ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

北海道地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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支笏洞爺国立公園 支笏湖

135件の記事があります。

2013年05月31日新緑まぶしい支笏湖です

支笏洞爺国立公園 支笏湖 福家 菜緒

みなさま、こんにちは。
雪が溶け、早春の草花が開き、冬枯れの木にいつの間にやら小さい葉が出始め…
そして!ついに、現在支笏湖は春満開、新緑が輝いています。
春は一気にやってきますね。



【写真】支笏湖温泉街から望む樽前山・風不死岳(2013年5月31日)

樽前山の黒い山肌にくっきりと映える真っ白な残雪も、もうわずかです!
今週に入り、冬季閉鎖となっていた樽前山7合目への道も続々と開通となり、
本日、久々に樽前山のふもとまで巡視に行ってきました。
お昼前には、たくさんの車が7合目の駐車場に停まっており、
登山に出発される方が多くいらっしゃいました。
樽前山は「お手軽な山」と認識されがちですが、
滑りやすい、転倒しやすい、迷いやすい、霧が発生しやすい、天気が変わりやすい、活火山である、などなど、
実はたくさんの危険が潜んでいます。
決して軽装で、お散歩気分で頂上を目指そうとしないでくださいね。
今年の夏も、登山客で続々と賑わいを増す樽前山、事故のない夏になればいいなと思います。

今は、いたるところにコヨウラクツツジが咲いているよ、
と樽前山7合目ヒュッテの管理人さんが教えてくれました。
小さいサクランボのような、かわいいお花でした。
(写真撮影を忘れてしまいました。是非、現地でご覧ください。)



【写真】現在の樽前山5合目~7合目への道
この道沿いにも、コヨウラクツツジがたくさん咲いているそうですよ


支笏湖から唯一流れ出る川、千歳川も、周囲の新緑を映しながら澄みきっています。
この5月には、地元の方を始めとするたくさんのボランティアの方々が、
ここで水中や水辺のゴミを拾ってくれました。皆さんの努力あってのこの美しさ。
これからも、きれいな支笏湖が守られていくといいですね。



【写真】湖畔橋より千歳川、山線鉄橋、恵庭岳を望む


さて、アクティブレンジャー福家のAR日記、今回が最終回となりました。
たくさんの方に見ていただき、嬉しい感想もいただき、大きな励みになりました。本当にありがとうございました。
次回からは新しいアクティブレンジャーがさらなる支笏湖の魅力を発信してくれることと思います。
皆さん、期待していてくださいね。


それでは、春本番の支笏湖でお待ちしております!

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2013年05月07日PV研修、総会を実施しました

支笏洞爺国立公園 支笏湖 福家 菜緒

みなさんこんにちは。
ゴールデンウィークが終わったというのに支笏湖畔のお昼の気温は4度、寒い日が続きますね。とはいえ、春の風物詩、フキノトウもすっかり伸びきり、その花が終わる頃地下茎から伸びてくる葉っぱもちらほら見られるようになりました。夏には特大になる葉っぱも、まだまだ手のひらサイズの小ささです。

さて先月になりますが、今年度入って最初のパークボランティア(以下PV)活動が行われたので、ご報告します。



【図1】一斉に空へ双眼鏡を向ける方々


4月中旬のある日の朝、支笏湖ビジターセンター玄関周辺にて、一斉に双眼鏡を空へと向ける40名ほどのあやしい団体。一体何をしているのでしょうか。そう、迫力のこの光景は、年に数回実施される支笏湖地区PVの「PV研修」を実施している最中の一幕でした。

毎回テーマを設けて行うPV研修ですが、今回のテーマは、「支笏湖の野鳥と自然案内 ~バードウォッチングと自然案内のコツを学ぼう~」です。「観察会で案内役がしたいけど自信がない!」「自然案内についておさらいしたい!」というPV会員を対象に、講師・中村聡さん(公益財団法人日本野鳥の会 ウトナイ湖サンクチュアリ、チーフレンジャー)の案内のもと、支笏湖の野鳥を観察し、バードウォッチングの楽しさを知りながら色々教わろう!という内容でした。

