先日、調査でとある林を歩いていたとき、目の前からアオジが飛び立ちました。
飛び立ったところを見てみたら、シダ植物の根元に鳥の巣と卵があることに気がつきました。
アオジ
私がその場にずっといると、親鳥も帰って来られなくて、卵が冷めてしまいますので、写真をさっと撮影して、その場から離れました。
それにしても、とてもきれいな巣で惚れ惚れします。
枯れ株を屋根にしたおしゃれな巣で、まるで物語などで見るお姫様の天蓋付きのベットのようです。
巣の作りをよく見ると、外側は大きめの葉っぱを使い、内側には繊細な植物を上手に組み込み二重構造になっています。一般に内側の巣のことを産座といい、卵や雛が乗るため温かく安全なように柔らかい素材を選んでいるようです。鳥の巣作りは、くちばしと足で素材を集め、作り上げますが、小さい体ですごい技術を持っていると感心します。
鳥の巣というものは、卵をあたためたり、卵や雛をほかの動物から守るためにあって、卵を産んで雛を育て雛が巣立ってしまうとその巣は使わなくなる鳥が多いようです。
繁殖期育児期間以外、休むときや夜ねるときは枝に止まるだけのようで、人間の家の感覚とは違います。
鳥の巣は、鳥の生態の違いによって、巣の形、巣の素材、巣の場所が異なり、それぞれの生活圏にあった工夫がされているようです。
例えば、
巣を作る場所は、高い崖や木の上、藪の中や石垣の隙間、水の上や地面の上、家屋の隙間や信号機の隙間などいろいろなところで巣をつくります。
巣の形は、お椀型やボール型、木の穴の中、
巣の材料は、木の枝や葉、つるやコケ、羽毛など周りの環境にあるもの。
都会のカラスなどは、ビニールひもやハンガーなどを使うのも知られています。
あまり鳥の巣に出くわすことはないのですが、いままで見つけた鳥の巣を見比べてみるとそれぞれ鳥種によっても違いますし、きっと同じ種でもそれぞれの個性があるような気もしています。改めて鳥の巣の素晴らしさに感動しました。
シジュウカラの巣 ハクセキレイの巣とヒナ アオジの巣と卵
]]>こんにちは。礼文島アクティブ・レンジャーの津田です。
まだ長袖が手放せない礼文島ですが、島内では夏の花が見頃を迎えています。
6月3日にレブンアツモリソウ群生地で2年ぶりにレブンアツモリソウ感謝祭が行われました。当日は雨が降り、風も冷たく、寒い中での開催となりましたが、多くの観光客が訪れました。
レブンアツモリソウ感謝祭にあわせてに高山植物盗掘防止キャンペーンを実施しました。
礼文島では本州で標高2000、3000m級の高地でしか見られない高山植物や固有種が多く生育しています。しかし多くの人が間近に見ることが出来るため盗掘がおきることが懸念されています。
そのため、宗谷総合振興局、林野庁、礼文町、礼文町教育委員会、環境省などの関係機関が連携し、普及啓発のパンフレットを配布しながら、高山植物の盗掘防止の呼びかけを行いました。
また、先週6月17日(金)をもって、今シーズンのレブンアツモリソウ群生地の一般開放が終了しました。今年も多くのレブンアツモリソウが開花しました。来年も多くの花が咲くことを願っています。
]]>早速ですが、
鳥獣保護区という区域があるのをご存じですか?
