2021年9月
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2021年09月15日2021アクティブ・レンジャー写真展 礼文島開催の中止について
利尻礼文サロベツ国立公園 津田涼夏
こんにちは。礼文島アクティブ・レンジャーの津田です。
9月14日~9月28日の期間で開催を予定していた礼文島でのアクティブ・レンジャー写真展ですが、新型コロナウィルス感染症緊急事態宣言の9月30日までの延長を受けて、残念ですが、皆様の健康と安全を考慮して中止することになりました。
開催を楽しみに待っていた皆様には、急な案内で申し訳ございませんが、ご理解いただきますようお願い申し上げます。
なお、中止となってしまった写真展ですが、お家にいながら写真展も楽しめますように
アクティブ・レンジャーのインスタグラムアカウントの開設をしています!是非ご覧ください。
また、12月からはアクティブ・レンジャー日記でも写真展を行うので、お楽しみにして下さい!
■インスタグラム 2021年6月21日~2022年1月12日
■アクティブ・レンジャー日記 2021年12月10日~2022年1月10日
2021年09月14日オオハンゴンソウとの戦い
大雪山国立公園 上士幌 上村 哲也
上士幌管理官事務所では、大雪山国立公園の特別地域において特定外来生物「オオハンゴンソウ」の駆除を行っています。国立公園利用者の目に留まりやすい道路脇から堀取りを行っています。主に国道273号糠平国道と道道718号忠別清水線の道路脇に生育しています。オオハンゴンソウは、寒冷な気候にも対応でき、根を張り葉を広げ土の中で根茎を太らせると、やがて茎を伸ばし花を咲かせるようです。埋土種子の寿命や発芽率など詳しい生態はわかっていませんが、根茎を残さず掘り取り種を落とす前に駆除することで、徐々に生育数が減っていくはずです。
駆除の効果を確かめるため、2019年からは掘り取った開花茎を数えながら進めています。なかなか思うように減っていってはくれません。全体としては減少させていると言えますが、年々半減ということにはなっていません。
主な生育場所における駆除数の推移(本) | |||
生育場所 | 2019年 | 2020年 | 2021年 |
忠別清水線 |
189 |
113 | 61 |
糠平国道49km地点 | 757 | 266 | 279 |
音更川第3橋梁付近 | 62 | 79 | 17 |
フキやササ、イラクサの混在する茂みからオオハンゴンソウを根茎ごと掘り取るのは辛い作業です。次の写真は糠平国道の道路脇を見下ろした様子です。乗用車の運転席からは一部しか見えないかもしれませんが、大型バスからは黄色い花が広がる生育地全体が見えるに違いありません。写真の範囲の124本を駆除するのに1時間以上かかりました。土壌に石が混じっていたり、フキの根に癒着していたり、ササの根と絡み合ったりしているととても厄介です。
駆除前(黄色い花を咲かせているのがオオハンゴンソウ)
駆除後
もう3年ぐらい駆除を続けた結果として約100本以下になれば、計画的に日付や時間を割り振らなくても、目に付いたときに掘り取っていけば生育数を抑制した状態が保っていけるのではないでしょうか。
2021年09月14日自然公園クリーンデー
支笏洞爺国立公園 荒川真吾
支笏湖アクティブ・レンジャーの荒川です。
環境省では毎年8月の第1日曜日を「自然公園クリーンデー」として、全国の自然公園を対象に、利用者の集中する地区を中心にゴミ持ち帰りを呼びかけるとともに関係機関の協力を得て、大規模な美化清掃活動を展開しています。
支笏湖地区でも、地域や関係機関の皆さんのご協力の下、8月中旬に※1清掃活動を実施しました。コロナウイルス感染症拡大対策のため、今年度も昨年度に引き続き参加人数を大幅に減らし、規模を縮小しての開催となりました。
支笏湖エリアは札幌圏や新千歳空港からのアクセスが良く、特に夏期間の週末は多くの利用者が訪れる国立公園です。多くの方々に手軽に自然の魅力を感じていただける一方、残念ながら駐車場や道路脇などに、ごみが捨てられているのも目につきます。大部分の来園者の皆さんにごみの持ち帰りにご協力いただいているものの、ほんの一部の方がごみを捨ててしまっている状況です。
今回はごみの清掃と休暇村付近の側溝の清掃を行い、約38.3kgのごみを回収することができました。ご参加いただいた地域の皆さん、関係機関の皆さんどうもありがとうございました。皆さんのおかげで支笏湖周辺をとても綺麗にする事ができました。こうした清掃活動などを通じてより多くの方に自然の魅力を感じていただき、「自然を守るためにごみのポイ捨てはやめよう」という意識を持っていただくきっかけに繋がっていけばと感じています。
作業の様子
近年、海洋プラスチックごみが地球規模での問題となっていますが、陸と海の生態系は繋がっていて、陸域で捨てられたごみは川を下ってやがて海へ流れていきます。海に到達する過程で、周囲に生息する野生動物や周辺の生態系に悪影響を与えてしまう可能性もあります。
地球規模のスケールの環境問題も、私たちの身近な行動の積み重ねで貢献できることが多くあります。今後もごみの持ち帰りはもちろん、皆さんの普段の生活の中でもご協力をよろしくお願いいたします。
●海洋プラスチックごみ問題について詳しく知りたい方はこちらをどうぞ
環境省「プラスチックを含む海洋ごみ(漂流・漂着・海底ごみ)対策」
http://www.env.go.jp/water/marine_litter/index.html
※1 北海道への緊急事態宣言発令前に実施された活動です。
2021年09月14日乗船調査、キックオフ!
