ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

北海道地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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2019年10月

14件の記事があります。

2019年10月31日ルシャ地区海岸清掃

知床国立公園 ウトロ 小泉尚也

こんにちは!知床国立公園ウトロ自然保護官事務所の小泉です。

先日、ルシャ地区の海岸清掃に参加してきました。今回の清掃作業は、企業協賛で行われ、町役場職員、北海道庁職員、環境省職員、協賛企業職員の他、地元漁業共同組合の皆さんも合わせて37名での作業となりました。

集合写真

海洋ゴミにはペットボトルや空き缶、空き瓶などの一般ゴミがたくさんありますが、

今回は普段回収することができない網や浮き玉、カゴなどといった比較的大きめの漂着ゴミを拾いました。(毎年拾っている一般ゴミは別日に回収しました。)

手で持てる程度の大きさでしたが、流木に絡んだ網や、半ば以上地面に埋まった縄など、かなりの重労働になりました。

浮き球 漁具

作業から小一時間、数十メートルの距離でこれだけの漁具が集まりました。4tトラックが一杯です。

たくさんの漁具 トラック一杯のゴミ

トラックが一杯になってしまったため、これ以上の漁具回収はできませんでしたが、あたりはまだ漁具がたくさん残っている状況です。ルシャ地区の海洋ゴミをなくすためには継続したゴミ拾い活動が必要です。

海岸のゴミ

現在、世界中で海洋ゴミが問題視されており、知床の海岸線でも同様の問題が起っています。

世界自然遺産に登録され、貴重な自然環境を形成している知床でもこのような問題を抱えているのは、非常に悲しい現実です。

皆さんに知床でもこのような問題が起きているということが伝わり、少しでも海洋ゴミ問題に関心を持っていただけたら幸いです。

海洋ゴミをなくすためには、ゴミを出さない、ポイ捨てしないことが大事です。

終了集合写真

参加された皆様、お疲れ様でした!

環境省ではプラスチックゴミ削減のため「プラスチックスマート」〈http://plastics-smart.env.go.jp/〉キャンペーンを実施しています。

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2019年10月31日原始ヶ原とヒグマ

大雪山国立公園 渡邉 あゆみ

 こんにちは。あと一ヶ月後には一面雪景色と想像すると、歓喜のあまり胸がドキドキしてくる東川自然保護官事務所の渡邉です。

 大雪山国立公園では夏山シーズンがはじまる6月から、登山道利用者を把握するため各登山口に登山者カウンターやトレイルカメラを設置し、登山者数をカウントしています。(昨年度までの登山者数はこちらをご覧ください。)

 カウンターは人体から放射された赤外線(熱)を検知し、通行者数を自動でカウントしたり、トレイルカメラは人体や動物の放射する遠赤外線を読み取り、自動的にシャッターを切って写真撮影を行なうもので、各所に設置したカウンター・カメラは夏山シーズンが終わった10月中旬に撤去し、登山者数の集計作業をします。

 原始ヶ原登山口に設置したトレイルカメラのデータを集計中、つい手が止まってしまった画像が記録されていたので紹介します。

ヒグマです。

 見てください。この太くて短い足、地面につきそうなお腹、むっちりボディー。10月に撮影された写真↑で、冬眠の準備は万端という雰囲気でしょうか。貫禄があるので"横綱"と命名します。

 ヒグマは時速50kmほどで走れると言われていますが、この体付きでそんなに早いスピードが出るとは想像しにくいですね。

 

 この写真↑の注目ポイントは、尋常じゃなく発達している肩の筋肉。腕力の強さが見て取れます。張り手をしたら凄そう、と言うことで"張り手"と命名します。この腕を使い、木登りや急斜面の山越えもラクにするのでしょう。長い爪もあるので、穴掘りも得意です。

 "横綱"と"張り手"が同一個体かはわかりませんが、原始ヶ原で記録されるヒグマのほとんどが23時台に撮影されています。まれに、夜中の1時や2時にも記録されていましたが、昼間には一枚も記録されていませんでした。 暗闇でも行動できるのは嗅覚が優れている証拠ですね。

