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北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

2月2日世界湿地の日のウトナイ湖

2020年02月18日
苫小牧 大久保 智子

こんにちは、野生生物課の大久保です。

ウトナイ湖は三寒四温を繰り返し、徐々に春に向かっている兆しがあります。

季節の移ろい時期、みなさま体調は崩されていませんか?

さて、2月2日は、1971年の2月2日にラムサール条約が採択されたことを記念し、世界湿地の日とされています。

ラムサール条約の正式名称は、『水鳥の生息地として特に国際的に重要な湿地に関する条約』といいます。この条約では、国際的に重要な湿地及びそこに生息・生育する動植物の保全を促進するため、各締約国がその領域内にある国際的に重要な湿地を1ヶ所以上指定し、条約事務局に登録するとともに、湿地の保全及び賢明な利用促進のために各締約国がとるべき措置等について規定しています。ウトナイ湖は日本で4番目に登録されました。

その記念すべき湿地の日に、ウトナイ湖で冬の湿地を知ってもらうため、「冬の湿地をスノーシューで探検しよう!」というイベントを行いました。

しかし!!

苫小牧市も北海道の他の地域と同じように、イベント開催日まで暖かい日が続き、雪が降れ降れと念じ続ける毎日でした。思いとは裏腹に雪は積もるどころか減るばかり(涙)。

迎えた当日は雪がなくもないという微妙な積雪で、スノーシューを履く判断は参加者にお任せし、散策路を観察しました。

 

散策では気持ちの良い天気のおかげで、人気者のシマエナガの群れが参加者を出迎えてくれ、ほかにもコゲラ、キバシリ、シジュウカラなどが賑やかな姿を見せてくれました。その後はエゾノバッコヤナギ、キタゴブシ、エゾニワトコなどの冬芽を観察し、湖の上の猛禽類を探したり、オオハクチョウの羽休めを観察したりしていました。また、この日は、特別に結氷した湖の上に上がり、鳥が集まる苫小牧らしい冬の湿地を満喫してもらいました。

  

ウトナイ湖は飛行機が真上を通り、住宅街に近い場所にあるにも関わらず、渡り鳥の中継地点であり小鳥もたくさん集まります。人の生活に近い場所でありながらも、鳥たちにとっては、安らぐことのできる重要な場所であり、また、私たちにとっては、身近に野鳥に親しむことが出来る貴重な場所です。

いつまでもお互いにとって心地よい場所であるよう、大切にしていきたい場所の一つです。

ラムサール条約について詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。

https://www.env.go.jp/nature/ramsar/conv/About_RamarConvention.html

最後に、ウトナイ湖は通常湖面に立ち入りが禁止されています。今回の観察会では特別に安全対策を万全に行った上で、環境に配慮して実施しています。

氷がとけて湖の中に落ちるおそれや、休んでいる鳥に近づきすぎて脅すことにもなりますので、湖岸からウトナイ湖を楽しんでください♪

参加者のみなさま、ありがとうございました。