えりも自然保護官事務所 熊谷 文絵
みなさん、こんにちは。
最近のえりもは、各地でススキがそよそよと揺れていて紅葉も始まりました。風もひんやり、すっかり秋になりました。
こんな風に季節の移り変わりを感じたとき、えりものアクティブ・レンジャーならではの職業病でしょうか。私の中でどこかソワソワし始めます。
それは、秋サケ定置網漁が解禁するから〇 春に続き、秋にも定置網漁が行われているえりも町。
立派なサケを期待したいところですが、水揚げ初日となった9月2日、そのほとんどはサケではなく、立派なブリでした。その後も、サケよりブリが多く水揚げされています。要因の一つとして、近海の水温が高く推移しているためと考えられます。
ブリは成長過程によって名前が変わる「出世魚」として有名です。ここ3~4年、えりもでもブリがあがるようになりましたが、9月中旬ごろまでフクラギ(~40㎝程度)がほとんどでしたが今年は立派なブリ(60㎝以上)且つずっしりと重さもある特大サイズばかりです‼
漁が開始される季節は毎年同じです。
魚の種類は同じでも、獲れる時の成長過程に変化が見られました。何が影響しているのでしょうか。今後、水温や他の魚の漁獲状況を見守りながら考えてみたいと思います。
▼網のあるポイントに移動中 朝陽がキレイ~!
現状はサケよりもブリが多く揚がっている状況ですが、秋サケ定置網漁は11月20日までと約3ヵ月続きます。この間、さらに季節が進み水温が下がったこの海に多くの秋サケが来遊してくれることを願います。
私たちえりも自然保護官事務所の職員は、この定置網漁の期間中、襟裳岬周辺海域に生息するゼニガタアザラシとそのアザラシがもたらす漁業被害調査のため、地元漁師みなさんの協力を得て乗船調査を実施します。
今はまだ、穏やかな海況が続いているえりもですが、この先はそうも言っていられません。10月になれば猛烈な突風や高波も増えます。
■危険と隣り合わせということをよく理解する
■必要な準備はぬかりなく
■"慣れ"を理由に気を抜かず、緊張感を持って長期戦の調査に臨む
これらを改めて意識し、気持ちを整えたところです。
映したいところをしっかりと捉えられるよう、紐の長さや結び方を整えます。
結び方には「こういう状況や場所にはこの結び方がよい」という適性があります。私たち職員がこれでいいかな、と思うものでやったとしても海中でのうねりが強かったり潮の流れが早かったりで解けてしまうこともあるので、漁師さんに良き結び方を教わります。
このように、準備に不足はないか、今期の業務が上手く進むか...
今年は豊漁となるのか、水温や潮の流れはどうか、いつ頃から気をつけなければいけない風が吹き始めるか(秋ごろから、下からかと思えば上から...複雑かつ突風が吹き始めます)...これら自然環境は私にコントロール出来なるものではありませんが、業務の進捗に大きく関わります。これから起きる色んな場面を想定してソワソワソワソワ。
長い漁期、またタイミングを見て経過報告等ご紹介します!
この季節の楽しみはコレ!早起きしていてよかったと思える瞬間です。
美しい朝焼けは絶景✨
2021年09月10日なぜ?