 原始ヶ原のヒグマは、昼間は一体どこで寝ているのでしょうか。

 

 8月、原始ヶ原滝コース巡視中、非常に珍しいヒグマの死骸を見つけました。骨と毛が散乱し、既に臓器等はありませんでした。肋骨らしき骨は細かったので、まだ子グマだったのでしょうか。

 どうしてこんなところで亡くなってしまったかはわかりませんが、山の神(アイヌ語でヒグマは、キムンカムイと呼ばれ、山の神を意味します。)は小動物の養分になり、山に還ったのでしょう。もしこのヒグマが転生するとしたら、次は何に生まれ変わるのでしょうか。

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2019年10月30日支笏湖の秋を満喫♪

支笏洞爺国立公園 當山真貴子

赤色や黄色に色づいた葉っぱの絨毯が日増しに増え、紅葉シーズンが終盤にさしかかっている支笏湖。

もう少し秋を楽しみたいなと感じている當山です。

 

さて、先日(10/12)、紅葉真っ盛りの中「紋別岳自然観察会」を開催しました。

※参加者:13名(10歳以下~70代)


観察会の様子

 

紋別岳の中腹付近にて、白色の細長いものを発見!

ここは、アオダイショウの目撃が多い場所なので、おそらくアオダイショウの抜け殻ではないかと

推定しましたが、しばらく子供達も釘付け♪やっぱり生きもの系は人気ですね(^^)

 

他にも、白色のヤマハハコの花や黄色のツルウメモドキの実、ヤマブドウの実等を

観察することができました。

※写真をクリックすると大きくなります。

 

途中でバテる子もいましたが、無事に山頂に到着!

支笏湖を眺めながら昼食

 

今回は、多くのお子さんがご参加いただき、友達同士で「もののけ姫」の歌を歌いながら登山をする子や

パークボランティアが持っていた2本のストックを真似て、落ちている枝を2本拾い杖代わりに登る子など・・・

終始賑やかな観察会となりました(^^)

閉会式

 

最後のまとめでは、今日、観察することができた樹木(赤色に紅葉している葉はハウチワカエデ、

黄色はイタヤカエデ等)や「楽しかった」という感想をいただき、私まで嬉しくなりました。

また、支笏湖に遊びに来て欲しいなと感じた日になりました(^^)

 

☆おまけ☆

支笏湖園地の紅葉

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2019年10月25日2019秋サケ定置網漁

えりも自然保護官事務所 熊谷 文絵

こんにちは! えりも自然保護官事務所の熊谷です。

今回は、約3ヵ月と長期戦の調査のお話です。

えりも町では「秋サケ定置網漁」真っ只中。8月末~11月中旬までえりも町全域で行われています。

ここ三年記録的な不漁続き...今年こそと期待が膨らみましたが、今のところ昨年よりも水揚げは少なく、大変厳しい漁模様となっています。。ただ、魚体はとても大きく立派なものばかり!!

▲この日一番大きいものを測ってみました!なんと5㎏超え!

私たちが秋サケ定置網漁に併せて実施している「乗船調査」は、襟裳岬に生息するゼニガタアザラシによる食害の程度を把握し、食害を減らす対策を講じるための調査です。

では、調査スタート!

<4:20>

まだ暗いうちに出発!そろそろこの時間は吐く息が白くなってきました。

<4:45頃>

港到着、早速乗船スタイルに。船の上では一身に風を受けて体温が下がりますが、網興しはとても体力を使うため終わる頃には暑くなることも。船上で脱ぎ着をしている暇がないのでどれだけ着込むか悩みます。。

上下合羽・手袋に救命胴衣、ヘルメットも被ります。カゴには水中カメラや調査用紙が入っています○

▲平野保護官は着込む派。熊谷は暖まりすぎると酔いやすいので、やや寒いくらいにしています。

<5:10>

船に乗り込み、出港‼8月末~10月頭まで比較的暖かい日が続きましたが、最近は風の強い日・時化ている日が増えてきて、海況厳しく"えりもらしく"なってきました◎

<5:20~5:30>

漁場に到着!

