ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

北海道地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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2012年12月10日

3件の記事があります。

2012年12月10日釧路湿原国立公園エゾシカカウント調査

釧路湿原国立公園 釧路湿原 小林 美保

釧路湿原国立公園ではARによる冬期エゾシカカウント調査を継続して行っています。過去の記事はこちらから↓↓
 http://c-hokkaido.env.go.jp/blog/2011/04/717.html
 http://c-hokkaido.env.go.jp/blog/2011/05/745.html

現在の調査方法に統一してから5年目となり、今年度は釧路湿原国立公園
のパークボランティアのみなさんにも協力してもらい、細岡展望台に加え
釧路湿原北部のコッタロ湿原展望台でのカウントも始めました。

この調査を通じて、釧路湿原におけるエゾシカの動向(冬に湿原内に多くなる等)
を調べる以外に、釧路湿原に棲む生きもの(オオワシ、オジロワシ)や
普段はなかなか行くことのない冬の釧路湿原を観ることができて、
ボランティアのみなさんにも様々な発見があるようです。

また、展望台を訪れるお客さまとボランティアさんの交流もあり
月3回の調査時は終始にこやかな時間が流れています。
今まではAR1人ですることが多かったこの調査ですが、釧路湿原国立公園を
支えてくださっているボランティアのみなさんと同じ時間を共有しながら
さらに新しい発見や勉強ができることを私自身も嬉しく思います。


コッタロ湿原展望台 調査の様子


細岡展望台 調査の様子


遠くは雌阿寒岳を望む広大な美しい湿原の風景
(画像をクリックすると大きくなります)

寒い寒い冬ですが!まずは、データを蓄積していくことに重点を置き
みんなで釧路湿原のことを勉強しながら調査を続けていきたいと思います。


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2012年12月10日発掘作業

阿寒摩周国立公園 阿寒湖 北川 栄司

天候の悪かった週末が明け、月曜日にいつも通りマイカーで保護官事務所へ向かってみると・・・。



事務所までたどり着けず・・・。

金曜日20cm強の積雪が、週末更に70cm以上積もり、1m近くの積雪となっていました。
車を路上の空きスペースに停め、ラッセルして事務所へ向かいます。

私の住まいは同じ釧路市阿寒町でも平地にあり、カルデラ内にある標高420mの阿寒湖とは気象条件にかなり差があります。
阿寒湖では風雪共に強かったようで・・・。



埋もれた車の後ろ姿、屋根に雪庇が出来ていました。

道東は北海道の中でも雪が比較的少ないほうで、阿寒湖のアメダス過去記録でも1日の積雪量57cmが最高なのですが、土曜日から1日30cm程度の雪が今も降り続けており、この時期で1mも積もったようです。
ちなみに、ここ2年間ではクリスマス時期に50cm程度の積雪となり、1mとなるのは2月以降でした。

さて、通常の積雪の場合、除雪作業はエコミュージアムセンタースタッフにお任せしているのですが、今日の状況ではそうは言ってられません。
除雪車と除雪機をフル稼働させて、エコミュージアムセンター来館者用の除雪作業を行っているスタッフとは別に、発掘作業を行います。



発掘中のお宝、官用車です。
屋根からソリすべりが出来そうなスロープが出来ています。
4輪駆動の官用車ですが、さすがに70cm越えの雪の中からは脱出できません。
スコップで掘って、掘って、掘り出します。

やっと官用車を脱出させ、エコミュージアムセンタースタッフと共に除雪作業を行い、マイカーを敷地内に入れ終わったのは2時間後、朝から汗だくとなり、お昼までまだ1時間以上あるのにお腹がグーッと鳴っています。

アクティブレンジャー、冬場のお仕事の1つでした。

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2012年12月10日情報を共有するという事

大雪山国立公園 東川 宮崎 浩

 12月4日、美瑛町四季の情報館において「大雪山国立公園山岳関係者による情報交換会及び屋内講習会」を実施しました。これは以前にも触れた協働による登山道をはじめとした山岳地域の維持管理の推進だけでなく、関係者同士の情報共有を図っていこうというものです。

会場の様子。今回参加して頂いた関係者は大雪山全域の合計28団体、47名(環境省スタッフ含む)でした。年末の忙しい時期にもかかわらず参加して頂いた方、有難うございました。

 今回の目的は、
①協働型関係者同士の情報共有
②夏に参加出来なかった方々も含めての登山道の維持管理講習会
③来年度以降、協働型作業を進めるにあたっての方針


各団体から今年度の活動報告が行われました。
オフシーズンに入り、久々に顔を合わせた方々も多かったのではないでしょうか?


こちらは屋内講習会の様子。今回も講師を務めていただいたのは北海道山岳整備の岡崎哲三氏。夏に行った講習会の振り返りに加えて、維持管理(メンテナンス)の重要性について述べてくださいました。

 岡崎氏から特に強調されていたのは、登山道を整備するにあたって、

「施工した物がしっかりと機能しているか?」
「施工物自体が崩れていないか?」
「施工物によって新たな浸食が始まっていないか?」

この3つの重要性に触れ、施工するにあたっては作ったらそれで終わりではなく、

「施工前はどうであったか?」
「施工後はどうなったか?」

 これらの事を長期的に記録して、施工後の現場を観察し続けていく事が重要である、そして最終的には施工した物が現地の景観に溶け込むことで、初めて作業の完成であるという事を強調されていました。
 確かにここ大雪山は広大で、その地域によっても景観は様々です。その場に見合った施工を行う事が重要だと言えます。

 協働による維持管理を行うには何と言ってもマンパワーが必要です。今回皆さんに協力していただいた協働型維持管理に関するアンケートの内容を見る限りは多くの方が、協働作業に積極的である事が分かりました。その一方で、もう少し手軽に参加出来る部分を大事にすることや作業においての計画性を持つことの重要性なども指摘がありました。
 そしてなんといっても「関係者間における情報共有」という意見が圧倒的に多く、関係者同士で情報を交換することの重要性を改めて考えさせられた今回の情報交換会でした。

 今後もこのように定期的な交換会の実施を続けていく事で横のつながりを密にし、協働型維持管理につなげていきたいと考えております。

 関係者の皆様、来年度もどうぞよろしくお願いします。

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