当日は、双眼鏡の使い方を教わるところから始まり、中村さんのやさしく楽しい自然解説とともに、ビジターセンター周辺を飛んでいるハクセキレイや、カラスの古巣、古い電柱(木製)にあけられたクマゲラの食痕、広場で餌を探しているモズやヒバリなどをみんなでわいわい観察しました。また千歳川では、デコイ(鳥の模型)を使っての解説も行われました。



【図2】PV研修中、モズを見つけました

野外での研修のあとはビジターセンターに戻り、中村さんお手製のテキストを使ってレクチャーを受けました。「自然」と「参加者」の間に立って両者を結びつける「案内人」の役割について、また「お客さんに興味・関心をもってもらうには?」などのお話をしていただきました。案内のコツなどをたくさん教わり、PV会員の皆さんは熱心に耳を傾けながら、うんうんとうなずいたり、研修後には「素晴らしい!」という感想がたくさん寄せられました。
講師の中村さん、素敵な研修を行っていただき本当にありがとうございました。


さて午前のPV研修のあとは、ビジターセンターから休暇村支笏湖に会場を移し、「平成25年度支笏湖地区PV連絡会総会」が執り行われました。PV会員の皆さん、そして地域を代表してお越しいただいた方々とともに昨年度の活動について振り返り、そして今年度の活動について話し合いました。

さらに今年は、PV活動を15年間続けてこられた方への「自然環境局長表彰」に6名、10年続けてこられた方への「北海道地方環境事務所長表彰」に7名が該当し、合わせて13名もの方にPV感謝状が贈られることとなる大変喜ばしい年です。今回の総会の際には感謝状発行の都合により、「所長表彰」(活動歴10年)のみの感謝状贈呈となりましたが、皆さん、本当に長い間のPV活動、ありがとうございます。今後とも支笏湖PVとしてたくさん活躍してください!



【図3】総会の様子(下図は感謝状贈呈の様子)

そして、昨年は9月の新規PV養成研修の実施により新規会員が大幅に増えたこともあり、さらに進化したPV活動を行っていくために、今後の活動に向けて活発な意見交換がなされました。昨年度より観察会の数も増やし、ますます盛り上がる支笏湖地区PVにご期待ください!



下記のページにて、PV観察会の詳細がご覧いただけます。
支笏湖地区PVの観察会は5月、6月の2回です。
(7月以降の観察会については随時お知らせいたします。)
環境省北海道地方環境事務所HP[イベント開催予定](リンク)
参加は無料です。ふるってご参加ください!

支笏湖ビジターセンターでも、季節毎にたのしいイベントが実施されています。
詳細については下記ページをチェックしてくださいね。
支笏湖ビジターセンターHP(リンク)
(イベント案内は、[自然観察会]のボタンから)


春の支笏湖を楽しみましょう~

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2013年02月09日The World Wetlands Day 2013.Feb.2

支笏洞爺国立公園 支笏湖 福家 菜緒

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2月2日は、ラムサール条約が締結された日として「世界湿地の日(The world wetlands day)」に定められています。そのため世界各地では、2月2日の前後に湿地にちなんだ様々なイベントが開催されています。
そこで、ウトナイ湖・支笏湖・洞爺湖・サロベツ原野など、日本の代表的な湿地を含む国立公園等を所管する北海道地方環境事務所では、平成24年9月24日に北海道の新たなラムサール条約登録湿地に函館の大沼が登録されたことを記念して、ウトナイ湖・支笏湖・洞爺湖・利尻礼文サロベツのアクティブレンジャーで、AR日記のリレー企画を行うことにしました。
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さてAR日記支笏湖編2回目は、支笏湖の自然、
特に普段あまり見ることのない水生植物、つまり水のなかで生きる『水草』の様子を少しご紹介します。




8月 山線鉄橋より 水草が繁茂する千歳川


―支笏湖の水のなかで生きる草たち

カルデラ湖であり、水深が急に深くなる支笏湖。深いところには生育できない種類の水草が多い支笏湖では、水草が繁茂するエリア(水深)は限られています。水草が生い茂った場所は、貝や小さな魚のすみかになります。また冬に飛来するキンクロハジロはその貝などを食べ、水草自体も水鳥の餌にもなります。水草は支笏湖の生きものにとって、お布団になったり、ご飯になったりする、大切な支笏湖の住人なのですね。

