ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

北海道地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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2020年9月14日

5件の記事があります。

2020年09月14日裏の空き地は宝箱

大雪山国立公園 渡邉 あゆみ

 こんにちは、東川管理官事務所の渡邉です。

 これから紅葉ハイシーズンを迎える大雪山。

 裾合平のチングルマ最盛期に続いて、9月8日(火)~9月20日(日)の間、中岳温泉に仮設携帯トイレブースを設置しています。

 今年は山も体験したことがない蒸し暑さでした。寒暖差が少ないので、紅葉も遅れているようですが、中岳温泉方面に行かれた際はトイレブースを是非ご利用ください。

 

 

 数日前から、我が家の裏の空き地(草地)に「モズ」が来ています。

 

 朝、カーテンを開けると「またいた!」。帰って窓を覗くと「またいた!」。虫を捕ったりしている程度で、ほぼ一日中、この草地で過ごしているようです。

 お腹は丸々としており、栄養状態は良さそうなので安心して観察しています。道北で越冬するモズは少ないので、これから南に移動するために更に栄養を蓄えているのでしょう。

 スズメに似ていますが、大きさはハトくらいあるので一目でスズメじゃないことがわかります。

 野鳥の繁殖やカエルの合唱シーズンが終わり、すっかり静かでしたが、久しぶりの来客で外を覗くのが楽しみになっています。いつまで居てくれるかな?

 続いて7月、同じく裏の空き地に来ていた「ホオアカ」も紹介します。

 

 頬が赤いので、ホオアカ。ちょっと濃いめの頬紅を塗っているようで、可愛くないですか?

 大雨の日も、強風の日も、メスを呼び続けるオス。あまりに健気な姿に心を奪われ、「私じゃダメかい?」と返事しました。ダメだったようです。半月ほど、特徴的な美しいさえずりを聞くことが出来ました。

 

 最後に8月末、事務所近くで巣立った「チゴハヤブサ」の幼鳥。

 

 齋藤管理官から、早朝や夕方に事務所近くの電柱にとまり、鳴いているハヤブサっぽい家族がいると聞いていましたが、運良く事務所の電柱に留まっている幼鳥を撮影できました。

 写真で見ると、ハヤブサではなく、チゴハヤブサということがわかりました。(お腹が茶色い、頬の白い切れ込みが大きくある。)

 事務所は町内の中心部。人が密集しているところですが、こんな場所で繁殖していることにも驚きました。

 

 ちなみに、写真は全て↓のように、双眼鏡にスマートフォンを合わせて撮影しています。

 ちょっと画像が粗いですが、自分の記録用としてはとても便利です◎

 身近な自然、特に野鳥にはたくさんの気づきや、癒やしを与えてもらっています。

 春にも、この空き地には オオジシギが来る ことを書きましたが、ニンゲンから見ると、一見荒れた草地が野鳥や生き物にとっては、伴侶を見つけたり、食料庫だったり、子育てする場になっていたり、とても重要な場所となっていることがわかります。それを知ってから、私にとっても裏の空き地は大雪山と同じくらい大切な場所になりました◎どうか身近な自然が守られていけますように。

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2020年09月14日Shiretoko Autumn Bus Days(10/2~10/4)

知床国立公園 白石海弥

お久しぶりです。知床国立公園ウトロ側の白石です。季節はあっという間に過ぎ、秋に差しかかるウトロ...のはずが、9月に入っても真夏日が記録され残暑が苦しいです。

さて、2005年に世界自然遺産に登録されてから今年で15周年を迎える知床。節目となる今年、10月2日(金)~10月4日(日)新たなイベントを実施します。

世界的に見ても高密度に生息するヒグマ。知床の自然の豊かさの象徴である一方、観光客や地域住民との遭遇件数は増加の一途をたどり、その大半が道路沿いや遊歩道等で起きています。昨今、大々的に報道されたので耳にしたことがある方もいらっしゃると思いますが、「クマ渋滞」という言葉まで出始め、観光客とヒグマの距離感は近づくばかり。いつ人身事故が起きてもおかしくない状況が続いています。

何度呼びかけても無くならないポイ捨て、エサやり。餌付いてしまったヒグマは人を襲う危険が高く、やむを得ず駆除する、そんな事象が発生しているのも事実です。

今回のイベントは新しい知床の魅力を発掘しながら、これらの問題解決を図ろうとする初めての試みになります。

【期間】2020年10月2日(金)~2020年10月4日(日)の3日間

【区間】自然センター~カムイワッカ湯の滝間(羅臼岳登山口・ホテル地の涯含む)

