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アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

北海道地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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大雪山国立公園 上川

159件の記事があります。

2012年03月16日次世代へのバトン

大雪山国立公園 上川 大久保 智子

3月16日(金)に層雲峡で、上川中学校2年生の31名の生徒さんたちに、環境学習を行ってきました。




五感を使ったゲームから、層雲峡の生き物たちの残したものなど、雪があるこの時期ならではの観察などを行いました。雪の上に記された物は、そのとき起こった出来事を物語っています。



層雲峡で生活している動物、生態系の食物連鎖のバランス、生物多様性の取り組みについて等の話を聞いていた、子どもたちの真剣の顔が印象深いです。発見したときの表情、気づきの瞬間の表情、発言しているときの表情など、子どもたちの顔は明るくて輝いていて、こちらも楽しくなりました。一緒に活動していて、私も気がつくこともあり、学ぶこともありました。



上川町の地元の自然、大雪山国立公園の豊かで美しい自然が、次世代にまであり続けてほしいと思い、また、もっと自然に興味を持ってもらって、好きになってもらいたいと思った環境学習の時間でした。
楽しい時間をありがとうございました。

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2012年03月06日自然観察会「氷瀑探訪」

大雪山国立公園 上川 大久保 智子

3月4日(日)に自然観察会を行いました。
場所は層雲峡、銀河流星の滝付近。
この時期ならではの滝が凍り付く氷瀑を間近で観察してきました。層雲峡の氷瀑群は1月から3月まで厳冬期の名勝地。
はじめは銀河の滝を目指して出発。まずは石狩川を慎重に渡渉し、そこからスノーシューをはいて、滝の麓まで歩きます。


<石狩川の渡渉>

岩の上にこんもり積もった雪の間から水が流れているのを横目でみながら、樹林帯をジグザグと曲がりながら少しづつ高度を上げていくとドド~ンと貫禄あるたたずまいで氷瀑がそびえ立っていました。銀河の滝の麓はとても風が強く、あっという間に鼻や頬が凍てつき、身をもって層雲峡の環境の厳しさを体感。


<銀河の滝まであと少し>


滝をよく見ると、表からは完全凍結で1枚の氷のようですが、氷の下には少しは水が流れているようです。


<流星の滝:凍った滝の下は水が流れています>


銀河の滝のあとは、いったん石狩川まで降りて、今度は流星の滝を目指して歩きます。例年よりも冷え込みが厳しいせいか、流星の滝は例年よりも凍っている範囲が広いように見えました。流星の滝の氷瀑の規模も大きく、横並びで一斉に滝の下まで行き、帰りは尻滑り、スライディング滑りなど楽しみました。

近くで見た銀河流星の滝の2つの氷瀑の姿は壮観です。


<流星の滝の下で集合写真>

今回の観察会では冬の樹林帯、氷瀑観察などを雪と氷の両方楽しみました。この時期寒いと閉じこもりがちですが、外に出て寒い寒いといいながら、冬ならではの遊びをするのは病みつきになります。

ちなみに・・・


<夏の双瀑の様子。銀河の滝(左)流星の滝(右)黒岳もちらりと・・・>

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2月20日より上川のARとして勤務しております大久保智子です。
AR日記では、大雪山国立公園や上川の自然情報、活動内容などを、
伝えていきます。よろしくお願いします。
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2011年11月15日【参加者募集】第15回大雪山国立公園フォーラムin上川

大雪山国立公園 上川 井上 智雪

大雪山国立公園フォーラムの参加者を募集します。

初日は地域活性化専門家の木村俊昭氏と植物生態学者の工藤岳氏による講演を行います。
また2日目には層雲峡の紅葉谷のスノーシューハイキングも企画しております(レンタルもあります)









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●開催期日

 平成23年12月17日(土) 基調講演
 平成23年12月18日(日) フィールドツアー

●開催場所
 上川町かみんぐホール(1日目)及び紅葉谷(2日目)

●内容

1日目【基調講演】
 13:20-13:50 受付
 14:00-14:10 開会行事
 14:10-15:20 講演1(60分講演、10分質疑応答)
         「大雪山のまちの変化と秘められた可能性~魅力ある観光地にするには?~」
         (講師:木村俊昭氏(地域活性化専門家))
 15:20-15:35 休憩
 15:35-16:45 講演2(60分講演、10分質疑応答)
         「大雪山の自然と今起こっている変化~温暖化による影響と将来像~」
         (講師:工藤岳氏(植物生態学者))

