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アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

北海道地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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知床国立公園 ウトロ

220件の記事があります。

2020年05月01日知床国立公園(ウトロ地区)の施設休館状況

知床国立公園 ウトロ 小泉尚也

こんにちは、ウトロ自然保護官事務所の小泉です。

全国各地で春の訪れを告げるニュースが聞こえる中、知床の状況を気にしていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。

今回は、4/28現在の知床(ウトロ地区)の情報をお知らせいたします。

新型コロナウイルス感染症の拡大防止に伴う緊急事態宣言が、全国に発令されている状況を考慮して、

ビジターセンターや知床五湖歩道・園地等のすべての施設は閉館・閉鎖しております。

利用者の皆様にはご迷惑をおかけしますが、ご理解とご協力をお願いいたします。

この他、道の駅うとろ・シリエトク、知床自然センターも休館。

道の駅うとろ・シリエトク、オシンコシンの滝、知床峠の各駐車場も閉鎖となっております。

皆様にはこのような状況をご理解いただき、知床国立公園の利用をお控えいただきますようお願いいたします。

詳細な情報は各ホームページをご参照いただけたら、幸いです。

◆知床五湖のホームページ

https://www.goko.go.jp/

◆知床世界遺産センターホームページ

http://shiretoko-whc.jp/whc/

◆知床の観光情報|知床斜里町観光協会

https://www.shiretoko.asia/

 

        フクジュソウ               ギョウジャニンニク

  

        エゾイラクサ                エゾエンゴサク

知床では、ついこの間まで一面雪景色であったところから、力強く、鮮やかに、春を告げる植物たちが顔を出すようになってきました。世の中はこのようなご時世ですが、自然界では着々と命が芽吹き始めています。

早く事態が収束し、みなさんに知床国立公園に安心して訪れていただける日が来ることを願ってやみません。

これからは家にいても知床国立公園を少しでも楽しんでいただけるように、できる限り自然情報をアップしていけたらと思っておりますので、よろしくお願いいたます。

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2020年04月09日動き出す生命

知床国立公園 ウトロ 白石海弥

こんにちは。ウトロ事務所の白石です。4月に入り気温が2桁になる日が徐々に出てきたウトロ。それでもまだ寒いからと布団で怠けている人間界をよそ目に、自然界は着実に春を迎えています。

一面を覆いつくしていた流氷はわずかに残るばかり、海明けです。

氷で埋め尽くされていた港が明け、漁船も着水です。上架(船舶を海から引き上げること)している間に漁師さんたちはせっせと漁船のメンテナンスを行います。

いち早く春を報せるのがアキタブキ(フキノトウ)。根雪が無くなった地面からさっそく顔を出していました。

若いフキノトウは天ぷらにすると美味しいです。もう少ししたらギョウジャニンニクが生えてくるので、こちらはしょう油漬けにしてご飯のおともにしましょうね。きざんで餃子もアリです。

話が逸れましたが、これからエゾノリュウキンカや、フクジュソウといった春の花もほころび始めます。

※ 国立公園の中では、植物の採取が禁止されている場所があります。ご注意ください

動物たちも繁殖・出産シーズンに突入です。

こちらは北海道のみに生息するエゾモモンガ。冬の間はトドマツやカラマツ、シラカバなどの冬芽を食べて栄養を蓄え、2月下旬~3月下旬に交尾し、4月中旬ごろからベイビーが産まれます。

 

       毛づくろい途中                冬芽を食べるエゾモモンガ

オオワシの大半は北へ帰っていきました。知床に残るのは少数のオジロワシだけ。残ったオジロワシは同じ巣を使い繁殖するため、巣を補強しつつ抱卵期を迎えます。ピリピリしている彼らを刺激しないよう、観察する際は双眼鏡等を使い離れた場所から観ましょう。

沖に消えていく流氷とオジロワシ。北へ帰るのか残るのか。

キタキツネはまだ換毛期を迎えていないようです。

夏になると冬毛が抜けかなりみすぼらしい恰好になりますが、痩せ細っているわけではありません。可哀想だからと誤解し、餌をやることは絶対にしないでください。野生動物において人間の食べ物は栄養過多であり、消化できずにその身を弱らせることもありますし、餌を求めたが故に交通事故で命を落とすこともあります。

ヒグマもどうやら冬眠から覚めた様子。まだ私は見ていませんが、足跡がちらほらと発見されています。こちらもお腹が空いてピリピリしているため、見つけても決して車から降りないでくださいね。

流氷が溶けたことを皮切りに動き出す知床。春はもうすぐそこです。

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2020年03月03日流氷、やってきました!