鳥獣保護区とは、鳥獣の保護のため必要と認める区域のことで「鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律」に基づき指定されます。鳥獣保護区は、環境大臣が指定する国指定鳥獣保護区と、都道府県知事が指定する都道府県指定鳥獣保護区の2種類があります。また、環境大臣又は都道府県知事は、鳥獣保護区の区域内で鳥獣の保護又はその生息地の保護を図るため特に必要があると認める区域を特別保護地区に指定することができます。鳥獣保護区内においては、狩猟が認められないほか、特別保護地区内においては、一定の開発行為が規制されます。
簡単にいえば、指定された区域に生息する鳥獣の保護とその生息地の保護をするために規制しているというもの。
私が担当するエリアではウトナイ湖と宮島沼が国指定鳥獣保護区に指定されています。
そして、鳥獣保護区の区域には、その場所が鳥獣保護区ということがわかるように、赤い看板を立てています。その国指定鳥獣保護区の看板維持管理も環境省職員の仕事の一つです。
雪の影響か、ちょっと鳥獣保護区をアピールするには心許ない、曲がってしまった看板が、宮島沼鳥獣保護区にありましたので、保護官たちと看板交換を行いました。
美唄市に位置する、宮島沼鳥獣保護区は渡り鳥の集団渡来地として指定されています。宮島沼は周囲を水田に囲まれた平均水深55cmほどの浅くて小さな沼です。水辺にはマコモ、ヨシ群落が広く分布し、沼には春と秋にマガン、ヒシクイなどのガン・カモ類、ハクチョウ類などが渡りの中継地として利用します。夜、沼の中心部をねぐらとしているマガンは、早朝になると一斉に周辺の水田に落ち穂を食べに飛び立つ「ねぐら立ち」を観察できます。繁殖地である極東ロシアから越冬地の宮城県までは約4,000km。人々の営みがマガンの大移動を支えています。
この春、4月19日に7万羽もいたのもあっという間、繁殖のためロシアへわたり、マガン飛来数が1万羽を切ったのは5月5日だそうです。マガンたちが渡りの休息地として選んでくれた宮島沼は、とても静かで優雅に沼を縦横無尽に泳ぐ水鳥をじっくり観察することができます。
5月中旬、静かな宮島沼を貸し切っていたカンムリカイツブリ。
]]>利尻島アクティブ・レンジャーの福田です。
今回は、利尻島の種富湿原で行った外来種除去活動についてご紹介します。
利尻島の南浜湿原やオタドマリ沼などの湿地は、「利尻島湿地群」として環境省の「重要湿地」に選定されており、種富湿原もそのひとつです。種富湿原は、利尻島の西側海岸近くに位置し、オタドマリ沼などと比べると認知度は低いですが、約3000年の年月をかけて形成された泥炭地で、溶岩流の上にある珍しい湿地です。
種富湿原の入り口
しかし、種富湿原では外来植物のオオハンゴンソウの侵入が確認されていて、在来種の生育への影響が懸念されています。
そこで、利尻島固有の自然を守るため、利尻町立博物館の方々が毎年オオハンゴンソウ防除会を主催していて、本年度の活動に私も参加させていただきました。
オオハンゴンソウは成長すると2m近くにもなるため、今回は成長する前に防除活動を行いました。
活動の様子
オオハンゴンソウは地中に小さい芋のような根茎があるため、それを掘り起こさないとまたすぐに成長してしまうことから、除去作業には少しコツが必要です。
大きな根茎をきれいに掘り起こせたときは、とても気持ちがよかったです。
さて、突然ですが、ここで問題です!
下の2枚の写真は、種富湿原に生えていたオオハンゴンソウとヨモギの葉の写真ですが、
どちらがオオハンゴンソウでしょうか?
正解は、左の写真です!