今年度行われた水草の調査では、12種の水草が確認されました。その一例がこちら。展示のために作成された、支笏湖の水草の標本です。



【上段】左から  リュウノヒゲモ、ホザキノフサモ、エビモ、ヒロハノエビモ
【下段】左から  チトセバイカモ、センニンモ、マツバイ、シャジクモの一種

こんなにたくさんの種類の水草が、支笏湖でそっと生活しています。このなかでも、チトセバイカモ Ranunculus yesoensis は北海道固有種であり、7月~8月には水面で白い小さな花(写真の黒い四角の中に花が!)を咲かせる、かわいい水草です。しかしチトセバイカモは生育する数が非常に少なく、環境省レッドリストにおいて絶滅危惧ⅠB類に指定されている種でもあり、その生育環境を守っていくことがとても大切です。
そんなチトセバイカモを筆頭に様々な稀少な水草が生育している支笏湖も色々な問題を抱えています。


―支笏湖の抱える問題(水中編)

○外来生物
その場所にはもともといなかったけれども人間の手によって移植された生物を『外来生物』と呼びます。外来生物の中には、全国的に問題となっている魚、ブラウントラウト、ニジマス(ともにサケ科)、そして甲殻類ではウチダザリガニなどが挙げられ、支笏湖でも広く生息しています。かれらは他の魚を食べたり、生活する場所を取り合って競争し攻撃したりすることから、もともとそこに住んでいた種(在来種)は追いやられます。またウチダザリガニが増殖すれば、貴重な水草の群落は食べ尽くされてしまいます。このように、外来生物が増えるとこれまで維持されてきた生態系はバランスを崩してしまいます。支笏湖では外来生物の駆除作業が継続的に行われています。

○動力船規制
支笏湖では、2005年から水上バイクやプレジャーボートの乗り入れが禁止となりました。これらの動力船の使用による水質の悪化・水草の生育環境の悪化・騒音問題などを受け、住民や地元市の協力のもと環境省が自然公園法による規制を行ったもので、現在では静かな湖、また野生生物にとって暮らしやすい環境が維持されています。




11月末 支笏湖温泉街より 恵庭岳


―さいごに

と、長々と主に水中で起きている問題について今回はご紹介しましたが、この他にも様々な取り組みを、支笏湖の自然を守っていくために地元の方や関係機関の皆さんと協力しながら行っています。

この大きな湿地を取り巻く『都市近郊でありながら現存する原始的な自然』を守りながら、活用しながら、将来ずーっと引き継いでいけるといいですね。


○参考文献:
『支笏湖の人と自然』支笏湖の人と自然 編集委員会(2007)
『千歳川』千歳の自然保護協会(1993)


○湿地の日AR日記リレー企画 これまでの記事

1) 平成25年1月25日 山上AR(利尻礼文サロベツ国立公園・稚内)(リンク)

2) 平成25年1月30日 大塚AR(支笏洞爺国立公園・洞爺湖)(リンク)

3-1) 平成25年2月7日 福家(支笏洞爺国立公園・支笏湖)(リンク)


湿地の日AR日記リレー企画、次回は利尻礼文サロベツ国立公園・稚内
の中野さん、よろしくお願いします!

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2013年02月07日The World Wetlands Day 2013.Feb.2

支笏洞爺国立公園 支笏湖 福家 菜緒

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2月2日は、ラムサール条約が締結された日として「世界湿地の日(The world wetlands day)」に定められています。そのため世界各地では、2月2日の前後に湿地にちなんだ様々なイベントが開催されています。
そこで、ウトナイ湖・支笏湖・洞爺湖・サロベツ原野など、日本の代表的な湿地を含む国立公園等を所管する北海道地方環境事務所では、平成24年9月24日に北海道の新たなラムサール条約登録湿地に函館の大沼が登録されたことを記念して、ウトナイ湖・支笏湖・洞爺湖・利尻礼文サロベツのアクティブレンジャーで、AR日記のリレー企画を行うことにしました。
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世界湿地の日AR日記企画第3弾、バトンはいよいよ支笏湖へ。
支笏湖からは、2回に分けてお送りします。




