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アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

北海道地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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2019年3月18日

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2019年03月18日来て!見て!知ろう!ゼニガタアザラシ学習観察会

えりも自然保護官事務所 北海道地方環境事務所

みなさんこんにちは。

最近のえりもは、山道や日陰の場所に雪が残っているものの、3月に入り日差しの眩しい日が増え、一気に春めいてきました。

真冬の暴風ともいえる強い風は少しづつ治まり、アザラシを観察できる日が増えてきています!

そんな中、開催されたのは「来て!見て!知ろう!ゼニガタアザラシ学習観察会」です。

日高振興局主催のイベントで、襟裳岬周辺に生息するゼニガタアザラシを観察するとともに、その生態や近年問題となっている漁業被害等について学習し、人間とゼニガタアザラシの共存について考える、というもの。

当日は、日高管内にお住いの約50名の親子が集まりました。

主催者挨拶の後には、えりも町郷土資料館の中岡館長による、えりも町の歩みのお話。

えりもに生息する生物の紹介の中で、カニの写真がでるとみんな「おぉ~」と感嘆の声が上がりました。その他、かつて砂漠と化していたえりもの地が、地道な植樹の取り組みによって森の姿を取り戻し、砂が舞わなくなったことで海をも豊かに出来たことなど。昆布もそれ以降に良質なものが出来るようになったそうです。

私からは、ゼニガタアザラシとはどんな生きものか、ゼニガタアザラシと漁業との関係、アザラシの食害による被害軽減のための取り組みについてお話させていただきました。

未就学のお子さんもいたので、少し難しかったかな~と思い返しているところですが、業務中に現場で撮影した写真には皆さん思い思いの反応を見せてくれ、良かったです。

その後、展望スペースでのアザラシ観察と昼食が予定されていましたが、この時点で私の心配事はただひとつ...。潮が満ちていて、アザラシが上陸する岩場があまりなかったのです。これでは望遠鏡を覗いてもアザラシは見えません。もう少し潮が引けば、岩場も顔をだし、きっとアザラシが休息しに岩場に上がるはず...!!

昼食中、お子様たちからの「アザラシどこ~??」コールに「今探すね!」を繰り返しながら、アザラシたちお願いだから上陸してー!と心の中で思うのでした。。

その思いが届いてか?徐々に潮が引き始め、お気に入りの岩場周辺には黒いずんぐりむっくりアザラシが岩場の様子を見に集まり始めました。そして、ついに上陸!水から上がったばかりのアザラシは陽の光を反射しキラキラに光っていました。お子様も大人の方々もみんなで望遠鏡を覗いて観察することが出来ました○

この日はお天気にも恵まれたため、屋外での観察も。双眼鏡を覗くのが難しかったお子さんも、固定した望遠鏡を覗いては「いーたー!!!」「見えたー!今日の運使い果たしたー!!」と興奮気味に元気いっぱい!保護者の方からも、初めて見る!晴れだから見れるの?などの質問も飛び出し、それぞれの形で興味を持ってくれたようでした。

また、私たちのようにアザラシに関わる職業に興味を持ってくれたお子様もいました。嬉しい限り。ぜひ頑張ってほしいです。

さて、そろそろ観察会も終わりという時、聞きなれない鳴き声が。。

一瞬、アザラシかと思いましたが、周囲に響き渡る野太い鳴き声。アザラシとは何かが違う...。

すぐに双眼鏡で周囲を探すと、なんとトド!!大きな声を発しながら泳いでいました!昔はよく見たもんだと漁師さんから聞いたことがあったけれど、見たのは初めて。なんともラッキーでした。

えりものゼニガタアザラシについて、小さなお子様から大人まで多くの方に知ってもらうことが出来、トドが見れたラッキーも相まってなんとも充実の一日となりました。ご参加いただいたみなさん、ありがとうございました!

もう1~2か月もするとゼニガタアザラシは出産シーズンを迎えます。親子の愛らしい姿が見られる機会も増えます。ぜひ、えりものゼニガタアザラシに会いに来てください!

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