【シャトルバス運賃】全便無料

【各ゲートの閉鎖時間】カムイワッカ湯の滝へ至るゲート:10月1日 午後4時に閉鎖

      五湖方面(羅臼岳登山口含む)へ至るゲート:10月1日 午後10時に閉鎖

イベント期間中自家用車・自動二輪の乗り入れが出来なくなります。

※羅臼岳をご利用の皆様には、別途早朝と夕方を中心にマイクロバスを運行します。

このイベントで運行されるシャトルバスは、いわゆるマイカー規制のような目的地への移動だけでなく、野生動物観察や自然ガイドによる解説もあり、新しい知床の楽しみ方を提供します。

詳細はコチラをご確認ください。

自然センターを出てすぐ、知床連山が皆様を出迎えてくれます。

今は青々としていますが、10月の上旬になれば紅葉が始まり、運が良ければ冠雪している連山が見られるかもしれません。

連絡・問い合わせは以下の通りです。

車両規制・シャトルバス運行に関する問い合わせ

知床国立公園カムイワッカ地区自動車利用適正化対策連絡協議会事務局

斜里町役場 総務部環境課TEL 0152-26-8217 FAX 0152-2-4150

イベント等実施に関する問い合わせ

公益財団法人 知床財団

TEL 0152-26-7665 FAX 0152-24-2115

また、9月19~9月22日の連休の間ディスタンスキャンペーンを道の駅うとろ・シリエトク隣で行います。

野生動物との距離感を大事にしようというキャンペーンで、普及啓発グッズの配布や、プラバン作り体験など子供でも楽しめるイベントとなっておりますので、連休中知床にいらっしゃる方々はぜひ足を運んで頂ければと思います。

詳細はコチラ

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2020年09月14日サロベツにてAR写真展開催中

利尻礼文サロベツ国立公園 青山留美子

9月に入ってから夏日が6日もあり、稚内の代名詞の風がなく、80%以上の湿度が続き......稚内に来て初めて扇風機が欲しくなった、サロベツ担当の青山です。

それでも、湿原の花リレーは既に最終ランナーにバトンが渡り、湿原全体が少しずつ黄金色を増してきています。また、越冬のために北から南へ移動する渡り鳥たちもちらほらと姿を見せ始め、すっかり秋のにおいを感じています。

そんな秋の湿原へお越しの際は、

「環境省 アクティブ・レンジャー写真展2020~北の自然の舞台裏~」へも是非お立ち寄り下さい!

サロベツ湿原センター展示室奥にて、9/30(水)13時まで開催中です!

北海道の西側にある国立公園や鳥獣保護区、希少野生動植物等に関わる現場などで活動している12名が、それぞれ業務中に撮影した風景と生き物の写真各自2枚の展示と、それぞれの業務紹介をしています。

私が選んだ写真の1枚は、

10月中旬にサロベツ湿原センターの木道から撮影した夕景です。

業務時間内に夕日や夕景を見る事は、日の入りの早い秋になってから得られる特権の一つです。

この写真は、パークボランティアさんなどと施設の維持管理作業を行った後に撮影しました。

帰り際、頭上を通過していくハクチョウたちを追いかけて木道まで行ったので、ハクチョウたちに導かれて撮影できた1枚です。

北から南へ移動途中のハクチョウたちが次から次へと、ものすごい数がはためくように頭上を通過していく様も圧巻で、これもこの時期の特権です。※下の写真で伝わるでしょうか?

更なる特権としては、この広大なサロベツ湿原を独り占めできることです。

サロベツを訪れる人の多くは、湿原がお花や夏鳥で賑やかな68月が最も多く、お花や夏鳥が減るのに合わせるかの様に訪れる人も少なくなっていきます。

静けさの中、少しひんやりはするものの寒すぎないこの季節、夕日に照らされ輝く湿原の中、どんどん変わって行く空の色を眺めながら、湿原を独り占めして歩く、こんな至福の時はありません。

そんな様々な特権のあるこの季節を皆さんにおすすめしたく、選んだ写真です.

サロベツ湿原は、秋の夕暮れもおすすめです!

写真を選んだ思いや、私たちの業務についてより詳しく知っていただけるように、会場には冊子も用意しています。

様々な環境で様々な生き物がいること、そして各地の舞台裏で行われている様々な活動を、展示と冊子で是非ご覧下さい!