10月 休暇村前広場 展望台より 風不死岳、と樽前山一部


―支笏湖ははたして『湿地』? そもそも湿地って何だろう

湿地 wetland とは『淡水や海水により冠水する、あるいは定期的に覆われる低地』のことで、その言葉が指す範囲はとても広いです。例えば、湿原、沼、河川、サンゴ礁、水たまり…
『ラムサール条約湿地分類法』による湿地のタイプ区分(42の分類)をみると、支笏湖のような湖は『淡水湖沼』に該当します。
そう、支笏湖も立派な湿地、なのです。
かくして支笏湖AR、この湿地の日企画にめでたく参加できることとなったのです。

参考:日本国際湿地保全連合のページ(リンク)



―ワイズユースって何だろう

ラムサール条約の基本理念、それは『ワイズユース(賢明な利用)』です。 
ワイズユース?

さて突然ですが!
皆さん、支笏湖温泉の街で使われる電気は、どのように供給されているかご存じですか。札幌や千歳市街から運ばれてくる?いえいえ、実は支笏湖温泉街一帯の電気は『支笏湖の水』で作られています。

というのも、支笏湖から唯一、水が出て行く川(流出河川)である千歳川には、千歳市街に流れ出るまでの間に複数の滝がありました。その天然の落差を利用し建設された王子製紙の水力発電所群(1910年、明治43年~)は、そこで生み出す電力を苫小牧市内の工場で利用するだけでなく、支笏湖温泉街一帯にも供給され湖畔の街の明かりを灯してきました。

このように支笏湖の水は二酸化炭素を排出しないクリーンエネルギーを生み、さらに支笏湖の治水の機能も果たすことから、その流域に住む人々に恩恵をもたらしてきました。千歳川本来の自然落差に加え、複数の発電施設の存在が『魚類の生息場所の移動を制限し生態系を分断する』という負の影響がないとはいえませんが、約100年前から稼働してきた水力発電所群の存在により、以降の大きな開発は抑えられ、今日の生態系が維持されてきたともいえるのではないでしょうか。



10月 湖畔橋より 千歳川


明治時代、支笏湖周辺の森林は御料林としてその自然が守られてきました。そしてその森に囲まれた湖と川では、水力発電という形で自然を利用しながらもそれを壊してしまうことなく人間が恩恵を受けてきました。そして現在、都市近郊でありながら原始的な自然が多く残っている、それがこの支笏湖一帯の地域です。

こんなふうに、湿地の自然を保全しながら持続的に人が利益を得る、『ワイズユース(賢明な利用)』がラムサール条約の考え方、基本理念のひとつです。全く手を付けずそのまま残す(保護)のではなく、利用しながらも壊してしまうことなく(保全)、ずっと自然から恩恵を受け続けていく。これが目標です。

…どうでしょう。『ワイズユース』、イメージがわいたでしょうか。


 ~2回目へ続く~

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2013年01月15日支笏湖のうれしいお知らせ

支笏洞爺国立公園 支笏湖 福家 菜緒

みなさん、こんにちは。
今年もよろしくお願いいたします。

昨年末、ある一つのニュースが支笏湖関係者らの心を震わせました。
全国の『公共用水域水質測定』の平成23年度の調査結果が環境省より発表されたのです。
それによると、『全国の湖沼のなかで支笏湖のCOD(※)は最も低い』とのこと。
つまり…支笏湖の水は『全国で一番、真水に近く、不純物が少ない!』ということ。
しかも、5年連続です。
新年を迎える喜びとともに、にわかに祝賀ムードにわいた支笏湖の今日この頃です。

なお公共用水域とは、水道など利水目的による取水が行われる水域のことをいいます。
なので、きれいな湖で有名な摩周湖などはこの調査の対象外となっているため、
『調査が行われた全国の湖沼188水域』での、一位!(祝)


※CODとは…
 Chemical Oxygen Demand = 化学的酸素要求量
 海や湖、沼のキレイ度を表すのに用いられます。
 水の中に浮いているもの(有機物)が少なく、純粋な『真水』に近いほど、
 CODの値は低くなります。


