ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

北海道地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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知床国立公園 ウトロ

220件の記事があります。

2009年11月02日「知床~音で感じる季節~」

知床国立公園 ウトロ 伊藤典子

今時期、エゾシカの繁殖期ですが、オスジカの鳴き声を聞くことができます。
こんな感じのイメージです↓


「ラッティングコール」といいます。
ラッティングコールとは
 自分以外のオスジカに対し、「自分はここにいるよ」と存在をアピールし、「近づいてきたら追い出すよ」、と言っています。


知床を歩いていると、この「ラッティングコール」を聞く機会は多々あります。しかし、出会うことが出来ない人ももちろんいます。しかし、遺産センターではいつでもこの音に出会うことが出来る装置があります。
それがコレ。


「知床自然音ピアノ」
知床で聞くことが出来る音を様々な場面を想定してつくり出すことが出来ます。自分なりの楽しみ方を考えて下さい。
現在のおすすめは、
「エゾシカのラッティングコール」+「エゾシカが枯葉を踏みしめる音」+「知床の森」

※この時期のオスジカは気が立っています。前足で、地面をひっかく様な動作をしたら、イライラしている証拠。安易に近づくと大変危険です。遠くからひっそりと見守りましょう。

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2009年10月22日「知床世界遺産センター情報」

知床国立公園 ウトロ 伊藤典子

イベントを行っています!




<知床写真クラブ写真展>
知床の厳しくも寛容な自然に魅せられた知床写真クラブ会員の写真展です。
☆期間:10月21日(水)~11月30日(月)
☆開催時間:9時~16時半
☆料金:無料!

これから冬に向けて新たな企画を考え中です。
いつ来ても違った楽しみが出来る、また、地域に根ざした施設となるようにしていきたいと思います。

ちなみに、窓際の展示スペースでは、前回の展示も引き続き一部掲載中。


知床での思い出を、写真・俳句・絵画に! とのことで、一般から広く募集しています。
掲示は来年度を予定しています。
皆様も知床に来た際には、五感を働かせて作品を作ってみて下さい。
そして、是非遺産センターに展示してみませんか?


また、知床世界遺産センターは、10月21日から、冬期営業となります。
☆開館時間:9時~16時半
☆休館日:毎週火曜日、年末年始(12月29日~1月3日)


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2009年09月25日ルシャ地区で海岸清掃が行われました

知床国立公園 ウトロ 高橋 知里

オホーツク海と根室海峡に突き出すように伸びる知床半島には、海流の影響で大量の漂着ゴミが海岸に流れ着きます。世界遺産の景観を守ろうと今までもボランティア活動によって知床岬などで清掃作業が行われてきましたが、今回は環境省の事業として重機を導入し大がかりな作業が行われました。


回収作業の様子

作業が行われたのは9月22日から24日の3日間。ゴロ石の海岸が続くルシャ地区(一般の方の立入は規制されています)。30m×50mのプロット4箇所と20m×60mのプロット1箇所が設定され、その中のゴミが徹底的に拾われました。



回収された漂着ゴミ

回収されたゴミで多かったのは漁業に使われる網やロープ、浮き玉、プラスチックゴミ、トタンなど。作業をされている方の話ではこの辺で使われている漁具ではないものが多いとのことでした。



清掃作業後の海岸 流木のみが残りすっきりしていました。

流れ着く漂着ゴミを減らすことは難しいことですが、このような清掃活動が続き、知床の海岸線の景観がよりすばらしいものになるといいですね。

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2009年08月16日サケ・マス釣りはマナーを守って楽しみましょう

知床国立公園 ウトロ 高橋 知里

カラフトマスの遡上の季節となり、港や海岸ではマス釣りを楽しまれる方が増えています。カラフトマスは重さ1~2kgあり、塩焼きやチャンチャン焼きなどにしていただくと、とてもおいしいサケの仲間です。

しかし、釣りを楽しむ前に忘れていけないのは知床が野生動物のすみかであるということ。

漁港では捨てられた釣り針を飲み込んでしまったカモメが目撃されることがあります。
 また、食べ物のゴミの放置や、釣った魚の内臓を捨ててしまう行為を目にすることがあります。この行為はヒグマが放置したものを食べてしまう恐れがあり大変危険です。放置したものの味を覚えたクマが、人間を襲うかもしれないからです。ゴミは必ず持ち帰るようにしましょう。
 その他にも、釣りを行う際に路上駐車をしてしまうと、交通事故を引き起こす危険があります。決められた場所に駐車するようにしましょう。