魚の溜まった網をみんなで引き寄せます。魚が多い時は写真のようにタモ網を使い、船のタンクに移していきます。

定置網には水中カメラを設置して(写真右)、魚や網に近づくアザラシの様子を撮影しています。

ひとつの船で興す網は4か所ですが、潮の流れが速かったり時化がひどく全て興せない日も珍しくありません。。

乗船時、私が意識するのは...

①漁師さんのお邪魔にならないこと。

 風あり波あり船が動いている中での漁は、瞬間的に集中しなければならない場面ばかり。その一瞬の邪魔にならぬよう、その時の状況に応じて動きます。

②視界から消えないこと。

 時折、波が高かったり突風が吹くこともあります。その際、安全・確実に乗船していることを伝えるためにも、漁師さんの視界から消えない位置にいること、これは大事です。救命胴衣はもちろんヘルメットも、余計なご心配をおかけしないように、といった意味でも役立ちます◎

▼アザラシによる被害

獲れた魚の中には、アザラシによってサケの頭部が喰われていたり、爪の痕が残っています。これらは人間の食用としては流通せず、ツブの餌等に活用されています。

どんな風にどれだけの被害が出ていたか、毎日記録します。

<6:30頃>

全ての網興しが終わったら港へ戻ります。

▼荷捌きの様子

漁師のみなさんがオスなのかメスなのか、また重さにより分けられている区分ごとにすごい速さで仕分けしていきます。「毎日やっているから見たら分かるよ!」と瞬時に数十グラム単位で判別し分けるのだから、熟練の技です。

定置網はその場所へ泳いできた魚がかかるもの。サケばかりとは限りません。こんな魚も...

▲《ホウボウ》ヒレが美しい、暖かい海域の魚です。食味も良く、刺身や天ぷら等で食されます。えりもの漁師さんには馴染みがないようで、定置にかかることは珍しいそうです。

▲《イシガキダイ》この和名は、"石垣"を思わせる模様に由来しています。太平洋側では房総半島、日本海側では山口県以南に生息する魚なので、えりもで定置にかかるとは珍しい。

▲《フクラギ》出世魚であるブリの幼魚。おおよそ40㎝までを指します。「フクラギ」とは地方名で、関東圏では「イナダ」、関西圏では「ツバス」と呼ばれています。

このフクラギや、60cm以上のブリが多くかかるようになったのはここ3年とのこと。時にはサケより多く獲れることもあります。

▲《ボラ》小骨が多く刺身で食べるのには隠し包丁を入れるのが良いでしょう。昨年含め、定置網にかかったのは初めて見ました。

暖かい海で見られる魚がかかるようになってきました。温暖化の影響があるのでしょうか。。

その後、漁師さんや組合の職員の方とお話しながら、情報収集に努めます。

「この水じゃ魚は来ない」という漁師さんに「水温ですか?潮の流れ方ですか?」と質問をしながら、えりもの特殊な海況を教えてもらったり、環境省での被害対策の具合はどうか。今後どういったことに期待しているかなど...この時間に"これからのヒント"が詰まっていることが多く、とても勉強になります。

<7:30頃>

事務所へ戻り、回収した水中カメラの映像を確認します。

この日の映像から魚やアザラシの動きは得られませんでした...が、「この状況(海況や気象条件等)で魚やアザラシの動きが映らなかった」というのも調べたから分かること。貴重な記録となります。

そうこうしているうちに半日終了。今日の調査は終了です。

海の中は資源の動向が読みづらく、見込みよりもたった数℃でも水温が高ければ魚が来ないなど、"今期の普通"を見極めるにも日数がかかります。定置網にあまり魚がかからない時、アザラシたちはどう過ごしているのか、なんとかアザラシと意思疎通ができないものか...時にはヤキモキしますが、焦らず我慢!と自分に言い聞かせ、調査の毎日を過ごしています。

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2019年10月18日秋のクッチャロ湖

利尻礼文サロベツ国立公園 津田涼夏

みなさん、こんにちは!寒くて、こたつから抜けられない季節になってきました。

今回のAR日記は、浜頓別町クッチャロ湖からお送りします。

浜頓別クッチャロ湖はラムサール条約登録湿地において、湿地の価値の普及啓発及び水鳥、湿地のモニタリングの拠点を目的として、環境省により設置されました。

ラムサール条約とは...?