一見すると葉の形などがそっくりなのですが、実は葉の裏側と茎の部分を見ると違いがわかります。
下の写真のように、葉の裏側が白くなっているのがヨモギで、そうでないのがオオハンゴンソウです。
また、当日は他にもワタスゲやエゾシモツケ、ハクサンチドリなど、多くのお花を見ることができました。
エゾシモツケ ハクサンチドリ
今回は6名で作業を行い、ごみ袋6袋分(約1000本)のオオハンゴンソウの除去を行うことができました。オオハンゴンソウは繁殖力が高いため、一度定着すると他の植物の生育を妨げ、湿原の植生の多様性が損なわれてしまうという危険性があります。
そこで、今回の活動のように、定期的に駆除活動を行うことが大切です。
活動後の様子
このような活動を通して、利尻島固有の生態系を維持し、自然保護の大切さをお伝えできればうれしいです。
]]>6月12日(日)にパークボランティア14名、レンジャー、アクティブ・レンジャー5名、計19名で山開きのために十勝岳~上富良野岳の登山道整備を行いました。
不安定な天気予報で、いつ雨に降られるかと心配でしたが、予報が良い方に外れ、標高を上げるほどに晴れ渡り、ダイナミックで見事な十勝岳連峰を拝むことできました。
風も穏やかで作業日和となったこの日はお花畑への踏込み・道迷い防止のため登山道上に張っているガイドロープを800m分、鉄ピンは20本荷揚げし、古い物と交換することができました。他にも看板整備やゴミ拾いなど、9時間半の行程、いつも大変な作業をしてくださるボランティアの方々には感謝でいっぱいです。
十勝岳温泉登山口と望岳台登山口、2つの登山口から別れて整備をしましたが、カミホロカメットク避難小屋(通称、カミホロ小屋)で作業後に2隊合流することができました。
お互いの作業をねぎらいながら、19人でにぎやかなひととき。カミホロ小屋で過ごす最後の時間です。
全員で小屋をバックに記念撮影
今年、カミホロ小屋は建替えとなります。
昭和55年に北海道が建設し、42年間登山者の憩いの場、時に命を守る避難小屋として過酷な環境下でたくさんの登山者を受け入れてくれました。天気の悪い日、稜線から少し下がった凹地にカミホロ小屋が見えるとホッとしたものです。
近年は上富良野十勝岳山岳会が有志で小屋の補修をしてくださっていて、愛が詰まった避難小屋でした。
今シーズンは建替えのため、小屋だけでなく、野営指定地も休憩・宿泊できませんので、予定をされている方はご注意ください。トイレは使うことができます。
新しい小屋の完成も楽しみにしつつ、旧カミホロ小屋、今までありがとう!の気持ちを込めて。
]]>今回は、6月5日(日)に開催された阿寒湖畔エコミュージアムセンター(以下、EMC)主催の自然ふれあい行事「白湯山自然観察ハイキング」についてご紹介します!
目指す場所は、阿寒湖の南側にある白湯山(はくとうざん)の山頂から東に500mのところにある白湯山展望台!
春の阿寒湖の自然を感じながら、のんび~りと展望台を目指します。
当日は気温が低く小雨でしたが、参加者全員意気込み十分!元気にスタートしました。
まずは阿寒湖畔スキー場のゲレンデを登ります!ここがスキー場から白湯山展望台を目指すルートの最難関!EMCのスタッフやパークボランティアの方に励まされながら、ジグザグに登ったり、まっすぐに登ったり、休み休み登ったりとそれぞれのペースでゲレンデを登りました。
それぞれのペースでゲレンデに挑む! 励ますEMCスタッフ
トレッキングコースに到着してからはEMCスタッフの解説とともに楽しくハイキング!すべてはご紹介できないですが、活動の様子を少しご紹介します。
トレッキングコースを進んでいると川を発見!手を入れてみんなで温度を予想しました。
「38度!」「41度!」「これでお風呂だと少しぬるいかな~。」
答えは・・・44度でした!あったかい!(私は、「39度くらいかな?」と思っていました。)予想よりも温度が高く、驚いた方も多かったようです。
川に手を入れて温度を予想中
道中には硫黄の匂いがする場所がありました。でもこれ、「硫黄」の匂いじゃないんです!
