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北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

「阿寒摩周国立公園に響く声」

2019年09月06日
川湯 岡西 大助

 事務所のある摩周地域も曇り空続きの8月でしたが、月が変わってスッキリと晴れた9月2日。東京にある大学のゼミ合宿の受け入れをしました。

 学生達は経済学部に所属し、環境経済学を学んでいるそうで、今回の合宿のテーマは,国立公園でのボランティア活動。当日は二部体制にして、午前中はカヌーを使った清掃活動を。午後は近年、川湯地域に繁茂し始めたアメリカオニアザミの駆除作業を行いました。15名の若人が大活躍の一日でした。

 色とりどりのカヌー。ここは屈斜路湖和琴半島

 地元のベテランガイドによる操船指導 真剣な学生達

 和琴半島を時計回りに、先端の「オヤコツ地獄」を目指す!

青い空、爽やかな空気。湖面は鏡のように穏やかで、澄み渡った湖水は底まで手が届きそう。あちらこちらから感嘆の声が響いて、これぞ国立公園!

 清掃活動風景と、当日の主なゴミの種類。温泉熱で蒸した食料ゴミが多かったです。

屈斜路湖東側の山中にある「キンムトー」(湯沼)

午後からはここでアメリカオニアザミの駆除作業です。国立公園管理官から、作業手順と注意事項について説明を受けてから作業に入ります。

棘が危険なため革手袋を装着してレクチャーする管理官。

作業風景。楽しくたくさん汗を掻きました。100ℓビニール袋4袋分のアメリカオニアザミを回収・処分しました。

 帰り道、第二硫黄山とボッケ(※)を見学。ここで管理官から、本日の総括と質疑応答の時間がとられました。学生達の言葉から有意義な一日であったことが感じられました。今日の経験が彼らの心に響いて、将来国立公園のために役立てていただけたらありがたいです。

「絶対、また来ます!」

国立公園に関わる仕事に従事している私達にとっても、嬉しい一日でした。

※「ボッケ」・・・アイヌ語で「煮え立つ場所」という意味で、地質現象の「泥火山」のことを意味します。