大雪山国立公園 渡邉 あゆみ
こんにちは、東川管理官事務所の渡邉です。
順調に紅葉が進む大雪山。山ではそろそろ雪がちらつきそうな寒さが漂っています。
【2021.9.8 大塚・小塚の斜面】
巡視のときは、自分の登山グッズの他に仕事で使用する道具、例えば剪定バサミ、ハンマー等、色々持って行くのですが、欠かせないのが「火ばさみ」。トイレで使用したと思われるティッシュを拾うためです。
先日、旭岳~中岳温泉を「携帯トイレ普及キャンペーン」で歩いたとき、岩陰で11個ものトイレ痕のティッシュを拾いました。過去最多。
尋常じゃない数で、とてもショックでした。
ティッシュを放置していった人たちも、本来は美しい大雪山の大自然を満喫するために来たのでしょう。
足下に咲く可憐な高山植物や、野生動物が逞しく生きる姿に癒やされ、大雪山の大いなる懐に抱かれ、たくさん深呼吸をして、活力を得たことでしょう。
それなのに、なぜ、自分のお尻を拭いた汚いティッシュを、放置していけるのでしょう?
高山植物の上に残された無惨なティッシュを見て、何を感じるのでしょう?
いずれ溶けるか、風で飛ばされて散り散りになるから大丈夫、と思うのでしょうか?
汚いティッシュなんて持って帰りたくない、と思うのでしょうか?
携帯トイレを持っていなかったのでしょうか?
置いていったティッシュを誰かが拾っているなんて想像もしないのでしょう。
ティッシュは100%が紙で製造されているのではなく、プラスチックを含んで作られているのがほとんどなので、自然界に捨ててもプラスチックは溶けきらず目に見えない大きさのマイクロ・プラスチックとなって残ります。それを野生動物が何かの植物と一緒に口に入れて、消化しきれず胃に残ってしまう可能性は少なくないでしょう。
次に、携帯トイレを持ってきて、携帯トイレで用を足し、それを山に置いていく人・・・。ここまで用意したのに、どうして・・・?
想像より臭かったのでしょうか?重かったのでしょうか?ザックがいっぱいだったのでしょうか?下山して捨てる場所がわからないと思ったのでしょうか?
体の生理現象を我慢する必要はありませんが、用を足したティッシュや使用済みの携帯トイレを残置すること、これら登山者の行動心理は、どんなに想像力を膨らませても、神聖な大雪山を前に、寛容できる行為ではなく、こんなにも尊い自然の中に、人間の汚物を残していけるってどうしてできるのだろう??と本当に不思議でなりません。
私たちのように毎日のように山に行く場合、携帯トイレ代もかかりますし、そのたびに携帯トイレをゴミとして廃棄することになります。使用後はそれなりの大きさになり、ザックの中で袋を破裂させないよう取扱い注意な荷物になり、私的には生理現象として毎日使用する割に大げさというか、スマートではなくなってきました。そこで考えたのが、ピーボトル(尿瓶)。
私はM社の飲料用ボトルをピーボトルとして使っています。
口が広いので、女性でも問題なく使えますし、密閉性があり漏れる心配はなく、一度買えば、ゴミも出ません。ボトルに用を足し、下山してからトイレに流して洗うだけ。一連の作業はすぐに慣れました。シンプルで、携帯トイレを使うより時短にもなります。
大好きな大雪山にいつまでも登らせてもらえるように、山への負荷は最小限に、山への敬意は最大限に。
皆さんにも、理解していただき、正しい選択をしてもらえるよう、環境に、山に、優しい登山をしていきたいです。
9月8日(水)~10月5日(火)まで、中岳温泉に携帯トイレブースを設置しています。ぜひ、ご利用ください。
2021年09月09日贅沢なオーケストラ
利尻礼文サロベツ国立公園 稚内 津田涼夏
みなさん、こんにちは!
9月に入り一気に秋の気配を感じている礼文島アクティブ・レンジャーの津田です。
前回のAR日記では、レブンアツモリソウについてご紹介しましたが
そのレブンアツモリソウの調査を行っていると...姿を現してくれる生き物たちがいるのでご紹介します。
■アオジ
目の周りは黒色で、胸やお腹は黄色で覆われています。
礼文島では、桃岩展望台コースでもよく見かけます。特に人の少ない早朝や夕方には、道案内をしているかのように目の前に姿を現してくれます。
■カワラヒワ
胴体の色は少し地味な色をしていますが、羽を広げて飛ぶ時は黄色の羽が鮮やかです。
草木の多い所でも見かけますが、礼文島ではよく海辺でもみかけます。
このカワラヒワはお食事中だったようで、口回りが汚れています。
いったい何を食べているのでしょうか?