「硫黄くさい!」とよく耳にしますが、実はこの匂いの正体は「硫化水素」なんだとか。EMCスタッフの解説にびっくりする人がたくさん。今度から「硫黄」の匂いがしたら「硫化水素くさいな~。」と言うのがいいかもしれません。
植物ついてもEMCスタッフが解説してくれました。サクラの葉の根元には、「蜜腺(みつせん)」というものがあります。蜜腺があるとサクラの仲間と判断できるそうです。山や森歩きをする際は植物に注目するのも楽しそうです。
今回ご紹介した活動の様子はほんの一部!実際に阿寒湖畔に足を運び、EMCのイベントに参加するもよし、自分の足で自然を体感するもよし、是非お越しください。
先日、休日を利用して日高方面の山へ登ってきましたが、まだ雪がありました。今回のイベントで登った白湯山をはじめ、阿寒の山はかなり残雪が少なくなってきているので、登山を計画している方は参考にしていただければと思います!
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道北の夏がゆっくり近づいて来ているような気配を感じています。
今回はパークボランティア活動で実施しているスポットガイドのご案内です。
6月25日(土)10:30から12:00の間スポットガイドを開催します。
※雨天の際は26日(日)に順延
スポットガイドでは利尻礼文サロベツ国立公園の管理や美化清掃活動にご協力を頂いているパークボランティアが、サロベツ湿原の魅力や、旬の花などサロベツのとっておきをお伝えします。
エゾカンゾウやハクサンチドリなど色鮮やかな花から、ホロムイイチゴやミツバオウレンなど小さな花がどんどん咲き始めています。
たくさんの花が咲き始めたサロベツ湿原センターの木道を、サロベツの自然を知り尽くしたパークボランティアのお話を聞きながら、サロベツについてより詳しく知ってみませんか?
【施設情報】
・サロベツ湿原センター
開館 9:00から17:00(5月から10月/休館なし)
※11月から4月は10:00から16:00(月曜・年末年始休館)
・幌延ビジターセンター
開館 9:00から17:00(5月から10月/休館なし)
※11月から4月は閉館
]]>さて、今回はアカエゾマツの森探勝路で行われた、パークボランティア活動と自然ふれあい行事についてご紹介します。
アカエゾマツの森探勝路は、川湯ビジターセンターの裏から、アカエゾマツの純林を通ってつつじが原探勝路に至る全長約1.8kmの散策路です。アカエゾマツは栄養の少ない土地でも生きていける強い植物であるため、火山灰が降り積もった川湯地域に純林として生育しています。倒木等のために数年間通行止めになっていましたが、環境省の歩道として今年オープンしました。
アカエゾマツの森探勝路
パークボランティア活動では、4月30日にアカエゾマツの森探勝路の笹刈りを行いました。数年間に渡り放置されていた歩道では、ササが繁茂していましたが、ボランティアの皆さんのご協力のおかげで、気持ちよく歩ける道に生まれ変わりました。普段利用している登山道や、散策路は様々な関係者の協力によって快適に保たれていることに改めて気づかされました。
左:笹刈りの様子 右:手刈り班。腰にきそうでした。
5月14日に行われた自然ふれあい行事(屈斜路カルデラ自然ふれあい推進協議会主催)の第1部では、パークボランティアの金井会長がガイドを務め、地域の方々とアカエゾマツの森探勝路を散策しました。森林更新、切株更新などの森林生態系の仕組みを学ぶだけでなく、クマゲラの食痕を観察したり、そこに棲む昆虫のことを知ることができたりと、充実したガイドウォークでした。
アカエゾマツの森ガイドウォークの様子
第2部は、弟子屈町地域おこし協力隊の嶋さんを講師に迎え、「SDGsって何だろう?」入門講座が行われました。SDGsがどんな目標なのか、個人としてどのように協力できるのか、身近なものに焦点を当ててわかりやすく解説してくださいました。身近な例として紹介されていたのが「脱プラ」です。現在海洋プラスチックの問題は取り組むべき環境問題の1つとなっています。マイボトルやエコバック、エコラップなど、出来ることはたくさんあると気づかされたので、私も小さなことからこつこつと続けていきたいです。
「SDGsって何だろう?」入門講座の様子
新緑が美しい季節になりましたので、皆様も是非、アカエゾマツの森を歩きに来てください!
