ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

北海道地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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2018年12月26日

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2018年12月26日小学校へ出張授業に行ってきました!

えりも自然保護官事務所 熊谷 文絵

みなさん、こんにちは!

年末に向け寒波がやってくるようです。十分備えて体調崩さぬようお過ごしください。

えりもは、雪の日も増えてきましたが道内では少ない方なのだそうです。この時期ハラハラと舞う雪は、本当にきれいで毎日雪が降ったらいいのにな~と密かに密かに思っています。

ここ、えりも町は「風の町」と言われ、風速10m以上の日が年間260日以上もあります。道内では気温も高いうえ日本屈指の強風地帯ときたら雪が少ないのも頷けますね。

また、海に突き出たような地形から、岬の西部と東部とでは風況や海況が大きく変わる場所でもあります。

岬の先端に立って右(西側)を見ると、ほぼ無風で波もない。けれど左(東側)を見ると大きな波が立ち強風が吹き荒れている。。「えりも」では、よくある話です。

そして、えりもと言えばゼニガタアザラシ。

周年見ることのできるゼニガタアザラシですが、春から夏の時期には、より多くのアザラシを見ることが出来ます。春には子育て中の微笑ましい姿、夏には気持ちよさそうに日向ぼっこをする姿...換毛(かんもう)といい、毛が生え変わる時期なんです。そして、強風の日のアザラシといえば、風や波しぶきの当たりにくい場所を選んで休んでいたりと、アザラシなりに工夫していることが伺えます(寒いもんね)。ですが、岩礁で休むことを選ばないアザラシも多い。つまり、凍てつく強風吹き荒れるこれからの季節は、岬から見られるアザラシは少ないんです。きっと、泳いでいるのでしょう。

季節柄、強風の日が続いています。その威力にドローンを飛ばすことはもちろん望遠鏡で長い時間観察することはできそうにありません。ときにはその場所へ行くことすら難しいほどの強風なのです。

アザラシの様子を見られる機会が減り、「アザラシたち今頃どうしているかな~、寒がっていないかな~」とちょっとさみしく想いを馳せていたそんな折、町内の小学生にアザラシに関するお話をする機会をいただきました。

お話の内容は、「ゼニガタアザラシの生態や漁業との関係について」。

小学生はアザラシのどんなところに興味が湧くだろう?不思議に思う特徴はあるかな?など、考えながら準備を進めました。

ゼニガタアザラシの名前の由来から、からだのつくり、野生のアザラシが見られるのは日本で北海道だけ!その中でも、えりもは一年中ゼニガタアザラシが暮らせ、私たち人間はその様子を見ることができるとても恵まれた地域であること、そして、アザラシと漁業との関係、漁業被害を減らすための取り組み内容など...盛り沢山の内容となりました。

写真は、アザラシが後脚の水かきをどんな風に使っているのかお話しています。えりも町に住んでいても、これまでアザラシを見る機会は中々なかったようです。沢山メモを取りながら聞いてくれました。まずは、えりも町の特徴を知り、そしてこの町でどんなことが起きているのか今後興味を持つきっかけになれば良いと感じます。

授業から数日後、生徒さんからお礼のお手紙とイラストをいただきました。当時お話した、昔に日本で使われていた「銭(ぜに)」に似たからだの模様など、特徴をよく捉えています。アザラシの爪の数は話には上がらなかったけれど、しっかり数えてくれていたようです。なんとなく後脚が多いような気がするのはご愛嬌!かわいいイラストありがとうございました!

今回、伝えるための準備をしたことで、私自身とても勉強になることが多く、よき機会となりました。

アクティブレンジャー日記を読んでくださる皆さんにも、ゼニガタアザラシの特徴や漁業との関係、環境省が行っている取り組みやなぜそれを行うのか、分かりやすくお伝えしていきたいと思っています。

今後もぜひ、アクティブレンジャー日記を覗きに来てください。お楽しみに!

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