■ノゴマ
今年の作業中、一番鳴き声を聞いたのはノゴマでした。
さえずりしている時、のどのオレンジ色の部分が大きく動いたり小さく動いたりしています。目元はサングラスをしているようで、いつもレブンアツモリソウの調査を見守ってくれています。一番の現場監督者かもしれません!
■アザラシたち
礼文島周辺には多くのゴマフアザラシたちが通年で、生息しています。
ちょうど作業場から、海をのぞくとアザラシたちの姿が見えます。双眼鏡を持っていないと「点」に見えるアザラシたちですが、鳴き声はしっかりと聞こえてきます。
写真にはないですが、コヨシキリや、オオジュリンも顔を出してくれます。
野生のオーケストラを聴きながらの作業にいつも贅沢を感じています!
2021年09月08日紅葉マイカー規制
大雪山国立公園 忠鉢伸一
こんにちは。大雪山国立公園管理事務所の忠鉢です。
今年の北海道の夏は雨がほとんど降らず、暑さも北海道とは思えないほどでした。
季節の移ろいは早いもので、植物の葉は色付きはじめて、長い冬が近づいているのを日々感じます。
麓の上川町でも、太陽が出ている時間は暖かいのですが、朝晩は冷え込む日が増えてきたようです。季節は確実に進んでいきますね。
9/6 黒岳にて撮影
さて、紅葉時のマイカー規制が来月から始まり、銀泉台、高原温泉は一般車での出入りが規制されます。
銀泉台 9/18~9/26 (ゲート閉鎖 9/17 19:00~)
高原温泉 9/23~10/3
詳しい情報は上川町のホームページをご覧ください。
紅葉が綺麗になる条件としてはいくつかあります
・昼と夜の気温差
・直射日光がよくあたること
・適度に湿度があること
この三つが紅葉が綺麗に色づく条件のようです。
今年の現時点では紅葉の色づきが良く、素晴らしい紅葉が見られるのではないかと期待してしまいます。
日本一早いと言われる大雪山の紅葉ですが、今年はどんな彩りを見せてくれるのでしょう。
9/1 赤岳第1花園にて撮影
紅葉マイカー規制の時期、層雲峡紅葉谷ではの紅葉ライトアップイベント「奇跡のイルミネート」が開催されます。
山の上の紅葉が終わる頃、層雲峡は紅葉の見頃を迎えます。
秋の夜は層雲峡紅葉谷での散歩を楽しんでみてはいかがでしょうか。
2021年09月06日外来植物除去作業
支笏洞爺国立公園 荒川真吾
こんにちは。支笏湖アクティブ・レンジャーの荒川です。
今回は、8月中旬に※1支笏湖地区パークボランティアの皆さんと行った「外来植物除去作業」の様子をお伝えします。
「外来種」とはもともとは生息していなかった地域に、人間によって持ち込まれてしまった生物種のことを指します。それらの生物の中には、本来生息していた生物と競合して生態系のバランスを壊してしまったり、ときには私たちの身体に悪影響を及ぼしてしまう危険なものもあります。支笏洞爺国立公園では、この地域の本来の自然の姿を保つため、外来種の生息調査や除去作業を毎年行っています。今回はパークボランティアの皆さんと、オオアワダチソウという植物の除去を行いました。
オオアワダチソウは、北アメリカ原産の植物で、明治時代に観賞用に日本国内に持ち込まれました。黄色い花が咲くととても目立つので、空き地や道路脇で見たことがある方も多いと思います。繁殖力・生命力が非常に強く、在来の植物を押しのけて分布を拡大し、生態系に悪影響を与える恐れがあるため、環境省が作成した「生態系被害防止外来種リスト」※2に掲載されています。
オオアワダチソウ
除去作業の様子
今回はモラップキャンプ場の周辺で作業を行いました。1時間半の作業で、約113.7kgのオオアワダチソウを除去することができました。ご協力いただいたパークボランティアの皆さん、ありがとうございました。
外来種は人間によって持ち込まれ、駆除の対象となっている生物で、彼らには何の罪もありません。ときには駆除してしまうのは可愛そうだと感じてしまうものもありますが、もともといた在来の生物や本来の生態系を守るためには必要なことです。外来種問題は国立公園内など自然が豊かな土地だけの問題ではなく、皆さんにとってもとても身近な問題だと思います。外来種被害予防三原則の「入れない」「捨てない」「拡げない」にご理解とご協力をお願いいたします。
外来種問題についてもっと詳しく知りたい方はこちら
環境省 日本の外来種対策(http://www.env.go.jp/nature/intro/index.html)