中札内村では、日高山脈国立公園化・PR写真月間として中札内村文化創造センターで写真展が開催されております。
そこで帯広自然保護官事務所もアクティブ・レンジャー写真展を合同で開催しています。
展示内容は以下の通りです。
・環境省 アクティブ・レンジャー写真展 「北の自然の舞台裏」 6月21日まで開催
・十勝在住写真家 日高山脈写真展 「中札内村から」 6月15日まで開催
・地域おこし協力隊 町田仁志写真展 「はじめての日高山脈」 6月15日まで開催
・開催場所 中札内村文化創造センター 中札内村東4条南6-1-3
・開館時間 10:00~21:30
・主催 中札内村日高山脈国立公園化PR実行委員会 事務局(村役場産業課内)TEL/0155-67-2495
・アクティブ・レンジャー写真展主催 帯広自然保護官事務所 TEL/0155-34-5500
▲左 中札内村 文化創造センター
環境省 アクティブ・レンジャー写真展 右▲
▲左 地域おこし協力隊 町田仁志氏 写真展
5人の十勝在住写真家による写真展(写真は辰巳氏) 右▲
今回の環境省アクティブ・レンジャー写真展は、北海道西地区を巡回するアクティブ・レンジャー写真展の第一弾になります。
北海道西地区の国立公園や国指定鳥獣保護区で活動するアクティブ・レンジャーが撮影した、とっておきの写真をご覧いただけます。
アクティブ・レンジャー写真展の詳細はこちらのリンクをごらんください。
http://c-hokkaido.env.go.jp/blog/2022/06/post-762.html
※ちなみに、次回は、7月1日~7月26日に平取町の沙流川歴史舘で開催予定です。
今回のアクティブ・レンジャー写真展では、帯広自然保護官事務所からは日高山脈の写真を2枚展示しています。
▲左 登山道のある山では最難関の1839峰
エサオマントッタベツ岳のカールとブロッケン現象 右▲
そして、会場である中札内村からは、十勝幌尻岳やカムイエクウチカウシ山をはじめとする雄大な日高山脈が連なる景観をお楽しみいただけます。
日高山脈は、厳冬期の澄みわたった空に白く聳える姿や、夏の緑の畑に映える青い山脈の姿など四季折々表情があり、月光に照らされる姿や夕日に染まる姿など時により様々な美しい景観を見せてくれるとともに、清流で有名な歴舟川やケショウヤナギを育む札内川をはじめとする美しい河川、豊かな海など、私たちに多くの自然の恵みをもたらしてくれます。
展示作業の様子 右▲
美しい日高山脈と日高山脈の写真、アクティブ・レンジャー写真展を見にぜひ中札内村文化創造センターにいらしてください。
]]>6月1日から「環境省アクティブ・レンジャー写真展~北の自然の舞台裏~」を北海道西地区各地で開催します。
開催日程や開催場所は上記をご覧ください。
この写真展では、国立公園や国指定鳥獣保護区で活動するアクティブ・レンジャーが、日頃の業務の中で撮影した写真を展示しています。
パトロールや調査、利用者指導、自然解説などの業務で、春夏秋冬それぞれの季節に何度もフィールドに赴くアクティブ・レンジャーは、皆様にお伝えしたくなるようなお気に入りの風景や、希少な野生動植物との出会いがあります。
満開の花々、野生動物の可愛らしい姿、美しい昆虫、ふと見せてくれた山岳や湿原、森や湖の美しい光景など、刻々と移り変わり、今この瞬間を生きる生命の輝きは、かけがえのない美しさがあります。
その瞬間を切り取った写真から、それぞれの国立公園や国指定鳥獣保護区の自然が持つ素晴らしさが伝わり、私たちが貴重な自然を守るために取り組む業務について知っていただくことにつながりましたら幸いです。
※ アクティブ・レンジャー(自然保護官補佐)とは? (クリックすると説明のページをご覧いただけます。)
また、会場にお越しいただけない方や、より多くの方に周知させていただくためにも、オンラインでも写真展を開催します。
お好みの写真をクリックすると、解説付きのページをご覧いただけます。
稚内自然保護官事務所(利尻島) 福田 蒔太 | |
稚内自然保護官事務所(礼文島) 津田 涼夏 | |
稚内自然保護官事務所(サロベツ) 福井 翔太 | |
大雪山国立公園管理事務所 入江 瑞生 | |
大雪山国立公園管理事務所 忠鉢 伸一 | |
東川管理官事務所 渡邉 あゆみ | |
上士幌管理官事務所 上村 哲也 | |
支笏洞爺国立公園管理事務所 現任 阿部 万純 前任 荒川 真吾 |
|
洞爺湖管理官事務所 小松 瑠菜 | |
北海道地方環境事務所 野生生物課 大久保 智子 | |
羽幌自然保護官事務所 岩原 真利 | |
えりも自然保護官事務所 熊谷 文絵 | |
帯広自然保護官事務所 丸岡 梨紗 | |
アクティブ・レンジャーが主に活動している活動地マップ(クリックすると説明のページをご覧いただけます。)を御覧ください。
オンラインアクティブ・レンジャー写真展をご覧いただきありがとうございました。
いかがでしたでしょうか!