知床国立公園 ウトロ 小泉尚也

こんにちは。ウトロ自然保護官事務所の小泉です。

やっとウトロに冬の風物詩の流氷がやってきました!例年流氷は1月の下旬に来ますが、今年は210日に接岸しました。私は初めて流氷を見たのですが、上から見ると圧巻です。流氷が来るまでは波打っていた海も波一つ立たず、大海原は雪原になり、静寂に包まれています。

(プユニ岬からの流氷)

さてそんな知床では、流氷を楽しむことのできるアクティビティーがあります!

様々なアクティビティーの一例では、流氷の上で歩いたり、流氷の隙間から海に入ることができる『流氷ウォーク』があります。

安全管理に配慮し、ガイドさん同行のもと水が入ってこないドライスーツを着て、流氷の上を散策できるのです!

運が良ければ、流氷の妖精クリオネに出会える可能性もあるのだとか、、、

これは知床でしかできない流氷アクティビティーなのではないでしょうか?

(流氷ウォークを楽しむ人たち)

※流氷は風により沖に流されることがありますので、適した装備・ガイドさんの同行なしに流氷の上に乗るのは大変危険です。絶対にやめましょう。

流氷の到来を待ちわびていたのは私たち人間だけではありません。野生動物も待ちわびていたようで、私たちが行っている海ワシ調査では、流氷が到来して以降、海ワシの飛来数が多くなり、カウント数も226日の調査では140羽になりました。

(流氷上にとまるオオワシ)

流氷がやってくると氷同士がぶつかり、魚が動きづらくなり、エサが採りやすくなります。そのため木の上にとまっている海ワシは少なくなり、ほとんどが流氷の上に降りています。


流氷は溶けるときにも恵みをもたしてくれます。流氷はロシアのサハリン北東部からシベリアの冷たい季節風に当たることによって徐々に大きくなり、北海道のオホーツク海までやってきます。その流氷が運んでくる植物プランクトンによって、知床の海が豊かになるのです。やはり流氷は知床の生態系にとって欠かせない存在のようです。

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2020年02月10日鳥好きの祭典

知床国立公園 ウトロ 白石海弥

こんにちは。今回は根室市で開かれた「ねむろバードランドフェスティバル(以下ねむろBLF)」に知床ウトロ海域環境保全協議会の活動として出展してきましたのでご報告します。

根室は「野鳥の宝庫」とも言われ、日本を代表するバードウォッチングフィールドの一つ。イスカやコミミズクなどちょっと珍しい鳥が根室では見られることがあります。

そんな根室で13回目を迎えるねむろBLF、会場はメイン会場と道の駅に分かれており、今回私たちはメイン会場での出展でした。今年のねむろBLFのイチオシはコクガン。私のイチオシはアオバト。

 

知床ウトロ海域環境保全協議会では主にケイマフリについて普及啓発活動をしており、今回の出展でもばっちりアピールをしてきました。手ぬぐいを買って頂いた皆さまありがとうございました。売り上げは海鳥の保全活動に役立てられます。

会場では美麗な写真やイラストコンテスト、コクガンについての講演会や野鳥トークが開かれ終始鳥づくしでした。

鳥図鑑の絵を多数書いている谷口高司氏による「タマゴ式鳥絵塾」に参加しましたが驚きました。

まともに絵を描けない私が鳥の形をしたルリビタキを描けたんです!!

自分でもびっくりしました。誰が描いても描けるというのはすごいことです。

イベント中は多数のバードウォッチングツアーが組まれており多くの参加者がいたようです(参加したかった)

鳥まみれの3日間はあっという間に終わり。皆さまお疲れ様でした!

知床世界遺産センターでも鳥の特別展を開催しております。この時期多くやってくる海ワシの展示です。(海ワシとは海岸や水辺に生息し魚を主食とするワシの総称です)

毎年行っているモニタリング調査の速報や、特徴の違い、実寸大のシルエットなどワシだらけの展示をしております。

 

この冬知床に来られる方はぜひ遺産センターに足を運び、ワシについて学んでみてはいかがでしょうか?

スタッフ一同お待ちしております!

オマケ

私のイチオシの鳥、アオバト。新緑のような美しい緑の体と歌うような鳴き声が特徴です。良いですよ、アオバト。

なぜ、緑なのに青なのか。それは名づけられた当時、「緑」という言葉が日本にはなかったため、広い範囲の色を指していた「青」が付けられたからだそうです。信号の色が緑なのに「青信号」といっているのもこれにちなんでいたりします。良いですよ、アオバト。

学名はTreron sieboldii。あのシーボルトの名前が付けられています。博物学者として日本の生き物に関する資料を数多く残した彼に敬意を表して献名されました。他にもオニヤンマやサクラソウなど彼の名前が付いている生物は多いです。

余談がすぎました、ではまた!

