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北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

然別湖でウチダザリガニ集中防除

2020年07月14日
上士幌 上村 哲也

 76日(月)~10日(金)然別湖において、鹿追町、大雪山国立公園パークボランティアとともに特定外来生物ウチダザリガニの集中防除を行いました。

 然別湖のウチダザリガニは1993年ごろ南西部の湖畔温泉付近で最初に目撃されて以来、急速に生息域を広げ、2014年ごろまでには全周に及んでしまいました。ウチダザリガニの生息域拡大とともにバイカモなど十数種も観察された水草が徐々に失われ、今や北岸の一部に残るのみで風前の灯です。ニホンザリガニは2002年を最後に観察されていないといわれています。

 然別湖にはオショロコマの亜種ミヤベイワナが生息し、産卵床がある流入河川へウチダザリガニが侵入しないか影響が懸念されています。

 餌を仕掛けたカゴ罠を然別湖全周の岸辺に沈めます。多くは鹿追町がボートで作業しますが、船が近づけないところをパークボランティアが担当します。

 翌日から捕獲したザリガニを回収し餌を追加して再投入。これを金曜日まで繰り返します。捕獲したザリガニは、体長を計測し、雌雄、抱卵、ハサミの欠損を観察して集計します。生態解明の資とします。

 毎日、サンテナに4、5箱分の捕獲が続き、12,996尾を駆除しました。集計を担当された鹿追町さんお疲れ様でした。

 ところで、カゴ罠を仕掛けるだけの1日目は、然別湖畔にある南ペトウトル山登山口近くで北海道指定外来種イワミツバの防除に取り組みました。イワミツバは登山口に近い舗装道路の脇に30mほどに渡って生育しています。根絶するには張り巡らされた根ごと掘り取らなければなりませんが、湿った土のほかに砂利の混じったところもあって難しい。今回は可能な限り根ごと抜取り、それが難しい場所は広がった茎や葉を引きちぎりました。まだ、ごく狭い範囲に生育しているので、大きく広がらないうちに食い止めたいところです。

南ペトウトル登山口でイワミツバ防除

南ペトウトル登山口でイワミツバ防除

然別湖北岸でかご罠を投入

然別湖北岸でかご罠を投入

雌雄の別、抱卵などをカウント

雌雄の別、抱卵などをカウント

どんどんたまるウチダザリガニ