ご覧いただいた感想やご意見を是非、お聞かせ下さい。
今後の参考にさせていただきます。
アンケートフォームは(クリックするとアンケートフォームページに移動できます)こちらからです。
ご協力いただいた方には、特典写真をプレゼントいたします。
]]>5月に中モラップ地区を巡視した際に撮影しました。春の森の中、林床に注ぐ木漏れ日のスポットライトを浴びて、フデリンドウ(Gentiana zollingeri)が精一杯花を咲かせています。
巡視業務では、支笏湖・定山渓地区の遊歩道や登山道の利用状況の確認や、利用者の方々に心地よく使ってもらえるよう園地内の看板やベンチなどの施設の状況確認を行っています。
夏山シーズン終了間際の11月初旬、秋の高空に水蒸気を上げる樽前山を撮影しました。
樽前山は、現在も活動を続ける活火山で、登山初心者でも美しい高山植物や素晴らしい眺望を楽しんだり、活火山の鼓動を感じることができます。
毎年多くの人々に感動を与えてくれる樽前山ですが、登山者がすれ違うときに登山道脇の高山植物が踏み荒らされてしまったり、ゴミが落ちていたりと、登山者が多い故の問題も。山を歩くときは、登山道を外れず、ゴミは持ち帰りましょう。多くの人が樽前山の登山を通して、自然を楽しむ際のちょっとした心がけについて、考えるきっかけを得ることができたらと思います。
12月初旬、利尻島西岸の沓形岬にて、日本最大級の猛禽類であるオオワシに出会いました。オオワシは冬が近づくと越冬のため北海道に訪れ、利尻島でも運が良ければその姿を見ることができます。強風が吹き、荒い波が打ち付ける海岸にたたずむその姿に、王者の風格を感じました。
そんなオオワシも人間と同じく、ウイルスには感染してしまうようです。令和4年1月に北海道内で発見されたオオワシの死体から、高病原性鳥インフルエンザウイルスが検出されました。オオワシへの感染は道内初です。オオワシは鳥獣の死肉を食べることもあるため、ウイルスに感染した野鳥を食べて感染した可能性が考えられます。翌月には利尻島内でも野鳥の高病原性鳥インフルエンザ感染が確認されています。島内での希少猛禽類への感染拡大防止のため、行動に異常がある希少種の個体が確認された際は、慎重かつ迅速な対応に努めていきたいと思います。なお、鳥インフルエンザウィルスは、日常生活においては、過度に心配する必要はありませんのでご安心下さい。
姫沼は、利尻山からの湧水をせき止めて造られた人工湖。ヒメマスを放流したことからこの名前がつけられました。秋には色鮮やかな紅葉を眺めることができ、利尻山と美しい湖沼とがあわさって創り出される風景は、心穏やかな気持ちにさせてくれます。天気が良い日には、この写真のように、湖面に映し出される「逆さ利尻富士」に出会えるかもしれません。風がないタイミングに訪れるのがおすすめです。
姫沼の周囲には環境省が設置した木道があり、一周にかかる時間は約20分。森林浴をしながら、利尻島ならではの風景を探勝することができます。また、クマゲラをはじめ多くの野鳥が生息しており、バードウォッチングを楽しむこともできます。
この木道を利用者が安全に歩行できるように点検、補修するのも利尻島アクティブ・レンジャーの大事な役割です。日々の巡視では、散策の支障となる倒木や、木道の損壊がないか、利用者目線で考えることを心がけています。