そんな支笏湖の水を吹き付け、しばれる空気でそれを氷らせて作る、
『氷濤(ひょうとう)』が支笏湖の片隅で徐々に青く巨大化してきています。
第35回氷濤まつりまであと10日程。
きれいな水、氷、空気を堪能しに、ぜひ支笏湖に遊びにきてくださいね。




『第35回支笏湖氷濤まつり』は、平成25年1月25日(金)から!
詳しくはこちらをご覧ください。

支笏湖温泉旅館組合ホームページ


ちなみに郵便局では、支笏湖をモチーフにした切手が発売されています。
販売エリアや販売期間などの詳細は、郵便局のホームページをご覧下さい。

日本郵便プレスリリースのページ


ビジターセンターの前には、巨大なヘビがお目見えしていました。


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2012年12月19日支笏湖 なう

支笏洞爺国立公園 支笏湖 福家 菜緒

みなさん、こんにちは。
今年もあと半月ですね。年の瀬は何だかんだと忙しいですね。

さて12月に入り雪がどんどんと積もっている支笏湖ですが、今年は夏から度々大雨に見舞われたり、冬になっても雪ではなく雨が降ったりしたことで、支笏湖では水位が例年になく上昇しており、加えて強風による波が湖岸に打ちつけることで様々な施設が被害を受けています。早く元の水位に戻るといいのですが。

そんな厳しい状況ではありますが、今しか見られないこんな現象も。湖からの水しぶきが吹き付けては凍り、吹き付けては凍り、ということを繰り返した樹木や柵、ベンチなど様々なものが凍りづけになっています。支笏湖畔はちょっとした『プレ氷濤まつり※』状態です。



【写真上】12月19日撮影 【写真下】12月10日撮影 (全て親水広場にて)

そして今日もまた、晴れてはいるものの湖から強風が吹き荒れていました。
キラキラの地吹雪に突進しながら巡視を行ってきたので、冬の支笏湖園地の様子を少しご紹介します。


【1】ビジターセンター前を出発し、新雪をざくざく
【2】山線鉄橋も雪が。風が強いので、渡るときは要注意です
【3】氷濤まつりの準備も着々と。制作スタッフの方々、寒い中お疲れ様です
【4】親水広場からは、紋別岳、恵庭岳、風不死岳、樽前山をぐるりと見渡せます
【5】休暇村園地にて、かまぼこ化したベンチ
(全て12月19日撮影)



【写真】休暇村園地展望台からの景色(12月19日撮影)

今日は深く鮮やかな青い支笏湖でした。


※『第35回支笏湖氷濤まつり』は、平成25年1月25日(金)から!
詳しくはこちらをご覧ください。

支笏湖温泉旅館組合ホームページ


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2012年11月22日野鳥と冬芽の観察会を開催しました

支笏洞爺国立公園 支笏湖 福家 菜緒

皆さん、こんにちは。
寒いですねぇ。

今日は『シリーズ支笏湖の山』は小休止。先日開催された、今年最後のPV観察会『野鳥と冬芽の観察会』のご報告です。

11月11日(日曜日)、連日雨の支笏湖でしたが、この日は素晴らしい快晴。
12名の方に参加していただき、PVが2名解説を担当、そして9名のPVにサポートをしてもらいながら、休暇村周辺~千歳川~支笏湖園地を散策しました。葉が落ちて見通しのよくなった木々の間に、たくさんの鳥を見ることができました。そして樹木の『冬眠』のかたち、冬芽の様子もじっくり観察できました。



【1】朝から快晴、気持ちよく開始しました 【2】ツルウメモドキの黄色と赤のかわいい果実 【3】熱心にメモをとったりPVに質問を投げかける皆さん 【4】コゲラが出入りしていた樹洞 おうちでしょうか 【5】ツルリンドウの赤い果実。誰かにかじられたような跡が

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そして次は千歳川沿い。ここでは、キンクロハジロ、マガモ、アビなどが泳いでいる姿が見られ、皆さん、双眼鏡片手に盛り上がっていました。

