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北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

えりもでの活動ってどんなもの?

2018年07月17日
えりも自然保護官事務所 熊谷 文絵

はじめまして!

えりも自然保護官事務所の熊谷文絵です。

これから、えりもでの活動の様子や魅力をお伝えしていきます。

どうぞよろしくお願いします!

みなさん、えりもがどんなところかご存知ですか?

北海道の最南端、風の町、一番知られているのは襟裳岬がテーマとなった有名な歌があることかもしれません。それから、忘れてならないのは❝ゼニガタアザラシの日本最大の繁殖地❞であることです。

岬の先から双眼鏡を覗けば、想像をはるかに超える数のアザラシを見ることができますよ!

このゼニガタアザラシ、観光資源になっているほか「ウインディー」という町のキャラクターになっていたりと、えりも町のシンボルになっています。しかし定置網漁でとれる魚を食い散らかし被害を出してしまう困った一面も持ち合わせています。漁業が重要産業となっているえりもでは深刻な問題です。

では、ゼニガタアザラシがこれからも快適に過ごせ、且つ漁業被害を少なくするにはどうすれよいのでしょうか。。試行錯誤しながら取り組んでいる最大の課題です。

まずはアザラシを知ることから...! 取り組みをご紹介します。

①乗船調査

 えりもでは、春(5月上旬~7月上旬)と秋(8月末~11月中旬)に定置網漁が行われています。

ここでの調査内容は、定置網にカメラを取り付け、アザラシが水中でどんな行動をとっているのか映像を録画・確認すること(アザラシの行動に応じて網の形を工夫したりします)や、アザラシの嫌がる音を出す装置を設置しその効果を見ること。

また、獲れた魚をアザラシが食い散らかしていないか、どのくらいの数の被害が出ているかを確認することです。

アザラシによる食害、こうなると出荷できません。。。

 

②ドローンでのセンサス(アザラシがどのくらいいるかの調査)

 襟裳岬の岩礁にどのくらいのアザラシがいるか、ドローンを飛ばし撮影します。岩礁にいたり海に潜っていたりと色々なので、回数を重ねこのエリアにどのくらいの数のアザラシが暮らしているのか把握することは、今後の対策のためにもとっても重要です。

アザラシは船でしか近づけないところで休んでいるので、ドローンが大活躍!

岩の上に細長い白っぽいような茶色っぽいような...これがアザラシ。いっぱい‼ 

【おまけ】

 定置網のない今の時期、アザラシはどんなことを思って過ごしているのでしょうか...こちらはドローンでアザラシを観察!という気でいるけれど、「また見たことないもの飛ばしてる、何してるんだろう?」とアザラシが思っている...かは分かりませんが、観察されているのはこちらの方かもしれません。

ドローンを飛ばすとき、いつも思うのは「今日もお邪魔します、ちょっとだけ見せてね、見るだけだからね~」ということ。つい、私がアザラシ側だったら...などと考えてしまうけれど、取り越し苦労であったらいいなぁ。

少しづつ、アザラシにも人にも。より過ごしやすい環境を目指します!

このように、アクティブ・レンジャーって何?どんなことしてるの?など、北海道内で活動する12名の奮闘ぶりが分かる写真展を開催中です。えりもでの開催は~7月27日。アザラシに詳しくなれる襟裳岬「風の館」が会場です。ぜひお立ち寄りください♪

●アクティブ・レンジャー写真展ご案内↓(北海道地方環境事務所HP)

http://hokkaido.env.go.jp/to_2018/30_3.html