※1 北海道への緊急事態宣言発令前に実施された活動です。
※2 正式名称:我が国の生態系等に被害を及ぼすおそれのある外来種リスト
2021年09月01日「ボッケクリーンウォーク」
阿寒摩周国立公園 阿寒湖 鈴木達郎
こんにちは、阿寒湖管理官事務所の鈴木です。
9月にさしかかり、阿寒湖では既に若干肌寒さを感じる今日この頃。いかがお過ごしでしょうか。
今回は8月1日(日)に開催された「ボッケクリーンウォーク」について、ご紹介させていただきます。
ボッケクリーンウォークは、8月第一日曜日の「自然公園クリーンデー」に毎年開催している恒例の行事で、パークボランティアや一般参加の方々のご協力のもと、阿寒湖畔園地にあるボッケ遊歩道の清掃や外来植物の駆除活動を行うイベントです。
今年も、小さなお子さんからベテランの自然愛好家まで、総勢26名の幅広い方々にご参加いただきました。
参加者の皆さんには、まず阿寒湖畔エコミュージアムセンターに集まっていただき、スタッフから今回の活動内容についてレクチャーを受けてもらいます。
外来種とは、人間の活動などによって元々生息・生育していなかった場所へはいってきた生物全般のことを指します。
外来種が定着することで、元からその地域に生息していた在来種が食べられてしまったり、生息地を奪われたりすることで、生態系のバランスが崩れてしまうことがあります。
セイヨウタンポポやアライグマなど、国外由来の外来種が有名ですが、北海道におけるカブトムシのように国内の他の地域から移動させられてきた外来種もいます。このような国内外来種も国外外来種と同じように、地域の生態系に悪影響を及ぼすケースが報告されています。
レクチャーを終えると、いよいよ阿寒の森に向けて出発です!手元の冊子と見比べながら、外来植物を取り除いていきます。
今回のターゲットは、ヒメジョオン、セイヨウノコギリソウ、エゾノギシギシ、ヒメムカシヨモギ、オオアワダチソウなどなど...。
いずれも様々な土地で生きていくことができる適応力の高い植物で、放っておくと生育範囲をどんどん広げて、阿寒湖畔に自生している在来植物を駆逐してしまうことになりかねません。
阿寒の森を守るため、参加者の皆さんには奮って活動にご協力いただきました。
毎年の活動の成果もあってか、今年は例年に比べて回収した外来植物はやや少なめでした。
野外イベントを行うにはあいにくの空模様でしたが、小雨に濡れた葉がつやつやと輝き、しっとりとした阿寒の森の美しさを存分に体感できました。
阿寒地区でのクリーンデーイベントは、今回ご紹介した「ボッケクリーンウォーク」の他にも雌阿寒岳を清掃登山する「雌阿寒岳クリーン登山」が行われています。
今年は天候がやや不安定だったため、雌阿寒岳クリーン登山は中止となりましたが、これらのイベントは阿寒湖畔エコミュージアムセンターのFacebookにおいて、毎年7月上旬頃に開催のご案内をしています。
来年度も開催予定ですので、ぜひご参加ください。
阿寒湖畔エコミュージアムセンターFacebook (リンク先)
皆さまこんにちは。
今年の夏は、釧路湿原でも暑い日が例年に比べ多く、今までにないほどに半袖を着る日が続きました。
すっかり薄着が身についていましたが、ついにここ数日、気温が下がり、朝晩の冷え込みが身に沁みる季節になりました。
先日、釧路湿原国立公園と国指定釧路湿原鳥獣保護区の巡視を行いました。
小鳥たちの子育ては終わり、林内は静かになりましたが、平常な営みを送っているようで時おり姿を見せてくれました。
【巡視の様子(国指定釧路湿原鳥獣保護区内)】
途中、鳥獣保護区内に設置している制札看板が、90度折れ曲がっているものを発見しました。風では流石にこんなことにはならないだろうな...はてさて、平和なヒグマが戯れたのかな?などと思いながら、応急処置をしました。
写真左【鳥獣保護区制札看板が半分に折れ曲がっている様子】
写真右【右側からしか字が読めません...】
【応急処置後】
晩夏の釧路湿原、姿は見えないものの、オジロワシやタンチョウの鳴き声が湿原内から聞こえてきました。
写真左【キラコタン岬展望地(湿原内:鳥獣保護区特別保護地区)】
写真右【ハンゴンソウやエゾトリカブトが開花しています】
これから、動物の動きは活発になるので、変化を感じながらパトロールを丁寧に行ってまいります。
【湿原内に生息していたエゾシカ(赤丸)(川辺で採餌中?)】