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2019年11月18日海ワシ類の越冬調査が始まりました!

知床国立公園 白石海弥

10月下旬から一層冷え込み、木枯らしが吹いているウトロ。

初雪も降り、羅臼への横断道路も通行止め、いよいよ長い冬がはじまりました。

そんな冬と一緒にやってくるのがオオワシ・オジロワシたち。彼らは越冬のためロシアから渡ってきます。

11月からウトロと羅臼、知床国立公園にある二つの自然保護官事務所で毎週、ワシ類のカウント調査を行っています。

この調査は知床半島において、傷病などによる個体の早期発見や、長期にわたり分布情報を蓄積し、渡来数や性年齢の変動から環境変化を把握するために行われています。

また、知床世界自然遺産のモニタリング項目にもなっている大切な調査の一つです。

調査に必要な持ち物はこちら☟

 

       記録表               双眼鏡と望遠鏡(フィールドスコープ)

    鳥インフルエンザ対策キット

あと大事なのは暖かい服装と見つけるぞというやる気と根気。

調査は2人以上一組になり、ラインセンサス(直接観察)法でカウントしていきます。

 

進行方向に対して右側と左側、それぞれ担当を決めて、飛んでいるもしくは木にとまっているオオワシ・オジロワシを探していきます。

   

見通しの良い場所や特にワシ類が集まりやすい場所では、車を停めて一定時間、双眼鏡で探します。本日の気温は4度。冷たい風と「何をやっているんだこの人たちは...」というドライバーの冷たい視線に耐え、ただひたすらに探します。

見つけたら、先ずはオオワシかオジロワシか、成鳥か幼鳥かを識別します。成鳥は羽根の色や体型により、すぐにオオワシとオジロワシの見分けがつきますが、幼鳥は見慣れていないとなかなか分かりづらいです。

識別したら次は記録を行います。飛んでいたらその飛行ルートを、エサを食べていたらそのエサが何かも記録していきます。

今回の調査で確認できたのは、オオワシ10羽、オジロワシ7羽の計17羽。

オオワシ・オジロワシが本格的にやってくるのはもう少し先。1月になって流氷が来ればもっとたくさんのワシたちを確認できます。毎年のことではありますがやはりワクワクしますね!

夏とは全く違う顔を見せてくれる冬の知床。楽しみです。

いた!どこだ!!?

ここだ!!!

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2019年10月31日ルシャ地区海岸清掃

知床国立公園 ウトロ 小泉尚也

こんにちは!知床国立公園ウトロ自然保護官事務所の小泉です。

先日、ルシャ地区の海岸清掃に参加してきました。今回の清掃作業は、企業協賛で行われ、町役場職員、北海道庁職員、環境省職員、協賛企業職員の他、地元漁業共同組合の皆さんも合わせて37名での作業となりました。

集合写真

海洋ゴミにはペットボトルや空き缶、空き瓶などの一般ゴミがたくさんありますが、

今回は普段回収することができない網や浮き玉、カゴなどといった比較的大きめの漂着ゴミを拾いました。(毎年拾っている一般ゴミは別日に回収しました。)

手で持てる程度の大きさでしたが、流木に絡んだ網や、半ば以上地面に埋まった縄など、かなりの重労働になりました。

浮き球 漁具

作業から小一時間、数十メートルの距離でこれだけの漁具が集まりました。4tトラックが一杯です。

たくさんの漁具 トラック一杯のゴミ

トラックが一杯になってしまったため、これ以上の漁具回収はできませんでしたが、あたりはまだ漁具がたくさん残っている状況です。ルシャ地区の海洋ゴミをなくすためには継続したゴミ拾い活動が必要です。

海岸のゴミ

現在、世界中で海洋ゴミが問題視されており、知床の海岸線でも同様の問題が起っています。

世界自然遺産に登録され、貴重な自然環境を形成している知床でもこのような問題を抱えているのは、非常に悲しい現実です。

皆さんに知床でもこのような問題が起きているということが伝わり、少しでも海洋ゴミ問題に関心を持っていただけたら幸いです。

海洋ゴミをなくすためには、ゴミを出さない、ポイ捨てしないことが大事です。

終了集合写真

参加された皆様、お疲れ様でした!