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2009年07月03日7/13~9/20 カムイワッカ地区マイカー規制のお知らせ

知床国立公園 ウトロ 高橋 知里

 道道知床公園線カムイワッカ方面は、落石防止工事のため通年通行止めですが、7月13日~9月20日までの間、公園利用者のために工事を中止し、知床五湖からカムイワッカ湯の滝までシャトルバスを運行します。
規制区間に入れるのはシャトルバスのみ。一般車両や自転車、徒歩でも入ることはできません。また、カムイワッカ湯の滝から知床大橋までは入ることはできません。

 シャトルバスにはウトロ温泉ターミナル、知床自然センターから乗車できます。また、ウトロ温泉街は無料巡回バスが走っています(知床世界遺産センター前にも停車します)ので、宿泊施設に車を置いたまま出かけることも可能です。

このシャトルバスは知床五湖も経由(途中下車できます)するため、うまく利用すると混雑を避けて快適に利用することができます。

**シャトルバスを使ったモデルコースのご紹介**
8:30~9:30世界遺産センター見学(1時間)
↓ 徒歩10分
9:50ウトロ温泉バスターミナルからシャトルバス乗車
↓ シャトルバス25分
10:15~11:35知床五湖で高架木道、遊歩道散策(1時間20分間)
↓ シャトルバス28分
12:03~12:53カムイワッカ湯の滝(1の滝まで利用できます。50分間)
↓ シャトルバス40分
13:33~14:53知床自然センター(昼食、施設の見学、フレペの滝遊歩道散策など。1時間20分間)
↓ シャトルバス7分
15:00ウトロ温泉ターミナル

*バスの運行時間はお盆時期(8/9~8/17)とその他の期間(7/13~8/8、8/18~9/20)で運行時間が変わりますので、ご注意ください。

 マイカー規制の情報は斜里町商工観光課のHPに詳しく掲載されています。
http://www.town.shari.hokkaido.jp/shiretoko/traffic/trfcctrl.htm



カムイワッカ湯の滝(2008年撮影)

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2009年06月24日エゾシカとダニ

知床国立公園 ウトロ 伊藤典子

こんにちは。知床のウトロでアクティブレンジャーをしている伊藤です。


さてこの一枚の写真。エゾシカですが、耳のところをよく見てみて下さい。ポツポツと何かくっついているのが、確認出来ますか?実はこれ「ダニ」です。見ているだけで、体が痒くなってしまいます。この写真はフレペの滝遊歩道で撮影したものですが、エゾシカは至るところにいます。エゾシカがいるところには、ダニがいます。
かつては少し歩いただけではダニがくっつくことなどなかったのに、とのこと。現在、エゾシカの数は、増加し、それに伴って、ダニも増加しているのですね。

私たちが巡視を行った後には、体中をチェックしています。なぜか腰にくっついてることがあったり、頭の上に乗っかっていることもあります。
噛まれて、血を吸っているダニは無理にはがそうとしてはいけません!体内に口が残ってしまい、化膿してしまいます。外を歩いた後には、皆様もチェックして下さいね。



*マダニ
マダニは8本脚からなる節足動物。固い外皮に覆われ、大きさは未吸血時で約3~4mm。
 マダニの唯一の栄養源は、動物の血液。幼ダニ・若ダニは発育・脱皮のため、成ダニは産卵のために吸血します。その吸血の際に、病原体の媒介者となることがあります

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2009年06月01日知床、ヒグマ活動中です。

知床国立公園 ウトロ 高橋 知里

 新緑の森の中を歩いている時に、ヒグマの足跡を見つけました。
この足跡、ヒグマのどの足のものかわかりますか?足跡の形と、左の内側に少しだけ向いていることから、右の前足と推測できます。この足跡の大きさは、約10cm。大きな大人のクマのではありません。ですがするどい爪跡がついており、たとえ子グマでも大きな力を持っていることが伝わってきます。


ヒグマの足跡

 ヒグマが高密度に生息する知床では、ヒグマの足跡や糞といったものを見つけることもしばしば。今年も遊歩道や道路脇でのヒグマの目撃が相次いでいます。観光客の方とヒグマとの事故を防ぐために、ウトロ自然保護官事務所のアクティブレンジャーの活動では、ヒグマの注意看板を設置することを行っています。


ヒグマ注意看板
 
 道路脇でヒグマを目撃したときに、騒ぎたてたり、車から降りて写真を撮るという行動はとても危険です。もちろん餌やりや接近は厳禁です。
遊歩道散策の際にはまず、ヒグマに出会わないように鈴などを持ち歩き、出会ってしまった際には、ヒグマを刺激しないようにゆっくりと後退しましょう。

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2009年05月29日ウトロでも、セイヨウオオマルハナバチ捕獲!