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2020年09月14日ドングリ調査

支笏洞爺国立公園 小松瑠菜

こんにちは!洞爺湖アクティブ・レンジャーの小松 瑠菜です!

先日、洞爺湖地区パークボランティアさんと、昭和新山駐車場にて、ドングリの調査を実施しました!

今回の調査は、北海道庁さんからの依頼で実施いたしました^^

秋の堅実類(ドングリなど)や、漿果類(ベリーなど)の実りの豊凶と、

ヒグマ出没の頻度が関係している(?!)可能性があることから、

ヒグマの大量出没を予測するための基礎資料を得る事を目的としています☆

調査方法はいたって簡単☆

1つの森林から3本のミズナラの木を調査木とし、1本につき20本の枝をランダムに選び、

枝先にドングリがついているか、ついていないかを判断する、というもの。

今回は総勢11名ものパークボランティアさんが参加してくださいました^^

実際に双眼鏡で枝先を見てみると、

ドングリの実は基本的に上を向いて実っているため、木の下から見上げてもなかなか見えません・・・。

少し引いたアングルから見ると、どんぐりの実が見えやすいということや、

同じ林内でも、どんぐりの豊凶にバラつきがあるということ、日なたよりも日陰の枝の方が見えやすいということなど、

様々な発見がありました!

調査中パークボランティアさんから、

「ドングリがたくさん実っているミズナラの木の下には、たくさんドングリが落ちているけれど、

ドングリがあまり実っていないミズナラの木の下には、あまりドングリが落ちていないから、

見落としている訳ではなく、やっぱりこの調査木は実りが少ないんだと思う・・・!」

「高いところにある枝よりも、低いところにある枝の方が、たくさんドングリが実っているように見えるけれど・・・

それって、私たちから距離が近くて見えやすいからなんじゃ・・・?」

などなど、たくさんのお声が聞こえて、ただ調査するだけでなく、様々な情報から推測して、

複合的に考えることで、より知見が広がるなぁと勉強になりました^^

一足お先に調査を終えたパークボランティアさんが、付近でギンリョウソウやキノコを見つけてくださいました^^

私もずーっと見たいと思っていたギンリョウソウを初めて見ることが出来、とても嬉しかったです!

今年は比較的、例年よりもドングリの結実が少ないというお話を聞きしましたが、秋はまだまだこれから♪

紅葉やお月見など、旬の秋を楽しみましょう^^

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2020年09月14日西海岸沿の集落~召国地区~

利尻礼文サロベツ国立公園 稚内 津田涼夏

こんにちは!

日が暮れるのがはやくなり、「夏が終わってしまう」、「花の季節が過ぎ去ってしまう」、とヒシヒシと感じております。礼文アクティブレンジャーの津田です。

今回は礼文島の(めし)(くに)地区の巡視を行いました。

召国は、礼文島の北部に位置し、8時間コース(トレッキングコース)の途中の召国分岐から海岸に降りていくコースです。ここは夏の間、漁師さんが住んでいます。海岸沿いには番屋があり昆布漁やウニ漁を行っています。

召国は自動車が通行できる道がありません。徒歩でおよそ1時間坂道を下ります。(召国から出るときは坂道を1時間ちょっと登ることになります。)*ウルシが膝あたりまで伸びていますので、通行の際にはお気を付け下さい。


最初は歩きやすく、景色も見れる最高のコースですが、段々ササに覆われた道になってきます。

どんどん下っていくと、道がなくなり植物に囲まれてしまいます。今年は観光客も少なくトレッキングを行う人も少ないため、植物が伸び放題となっていました。以前まで使っていた道を見極め慎重に前に進んで行きます。


このやぶをぬけると、周囲が明るくなり少し細い林道にでてきます。

細い林道を進んで行くと、海が見えてきました。礼文島の西側の海岸です。ここが召国地区になります。この日は天気もよく、波の音、風の音、鳥のさえずり、そして漁師さんの船の音が聞こえてきました☆

そして、開花しているスナビキソウに出会うことができました。礼文島のスナビキソウは、日本の最北の自生地と言われています。スナビキソウは白い花を咲かせ、アサギマダラという蝶にとって大事な栄養源となっています。周辺でアサギマダラがいないか少し探していましたが、見つかる気配がありません......

いつか礼文島でスナビキソウに集まるアサギマダラに出会えたらと思います☆

アサギマダラについて、大雪山国立公園のAR日記【2020年9月10日 旅をする蝶】に掲載されております。是非ご覧ください。

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