ちなみにキンクロハジロ Aythya fuligula は冬になると日本にやってきて、水に潜り、貝や甲殻類、小動物などを獲って食べながら暮らしています。支笏湖では他にもカルガモ、オシドリなどが生活していますが、藻場や小魚などの餌が少ないことから水鳥類の種類、数は少ないそうです。
参照:支笏洞爺国立公園管理計画書・支笏洞爺国立公園及び各管理計画区の概況



【1】一列に並んで泳ぐキンクロハジロ 【2】それをほぼ一列になって覗く参加者の皆さん 【3】湖畔橋から千歳川をのぞき込んだり、青い空に映える恵庭岳を眺めたり

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そして湖畔に接近し、真っ青な初冬の支笏湖を堪能。支笏湖園地ではエナガの群れも飛んでいました。落ち葉の道をのぼって行き、休暇村園地に戻りました。



【1】真っ青な支笏湖と恵庭岳 【2】ハウチワカエデの冬芽について解説するPV 【3】休暇村へ続く落ち葉の道。空気は冷えていましたが、日差しがあたたかいです


次回、支笏湖地区パークボランティアによる観察会は、来年2月9日(土)を予定しています。
また来年のご参加、お待ちしております。

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2012年11月20日シリーズ支笏湖の山 その3樽前山

支笏洞爺国立公園 支笏湖 福家 菜緒

みなさん、こんにちは。
先週末の荒れた天気で、ついに平地でも初雪が降り、支笏湖を囲む山々も、支笏湖温泉も、道路も雪に覆われました。今朝10時の気温は2.6℃でした。いよいよ道内各地で初雪を観測。冬、まっしぐらです。

細々と続けている『シリーズ支笏湖の山』。第3回目は、お待たせしました、樽前山です。



支笏湖園地より、真っ白く積雪した樽前山(左)11月19日撮影


苫小牧市街からすそ野まで見渡せる雄大なその姿ゆえに、苫小牧市のシンボル的な存在になっています。

4万年前に支笏湖の原形であるカルデラ湖ができ、その後、噴火により風不死岳、恵庭岳、そして最後に樽前山が誕生したのが9千年前です。さらに樽前山はその後も噴火を繰り返し、その頂上部にある溶岩ドームは、103年前(1909年)、突然現れたそうです。溶岩ドームを囲っているくぼみ(=火口原)のふちの部分(=外輪山)は、東ピークが1023.1m、西ピークが994.0mです。(なお溶岩ドームを含めた標高は1041mとされています)

この火口原の中は国立公園の特別保護地区に指定されており、また「樽前山溶岩円頂丘」として、北海道指定文化財の天然記念物でもあります。現在も溶岩ドーム周辺では有毒な火山ガスが出ており大変危険であることから、火口原の立ち入りは禁止されています。外輪山から見ても充分、大迫力の溶岩ドームです。どうぞ火口原内には立ち入らないようお願いします。

樽前山7合目までは車で行くことができ、無雪期にはたくさんの方が登山を楽しまれています。(冬季は、市道樽前観光道路(5合目ゲート)及び道道141号(樽前錦岡線)が閉鎖されます。詳細は苫小牧市ホームページをご確認ください。→ 苫小牧市商業観光課 観光担当

近場で気軽に行ける山である一方、軽装備登山・登山道の拡幅・外来種の定着など、利用・保全の面でも多くの問題を抱えた山でもあります。是非、樽前山登山をきっかけに、全国各地の山で起きているこのような問題についても一度考えてみてもらえればと思います。



上から【1】8合目付近より樽前山北東斜面 【2】登山道の先に樽前神社、奥が西ピーク 【3】外輪山取付周辺より眺める溶岩ドーム 【4】登山道の浸食の激しい箇所(風不死岳分岐周辺)