知床国立公園 ウトロ 伊藤典子

このAR日記でも、何度も書かれていますが、現在北海道では、特定外来生物である、セイヨウオオマルハナバチの捕獲計画が行われています。
この捕獲計画、今の時期が大事なのです。
なぜ今の時期かというと、
今は女王バチが巣に適した場所を探しているところ、もしくは子育ての真っ最中です。
ですので、今の時期の女王バチを捕獲すれば、巣を1つ捕ったのと同じことになります。

ウトロでは、昨年に初めてセイヨウオオマルハナバチの目撃があり、4頭の捕獲を行いました。
ハチの増えるスピードは倍々どころではないので、早急な対策が必要となってきます。
そこで、今月22日にウトロの遺産センターにおいて地元の方と勉強会を開きました。
地元のどのあたりでよく見かけたか、意外なところでは、ブルーシートによく来るとのこと。又、故郷である外来種の花でよく見ると思うなど、経験からの発言に加え、地元の方に、マルハナバチが飛んでいる時に「あれはセイヨウか?」と聞かれることがあったとの話がされました。出来るだけ多くの人に、理解と協力をしてもらって、地道に活動を行っていきたいです。
 
防除に参加していただける皆さんは、是非、北海道のセイヨウオオマルハナバチバスターズに登録をお願いいたします。
 (防除にあたっては、外来生物法に基づく防除の認定が必要です。北海道のバスターズに登録すれば、道が実施する防除事業の従事者と位置づけられ、認定の手続きは不要となります。)
http://www.pref.hokkaido.lg.jp/ks/skn/alien/seiyo/basutazu.htm



5月28日に捕獲した、セイヨウオオマルハナバチ
黄色のラインが鮮やかなのと、お尻が白いのが特徴

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2009年04月30日知床五湖・高架木道

知床国立公園 ウトロ 伊藤典子

 知床五湖では、平成18年4月に新しい展望台と、約250mの高架木道がオープンし、今年、更に高架木道が延長されました。従来の展望台から約300m延びて、奥の展望台まで、往復だと40分ほどかかります。
木道は蛇行しているので、色々な方向からの景色を楽しむことができます。知床連山の素晴らしい景色が楽しめますし、海も良く見えます。また、のんびりとお昼寝をしているエゾシカも間近で見ることができるでしょう。高架木道の周りには電柵が張ってありますが、これはヒグマ対策用となっています。つまりヒグマの生活の場にお邪魔することになるのです。ですので、ものを食べながら歩かないようにして下さい。 高架木道は、バリアフリー対応で車椅子・ベビーカーも大丈夫です。しかし、風が強いので、寒さ対策をしっかりしてきて下さいね。


新しく出来た展望台からの眺め。
奥の高台にあるのが、従来の展望台


手前には、一湖があり、もう少し晴れていたら、奥に知床岳がきれいに見える。

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2009年04月20日「知床世界遺産センターついにOPEN!」

知床国立公園 ウトロ 伊藤典子

 4月19日に知床世界遺産センターが開館いたしました。
当日、朝には雨がパラついていましたが、お昼頃には日が差し、少し肌寒いものの、開館式は爽やかに行なわれました。

 式典は、来賓の方々からの祝辞、施設の概要説明、このセンターで働く職員の紹介、知床世界遺産シンボルマークの表彰式、北海道大学の大島先生の講演会が行なわれました。
一般の方の来場は、午後3時からで、子供達向けのイベントとして、「知床の新聞を作ろう」というものがありました。自分が記者となり、施設の中で情報を集め、新聞の作成を行う。楽しくお勉強が出来る、なんともステキな企画でした。


 また、開館記念に限定250組のエコバック+絵葉書、ポスターなどが配られ、
大好評のうちに全て無くなりました。
エコバックには世界遺産のシンボルマークが描かれています。サイズは大きめでお買い物にぴったり!手に入れた方はラッキーですね。もちろん私も、使いますよ。


 さて、館内の様子は、来てからのお楽しみです。
この写真は、外に掲げてある看板です。木でできていて、シンボルマークが鮮やかです。
HPも是非チェックしてくださいね。
http://shiretoko-whc.jp/
色々な情報の発信の場としていきたいと考えています。

さて、ご挨拶が遅くなりましたが、こんなフレッシュな遺産センターで働くことになった、これまたフレッシュなアクティブレンジャーの伊藤典子と申します。これから1年間、どうぞよろしくお願いします!

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