「特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約」であり、水鳥を中心とした動植物の宝庫である湿地を守るための条約です。

現在、国内では52ヶ所が指定されており、北海道でも13ヶ所が指定されています。ラムサール条約登録湿地を巡る旅がしたくなりますね♪

また、先日のクッチャロ湖の巡視を行いました。

  休息しているコハクチョウとオナガガモ    芝生を見つめるコハクチョウ

  休息中のコハクチョウ             オナガガモ♀

コハクチョウは夏の時期にツンドラやシベリアで繁殖を行い、10月頃にクッチャロ湖周辺に飛来します。ここで休息をとり、本州の越冬地に南下していきます。また4月~5月にかけて、クッチャロ湖周辺に戻り、ツンドラやサハリンへ帰っていきます。まだまだ、飛来数は少ないですが、これからもっと増えてきます。この時期ならではの鳥たちに会いにきませんか。

さて、 浜頓別町のクッチャロ湖水鳥観察館では10月31日まで、1階のレクチャールームにてアクティブ・レンジャー写真展を開催しています。

是非ご覧ください♪温かい格好で浜頓別町クッチャロ湖にお越し下さいね☺

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2019年10月17日一緒に自然を守る活動をしませんか?

支笏洞爺国立公園 洞爺湖 増田 多美

皆さまこんにちは。

洞爺湖管理官事務所の増田です。

紅葉が見頃を迎え、そろそろ冬支度を始める季節ですね。

私は衣装ケースの整理がまだまだかかりそうですが、皆さま冬への準備は順調ですか?

さて、支笏洞爺国立公園洞爺湖地区ではパークボランティアの新規募集を行うこととなりました!


(案の4)添付資料チラシ.pdf

■ パークボランティアって?

環境省では、国立公園における施設の維持管理、美化清掃や自然保護の普及啓発といった各種活動について、自発的に協力していただける方々をパークボランティアとして登録しています。
登録は地区ごとに行っていて、全国の25国立公園40地区でなんと1500人以上(※)が活躍しており、支笏洞爺国立公園 洞爺湖地区では令和元年10月1日現在、21名の方が登録されています。(※平成24年のデータ。詳しくは環境省ホームページのパークボランティアのページをご覧ください。)

■ 主な活動内容は?

(活動の様子)
活動内容は少しずつ変化しますが、洞爺湖地区パークボランティアでは下記のような活動を主に行っています。
 ・美化清掃
 ・登山道や中島の巡視
 ・外来動植物の駆除
 ・倒木撤去など登山道の整備 

 ・施設の簡単な整備 ...など!

■ どんな人がパークボランティアになっている?

年齢は20代~80代と幅広く、バリバリ働いている社会人はもちろん、子育てしながら働いているお母さん、定年後の第2の人生を楽しんでいる人など、様々な方が活躍されています。

子供の面倒を見るのが上手な人、トレイルランニングが趣味の人、看護師さん・学校の先生、野鳥・植物に詳しい人、火山マイスターとしても活躍されている人などなど...得意分野も職業もバラバラですが、共通しているのは自然が大好きということです。


■ 応募について
11月17日(日)に実施する養成研修に参加していただくことが登録の要件となります。
募集要件や応募書類、問合せ先など、詳細は環境省北海道地方環境事務所の下記のページをご覧ください。
(お知らせ)支笏洞爺国立公園洞爺湖地区パークボランティアの募集について

締切りは【 令和元年11月8日(金) 】です!
皆さまのご応募、お待ちしております(*^-^*)