10月の紋別岳より、支笏湖温泉(左)、樽前山(奥左)、風不死岳(奥右)。


樽前山はこれまでのAR日記にも度々登場しています。
これまでの記事を集めてみました。

 『霧の樽前山(標高1041m)』 2007年6月26日

 『樽前山情報』 2007年8月28日

 『樽前山登山道補修』 2010年8月17日

 『子どもたちと樽前山』 2012年6月22日



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2012年11月07日シリーズ支笏湖の山 その2漁岳

支笏洞爺国立公園 支笏湖 福家 菜緒

みなさん、こんにちは。
前回恵庭岳を皮切りに始まった、シリーズ支笏湖の山。

支笏湖エリアのAR日記は、歴代ARの方々が書き連ね6年目になりますが、ここらで一度支笏湖の山をまとめて紹介しよう、と勝手に始まったシリーズです。
夏山シーズンも終わりで寂しい…と思っていましたが、色々な方の話を聞いていると、支笏湖周辺は冬しか登れない山も多く、支笏湖といえば冬!とも。長い冬、楽しみですね。

さて、赤や黄色や橙色に染まった葉っぱも大方散ってしまい、いよいよ頭に雪をのせている山も増えてきました。

というわけでシリーズ第2回目は、11/5(月)の朝、支笏湖周辺で一番、真っ白になっていた『漁岳―いざりだけ』標高1318.0mです。
(なお標高は、国土地理院発行の地形図をもとに作成された『支笏洞爺国立公園(支笏・定山渓地域)区域及び公園計画図』での記載に統一しています)



【写真】恵庭岳の奥に、冠雪した漁岳。雲で隠れていますが、恵庭岳も頂上付近には雪が積もっていました

漁岳は恵庭市・千歳市・札幌市を分ける山で、恵庭岳の北西にそびえています。語源はアイヌ語の『イチャンコッペ(サケ・マスの産卵する川)』から『漁』という字が当てられたそうで、そこから流れる漁川には、アメマスやオショロコマなどが生育しています。整備された夏道は無く、山行記録などを見ても冬の景色の方が多くみられ、まさしくこれからが本シーズン?なようです。


ちなみにこの日は風不死岳にも雪が。
樽前山は、地上からは雪は確認できませんでした。



【写真】樽前山(左)と風不死岳(右)

プリン(溶岩ドーム)に粉砂糖がかかる日を今か今かと待ち構えています。

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2012年10月23日シリーズ支笏湖の山 その1恵庭岳

支笏洞爺国立公園 支笏湖 福家 菜緒

みなさん、こんにちは。
支笏湖でも、遅い遅いと言われていた紅葉が見頃となりました。国道453号沿いを走っていると、道路脇に真っ赤に染まった鮮やかな木が点々と現れ、目を奪われます。しかし要注意です。夕方にはほぼ毎日エゾシカが道路脇に現れています。空気が冷え込むとともに、車道周辺への出現率も高まってきました。立派な角の生えた雄ジカの巨体がドッカドッカと道路を走っていると、圧倒的な威圧感。これから冬にかけて、支笏湖周辺はシカの越冬地となり、多くのシカが出没します。お出かけの際は、十分にご注意ください。

さて、そんなふうに紅葉とシカの訪れに秋を感じる支笏湖ですが、先日19日、恵庭岳の初冠雪が確認されました。恵庭岳は、支笏湖の東側に位置する1319.7mの山です。偶然にもその日、我々は恵庭岳の初雪を踏むこととなりました。というのも、この日は登山口や山頂付近の看板の付け替え作業などを行う日。石狩森林管理署、千歳市山岳遭難救助隊、千歳山岳会の方々とともに、いざ初冠雪の恵庭岳へ。



【左上】恵庭岳の東斜面、ポロピナイコース。現在紅葉もきれいです 【右上】第1見晴台より山頂を望む 【左中】マイヅルソウの実にも積雪 【右中】第1見晴台のあたりから登山道に1、2cm程度の積雪 【下】第1見晴台より支笏湖を望む

遠くから見るとごつごつして見える恵庭岳、その頂上の岩塔部は、平成15年の十勝沖地震の影響とみられる大規模な崩落が起きており、現在も非常に崩れやすい場所が数ヵ所あります。そのため、第2見晴台(8.5合目付近)からは立ち入らないようお願いします。



【左】登山口に設置していた赤い小屋は撤去し、ぴかぴかの入山届の箱が設置されました。【右】第2見晴台での看板付け替え作業。冷たい強風と時折舞う雪の中での作業、お疲れ様でした。



支笏湖園地より恵庭岳を望む(10月12日撮影)

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