2日目【フィールドツアー】
  9:00-12:00 フィールドツアー
         「層雲峡で今ホットな観光スポット 初冬の紅葉谷」
         (ガイド:片山徹(層雲峡ビジターセンター)

●参加申し込み
 参加費は無料です。参加を希望される方は、平成23年12月8日(木)までにFAX(宛先:01658-2-1220)又は電子メール(宛先:kamikawa@town.kamikawa.hokkaido.jp)で、下記(1)~(6)の事項を記入して申込下さい。
(1)所属
(2)氏名
(3)住所
(4)連絡先(電話、FAX番号、メールアドレス)
(5)参加希望日(1日目のみ ・ 2日目のみ ・ 両日とも)
(6)2日目参加希望者は・・・スノーシューの当日貸出の希望の有無


●その他
 2日目のフィールドツアーは希望者が10名を越える場合は抽選となる可能性があります。また、防寒・紫外線対策を万全にして下さい。参加者には詳細について別途ご連絡します。


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2011年06月23日愛山渓方面の残雪状況について

大雪山国立公園 上川 井上 智雪

週愛山渓方面に巡視に行ってきましたので残雪状況についてお知らせします。

今年は気温が低い日が続きまた遅くまで降雪があったので、例年よりも雪が多く残っています。各地で山開きが始まり夏山シーズン開幕ですが、登山道が雪に覆われているところが多く有ります。


愛山渓方面の状況ですが、沼の平へ上がる33曲りコースは大半の雪が無くなりましたが、雪解けで登山道が川になっています。雪が残っている場所にはマーキングをしていますが視界不良の時は十分注意して下さい。また雪が薄くなっていますので踏み抜きにも注意が必要です。



沼の平分岐から滝の上分岐、イズミノ沢へは残雪が多く道も不明瞭です。滝の上の分岐と沼の平分岐の短い区間ですが、3mほど急な雪壁ができており上り下りする為にはピッケルと12本爪のアイゼンが必要です。
また村雨の滝の際も雪がべったりと付いておりこちらも安全の為にピッケルとアイゼンが必要になります。

沼の平への登山をされる場合は村雨の滝からは危険なため33曲りコースをおすすめします。


エゾサンショウウオのたまご
巡視の途中で見つけた物です。ゼリー状の物が枝から垂れ下がっています。これはエゾサンショウウオのたまごです。雪解けの水たまりにたまごを生んだのでしょうが、雪の重みで曲がった枝が元に戻るときに一緒に持ち上げられてしまったようです。

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2011年02月17日【参加者募集】自然観察会の参加者募集を募集します

大雪山国立公園 上川 井上 智雪

3月6日(日)に上川町公民館と上川自然保護官事務所の共催で自然観察会を行います。
層雲峡からスノーシューをはいて、かちかちに凍った銀河、流星の滝まで歩きます。夏の間はササに覆われ歩くことが困難なこのコースも雪を被るとスノーシューで縦横無尽に歩き回れます。




普段目にする銀河の滝は対岸から見ている写真の様な物でしょうが、今回は条件が整えば真下から見上げることができます。ひと味違った滝を見ることができるでしょう。滝以外にも普段目にすることのない景色を見ることがでるでしょう。

日時:201年3月6日
集合場所:上川町役場(役場からバスで行きます)
参加費:無料
参加資格:参加資格は特段設けていませんが、雪の中で1日行動します。
募集人数:15人(先着順)
悪天時:中止

お申し込み・お問い合わせ:上川町公民館(かみんぐホール)01658-2-2371
スノーシューの貸し出しも行っています(無料)申し込み時にご連絡下さい

【スノーシューとは】
雪上で浮力を得るための道具で、スノーシューを装着することにより雪上歩行が楽になる。
スキーやカンジキよりも手軽に雪上を歩き回れるので近年注目されている冬のアクティビティである。ヨーロッパではスノーボードの売り上げを上回る位の人気です。



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2011年02月01日冬の北大雪

大雪山国立公園 上川 井上 智雪

1月29日、30日にプライベートでニセイカウシュッペ山に登ってきました。
冬型の気圧配置の中ものすごく寒かったですがきれいな写真が撮れたので、冬の北大雪をちょっとだけ紹介します。



大槍



黒岳方面。表大雪が一望できました。



ニセイカウシュッペ山のピーク(ピークは左端)


