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北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

霧の浮島

2020年06月08日
稚内 津田涼夏

季節は初夏を迎え礼文島では、花々が見ごろを迎えているようです。

中でも高山植物のお花畑がみられる桃岩展望台コースでは、例年5月の終わりから6月にかけて、エゾノハクサンイチゲやレブンコザクラ、レブンハナシノブ、キジムシロ、ハクサンチドリ、オオバナノエンレイソウなどのお花が一面に広がっています。

  

    エゾノハクサンイチゲ                レブンコザクラ

  

      レブンハナシノブ                 キジムシロ

  

      ハクサンチドリ               オオバナノエンレイソウ

また、礼文島の初夏と言うと、霧が発生しやすい時期でもあります。

6月の礼文島は特に霧が発生することが多く、あたり一面が真っ白になることも珍しくありません。一人でいると、心細くなってしまうような時もあります。ですが、礼文島の高山植物にとっては命の源となっています。高山植物が多く生息する礼文島の西海岸はほとんどが急峻な斜面もしくは断崖絶壁となっています。そのような場所にも高山植物たちは自生しており、そこには川など水の供給源はありません。しかし、そんな高山植物たちにとって強い味方となっているのがまさにこの霧なのです。雨が降っているわけでもないのに着ているものがじっとりと湿ってくるほどの水分を含んだこの霧が、植物たちが生きるために不可欠な水分を与えているのです。

霧が発生すると、視界が悪くなり、礼文島の西海岸の景色が楽しめなくなることも残念な気持ちもありますが、高山植物の生き生きとした姿を見るためだと思うとなぜか霧の天候が嬉しくなるアクティブレンジャーの津田でした♪

なお、礼文町から、新型コロナウイルスに立ち向かう新たな取り組みとして

「新しい生活様式(礼文島モデル2020)」が提案されています。

ご来島前に必ずお読み頂き、それを念頭においた行動をお願いいたします。

皆様のご理解とご協力をお願いいたします。