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2019年10月11日宮島沼にマガンが集まってます

苫小牧 大久保 智子

こんにちは、野生生物課の大久保です。

農業が盛んな美唄市宮島沼には、稲刈りが終わる頃、極東ロシアからマガンが渡ってきます。

宮島沼は、長い渡りの途中で羽休めをし、栄養を補給するための大切な中継地です。

鳴き声がする空を見上げるとV字編隊を組んでいます。

宮島沼で滞在中のマガンの1日の行動は、

朝、宮島沼を飛びたち、採食地へ向かうことから始まります。

田んぼで落ち穂などをお腹いっぱいになるまで食べます。

その後、午前中のうちに一度宮島沼に戻ってきて休息し、午後にはまた田んぼで採食する生活が基本です。

日中は、採食と休息の繰り返しです。ただ、天気が悪いときや、田んぼに十分な飲み水があるような時は、わざわざ沼に戻ってこないで、田んぼで休息することも多くなります。

夕方、日没前後になると、採食地に散らばっていたマガンは、編隊を組んで一斉に宮島沼に戻ってきます。

いわゆるねぐら入りです。キツネなどの天敵が活発になる夜間を、安全な沼で過ごしています。

先日訪ねた時には、天気が悪かったため、マガンはお出かけ中でした。

宮島沼にマガンが集まるのは、安心して休める沼とエネルギーを蓄える餌場があるからです。

田んぼで落ちモミを食べることを理解してくれる近隣農家さんの理解もあって、渡り鳥との共生が成り立っているところです。

マガンに安心して沼で過ごしてもらうために、宮島沼友の会通称ミヤトモで観察のコツやマナーを紹介していますので是非ご覧ください。

https://miyajimanuma.wixsite.com/miyatomo/geesewatch

宮島沼でのマガンの観察は、「早朝のねぐら立ち」「夕方のねぐら入り」がおすすめです。

「早朝のねぐら立ち」は朝5時半前後が目安で、「夕方のねぐら入り」は夕方5時前後です。渡り鳥の群れが一斉に飛び立つ様子はかなりの迫力があります。是非この感動を体験してみませんか?

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2019年10月11日サロベツを海から望む

利尻礼文サロベツ国立公園 稚内 青山留美子

利尻礼文サロベツ国立公園のサロベツ部分は、海岸に沿って広がる砂丘林が国立公園に指定されているため、それに沿うように海域部分も国立公園の普通地域として指定されています。

普段は砂丘林に沿って続く道路を行ったり来たりするのみで、海も国立公園だと認識する機会はほとんどありませんでした。

それが今年は、国立公園の見直しを検討しているため、自然保護官による現地調査が行われることになり、私も同行させてもらいました。

地元の漁師さんにお願いし、秋サケ漁のお仕事の合間に船を出してもらいました。

海から見る利尻・礼文は一段と近く見えました。

利尻に渡ったヒグマも、この景色を見て「近いから泳いで行ける」と思ったかもしれないと感じました。

陸からではあまり見かけない、アジサシに出会ったり、魚群に集まるカモメたちの姿が所々にあったりと、海の上ならでは出会いもありました。

また、日頃使う海岸線の道路を走っている車が見えると、少し不思議な気分になりました。

海の上から見たサロベツは、道路から見るより何倍も、人工物がないと感じました。

稚内の町が見えてくると、大都会のように建物がいっぱいあるように見えた反面、豊富町側では、道路の看板や橋くらいしかありませんでした。

砂浜に打ち上がっているゴミも目に入りません。

自然の大きさを感じた一時でした。

人工物のない景色が広がるサロベツ。

その価値をどう考え、どう残していくのか?

ここは渡り鳥の往来があり、それこそヒグマも活動する場所です。

人からの目線だけでなく、様々な目線になって、角度を変えて見ることも重要だなと感じた船の旅でした。

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2019年10月09日傷病鳥放鳥!