その他にも強烈な寒さのおかげで日が出るとダイヤモンドダストが終始輝き、樹氷等冬でしか見ることのできない素晴らしい景色が盛りだくさんです。

写真は穏やかですが、実際は至る所にありとあらゆる危険が潜んでいます。
冬に登山されるならば夏山以上に確かな技術と体力を習得し、入念な準備を行った上で登山を行って下さい

※この季節の大雪山系は、一部を除きバックカントリー&バリエーションルートです。十分な計画・準備をし、警察へ登山計画書を必ず提出しましょう。http://www.daisetsuzan.or.jp/daisetsu/yobi2.htm

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2010年12月09日黒岳のバックカントリーでの利用について

大雪山国立公園 上川 井上 智雪

ようやく雪が積もりだして雪山らしくなり、スキー場もぼちぼちオープンし始めました。

黒岳ではスキー場から歩いて山頂まで登り帰りは滑って下るバックカントリースキー・スノーボードでの事故が最近増えています。
事故の原因で一番多いのは道迷いです。




地図中の右側の赤石川に迷い込むケースが見られます。目安の一つとして滑降するときは夏道になっている左の尾根を意識すると良いかもしれません(青いライン)
ピークから何も考えずに滑りやすいところだけ求めて滑ると自然に赤石川に迷い込む地形になっているので注意が必要です。赤石川は滝が連続し下ることはできませんし、雪崩が頻発するとも言われています。
地形図やGPSで現在地は何度も確認して下さい。



当たり前ですが、スキー場ではありません。とても厳しい雪山です。
上の写真は黒岳の山頂標識を3mほど手前から撮ったもので、視界は悪くこのときの風速は約20mで立っているのが困難なくらいです。


管理されたスキー場では無いので危険が伴います。天候判断はもちろん確実な読図やビバーク、雪崩等の基本的な雪山登山の技術、知識、装備が必要です。

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2010年10月15日【日本のいのち、つないでいこう! COP10まで3日前】

大雪山国立公園 上川 井上 智雪

~大雪の紅葉~
大雪の山々では紅葉が一段落し、厳しい冬に入る前の静けさに包まれています。打って変わって事務所の周りの小山や町の街路樹が赤や黄色に紅葉し賑やかになっています。



この写真は9月の銀泉台の第一花園の写真です。赤色の植物の大半はナナカマド(特にウラジロナナカマド)で黄色の大半はカバノキ(特にダケカンバ)が生えています。このナナカマドは私たちを楽しませてくれるだけではなく、リスはもちろんクマの食料にもなる真っ赤な木の実をつけます。
標高が下がると、植生が変化するので紅葉する植物も変わってきます。



紅葉の代名詞ともいえるカエデ(写真はハウチワカエデ)です。さらに山地ではダケカンバが黄色く紅葉していましたが、山麓ではシラカンバ(白樺)が黄色く色付きます。



環境が変われば植生も紅葉のタイミングも変わるのは当たり前ですが、隣に生えているモミジは、なぜか青々としていました。日当たりが原因でしょうか?

大雪での初めての紅葉のシーズンを過ごしました。日々彩りを変化させていく多様な植物の紅葉した素晴らしい景色を見ることができた秋でした。

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2010年09月13日赤岳紅葉情報第三弾

大雪山国立公園 上川 井上 智雪

ここ3日で一気に山が赤くなりました。
もうすぐ赤岳の稜線は紅葉のピークを迎えようとしています。





3日前の赤岳の第三雪渓(上)と本日の第三雪渓です。
劇的に紅葉が進みました。



コマクサ平からはウラシマツツジと共に山の紅葉が見ることができます。天気が良ければ2時間弱のハイキングです。


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2010年09月10日赤岳紅葉情報第二弾(9月10日)

大雪山国立公園 上川 井上 智雪

ここ数日上川で朝晩かなり冷え込み1気温は一桁まで下がりました。それに伴い紅葉も一気に進み山が華やいできました。



今朝の第一花園の様子です。以前の日記と見比べてもらえれば一目瞭然です。



第三雪渓でもはっきりと赤が認識できるようになりました。

本日の山の天気は晴れでしたが風が強くコマクサ平から上はかなり寒かったです。
しっかり防寒対策をして楽しんでください。

さて、下の写真は本日赤岳で目撃したシマリスです。おいしそうに何か食べているように見えますか?何か違和感を覚えませんか?



見づらいですが、口にくわえているのはお菓子のビニールと思われるゴミです。甘味が残っているのでしょうか?必死に食べようとしていました。

今更ですが、かわいいシマリスの為にもゴミの持ち帰りは徹底してください。




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