは車で行くことができ、無雪期にはたくさんの方が登山を楽しまれています。(冬季は、市道樽前観光道路(5合目ゲート)及び道道141号(樽前錦岡線)が閉鎖されます。詳細は苫小牧市ホームページをご確認ください。→ 苫小牧市商業観光課 観光担当

近場で気軽に行ける山である一方、軽装備登山・登山道の拡幅・外来種の定着など、利用・保全の面でも多くの問題を抱えた山でもあります。是非、樽前山登山をきっかけに、全国各地の山で起きているこのような問題についても一度考えてみてもらえればと思います。



上から【1】8合目付近より樽前山北東斜面 【2】登山道の先に樽前神社、奥が西ピーク 【3】外輪山取付周辺より眺める溶岩ドーム 【4】登山道の浸食の激しい箇所(風不死岳分岐周辺)



10月の紋別岳より、支笏湖温泉(左)、樽前山(奥左)、風不死岳(奥右)。


樽前山はこれまでのAR日記にも度々登場しています。
これまでの記事を集めてみました。

 『霧の樽前山(標高1041m)』 2007年6月26日

 『樽前山情報』 2007年8月28日

 『樽前山登山道補修』 2010年8月17日

 『子どもたちと樽前山』 2012年6月22日



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