利尻礼文サロベツ国立公園 青山留美子

夏になる前の事です。犬の散歩をしていた稚内市民の方から連絡が入りました。

「ずっと動かないワシがいる」と。

その連絡を受け、捕獲し、獣医さんがいる釧路へと運ばれました。外傷はありませんでしたが、なぜかずっと動かない剥製のような姿で運ばれて行ったのはオジロワシでした。

それから数ヶ月後、運ばれて行った先の獣医さんから「元気になったので放鳥について相談しましょう」との連絡がありました。

「ケガをしているオジロワシがいる」や、「ずっと同じ場所にいるオオワシがいる」などの通報を受け、捕獲し搬送することは珍しいことではありません。しかし、その後元気になって帰ってくる対応をするのは、私にとっては初めてでした。

釧路の獣医さんが、上士幌自然保護官事務所まで運び、上士幌事務所から名寄まで来てもらい受け取る、リレー形式で稚内まで戻ってきました。

稚内を出た時は、まったく動かない剥製のようだったオジロワシが、若い元気なオジロワシになって帰ってきました。ゲージの外からでも元気になっている様子が伝わってきました。

そして、捕獲された場所から離れすぎない川沿いで、放鳥することになりました。

入り口を開けることにもビクビクしながらの私に反して、ゲージを開けた直後、オジロワシは勢いよく飛び出しました。

勢いよく出たものの、しばらくじっとして動きません。

車酔いでもしたのか、捕獲した時の様子が頭をよぎり、少し心配になりました。

その次の瞬間!

そして、あっという間に丘の向こうへ飛んで行きました。

このオジロワシは、捕獲した時に発信器をつけていました。調査のため、環境省に申請された上でつけられたもので、情報提供をしていただけました。

その情報により、このオジロワシが2018年に稚内で生まれた雄であることがわかっています。

稚内で生活している同じ市民として、帰ってきてくれた事をとても嬉しく思いました。

これからも、ここ稚内で元気に過ごしてくれることを願います!

最後になりますが、見つけて連絡して下さった市民の方、回復するまで対応して下さった獣医さん、搬送に関わったみなさん、ありがとうございました。

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2019年10月08日サロベツの木道

利尻礼文サロベツ国立公園 青山留美子

サロベツ湿原には、二つのタイプの木道があります。

一つは、多くの方に利用してもらう事を想定した木道です。

代表例として、豊富町にあるサロベツ湿原センターの木道です。

そしてもう一つは、限られた場所にしかなく、限られた人しか使わないため、木道幅が一人分しかない木道です。「調査用木道」と呼ばれています。

どちらのタイプの木道も設置から10年近く経ち、年々痛みが激しくなっています。

そのため、今年は、木道の改修に向けた打合せが多く行われており、現地での打合せに同行させて頂く機会が何度かありました。

日頃、木道を歩く時は、植物や鳥や虫などに一喜一憂する人たちと歩くことが多いため、

そうではない木道歩きはとても新鮮です。

立ち止まる場所が違い、凝視する対象が違い、きれいに咲いている花に目もくれず進んでいきます。

それもそのはず、札幌などから来た担当者や業者さんたちが、限られた時間の中で確認していくからです。

日帰りでトンボ帰りする方もたまにいて、驚くばかりです。

初めは、設計のための打合せでした。今後、実際に設置するための打合せや、完成後の検査などでまた集まる事がありそうです。

大きな工事は、多くの方の手が関わってできていることを実感します。

木道のない湿原を歩いた時の大変さ(平坦に見えて意外とアップダウンがあります)や、ヤチマナコや深みにはまって抜けられなくなるような怖さを思うと、木道のありがたさが身にしみます。

その木道を作り出す作業は、まだ始まったばかりです。実際に工事が行われだすのも冬になってからです。

そして、一度の工事で全てが新しくなる訳ではないので、今後もご不便やご迷惑をおかけすることもあるかもしれませんが、ご理解とご協力をお願いいたします。

私も、木道のありがたさをかみしめつつ、これからも木道の上から湿原を楽しんでいきたいと思います♪

※※927日、幌延ビジターセンターの木道上で、ヒグマの足跡が確認されました!

木道を利用しているのは、人だけではないようです。

サロベツは、ヒグマが生息・活動している場所です。

その事を理解の上、早朝や夕方に木道を利用される方は、十分ご注意下さい!!

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