式部沼から高根ヶ原を見上げると、色鮮やかに染まった山肌が錦のようでした。
緑一色だった夏山シーズンを越えると、日に日に色づく紅葉が息をのむ絶景を見せてくれます。その日の天候や時間帯でもその美しさは変化し、同じ場所でも毎回違った印象を受けます。大雪山の素晴らしい紅葉の風景は、まさに一期一会の出会いです。
真っ白な雪の中に、冬毛に生え替わったエゾユキウサギを発見しました。遠目で見ると雪と同化して見つけにくいのですが、運良く出会うことができました。見た目に不釣り合いなたくましい後脚を持つエゾユキウサギは、日本最速のほ乳類と言われています。
しばらく観察していましたが、まだ見つかっていないと安心しきっているようです。
]]>目の周りの白い模様と赤い足が特徴のケイマフリ。
餌を咥えて巣に戻るケイマフリのモニタリング調査をしていると、定点の周辺で「ピ、ピ、ピ、ピピピ~」ときれいでかわいらしい声が聞こえてきます。振り返ると、2羽のケイマフリが相互に羽繕いをしていました。子育てシーズンになるとこんな愛らしい光景をよく見かけます。お互いの絆を深めているのでしょうか。
春が近づくと、ウミネコは群れとなり、子育てのために天売島に集まります。その数約4000羽!
島の玄関口である天売港でもウミネコが群れとなり飛んでいます。
島でウミネコが賑やかに鳴き交わしながら舞い始めると、いよいよ春の訪れです。
サロベツ川は春先の雪解け時期に幾度となく氾らんを起こし、多くの農地や宅地が浸水するなどして人々の暮らしに大きな影響を与えてきました。そのため、治水対策として1961 年からサロベツ川放水路工事が行われ、氾らんは大幅に減少しました。その一方で、放水路に併せて作られた排水路によって湿原の地下水位は低下し、サロベツ湿原の中にある落合沼はその姿を消すこととなったのです。
平成16 年に、環境省をはじめとする行政機関、専門家、地域の方々が協力して地域の基幹産業である酪農と多くの生き物を育む湿原の共生を目指した上サロベツ自然再生協議会が立ち上がりました。その中の取組で、地下水位を下げていた排水路を埋め立てたことによって、落合沼は再び水をたたえるようになりました。現在の落合沼にはエゾトミヨが暮らし、オオヒシクイが憩う場となり、サロベツの空を映し出します。
日本でも最大級の高層湿原の面積を誇るサロベツ湿原は、希少種・固有種を含め様々な生き物の住処としての役割を果たしています。オオヒシクイ、コハクチョウ渡来地や高層湿原が評価され、2005 年には国際的に重要な湿地を守る取組としてラムサール条約の登録湿地になりました。渡り鳥や湿原一面に咲き誇るきれいな花々はサロベツ湿原の大きな魅力ですが、足下にも美しい生き物たちがひっそりと暮らしています。
カラカネイトトンボ(Nehalennia speciosa)という名前がつけられたこのトンボは氷河期の遺存種(いぞんしゅ)と言われ、サロベツ湿原が成立したといわれる1 万年前から湿原とともに生きてきたのです。ガラス細工のような光沢のある金属色の身体に瑠璃色の目はまるで宝石のよう。この小さな生き物もずっと昔からサロベツ湿原の立派な一員なのです。
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