環境省ではプラスチックゴミ削減のため「プラスチックスマート」〈http://plastics-smart.env.go.jp/〉キャンペーンを実施しています。

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2019年09月13日アメリカオニアザミ駆除作業を行いました

知床国立公園 白石海弥

こんにちは。秋の匂いがし始めると同時にサケマスが美味しい時期になったウトロです。

さて、今回はちょっと(いやかなり)遅いアメリカオニアザミの駆除作業報告です。

場所はフレペの滝遊歩道。夏の巡視の時は「今年はほとんどないなぁ、よかったよかった」なんて呑気なことを考えていましたが、8月末日、キオンやハンゴンソウに隠れるようにスッと立つ背丈ほどのオニアザミを発見。

油断しました。

急遽、行政機関や関係者の皆さんに声をかけ遅めの駆除作業に入りました。

本来は花を咲かせる前の6月に行うのがベストなのですが、今は9月。綿毛になってしまっているものもあります。

綿毛が飛んでしまうと種を拡散させてしまうため、先に綿毛部分を切り落とし、飛び散らないよう回収してから茎・根の駆除を行います。こういった手間・リスクがあるのでまだ花を付けない6月に行うのが良いのです。

そもそもアメリカオニアザミとは。

 

キク科アザミ属の道端や田んぼの周辺でよく見られる花です。

原産地はヨーロッパで、トゲトゲしい見た目が特徴の外来植物。

環境省・農林水産省による「生態系被害防止外来種リスト2018」に掲載されていて、国内の様々なところで駆除の取り組みが行われています。

北海道では1960年代に確認され、北アメリカからの輸入穀物や牧草に混じり入ってきたと考えられています。

2年目に花を咲かせタンポポのように綿毛に乗せて種子を飛ばす2年草という分類になり、生えたての頃はロゼット葉(※)です。

※「ロゼット葉」・・・地表に葉を平らにならべた植物の状態を表す言葉。

大きな特徴である鋭いトゲ、一見あまり痛くなさそうに見えますが薄い皮手袋ぐらいならいとも簡単に突き破ってきます。今回はゴム手袋in皮手袋で勝負です。

道端沿いには数本しかありませんでしたが、普段足を踏み入れない草原部にはこんもりありました。

駆除した背丈ほどあるアメリカオニアザミ。綿毛が怖いので先に花の部分を切り落とします。

今回特に多かったのはウトロ灯台へ続く道です。この道も普段は誰も歩かない場所。咲いているかもなと思いながら立ち入ると山ほどのロゼット葉が!!

      山ほどのロゼット葉       鍬やツルハシを駆使して根を残さないよう慎重に駆除します。

ロゼット葉だけでもかなりの量に。

花をつける前に多く駆除出来てホッとしました。

今回は土嚢袋20袋分のアメリカオニアザミを駆除できました。皆さまありがとうございました!

ここからは余談ですが・・・

スコットランドの国花は「アザミ」。敵から国を守ったとされ、王家の紋章にもなっています。

一説によりますが、夜闇に紛れて攻撃しようと裸足で身を潜めていた敵国兵士がアザミのトゲを踏み、その痛さから思わず声をあげたことによって、スコットランドの人々が攻撃を察知できたのだとか。

その言い伝えからスコットランドでは国の守護者としてアザミを称えています。

世界にアザミ属は250種類以上。どのアザミがスコットランドを守ったのかは誰もわかりませんが、アメリカオニアザミもそうかもしれないと考えるとただ嫌ってしまうのももったいないなと思うのでした。

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2019年09月04日どうか気を付けて

知床国立公園 ウトロ 白石海弥

先日、こんな連絡が入りました。

「シマフクロウの死体が運ばれたので回収をお願いします」

またか、、、と悲しい気持ちを抱えながら電話を受けました。

シマフクロウは、絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律にて国内希少野生動植物種に指定されていることに加え、環境省レッドリストにて絶滅危惧種ⅠA類(ごく近い将来における野生での絶滅の危険性が極めて高いもの)に分類されています。現在確認されているのはわずか165羽。その少なさから環境省では保護増殖事業という取り組みを行い保護を図っています。

この保護増殖事業とは、自然状態で安定的に存続できるような状態を目指し、給餌や巣箱の設置、標識調査等により個体数を増やそうという取り組みです。

翼を失ってしまった等の理由で野生復帰が難しい個体に関しても、動物園での飼育下繁殖に協力してもらったりと、様々な努力をしている矢先の悲しい連絡でした。

一時保管して頂いていた施設に到着し、死亡個体を見ればまだ若そう。脚も両翼もきれいで一見、あまり怪我をしているような印象は受けませんでしたが、その個体は息絶えていました。

 

左翼                   右翼

尾羽

頭部を見ると出血の跡、交通事故によるものだと推測できました。

後にわかりましたが、今年生まれたばかりの幼鳥でした。

毎年のように起こる野生動物との交通事故。彼らはいつどこから飛び出してくるか分からず、気を付けてほしいと言われたところで気を付けようがないかもしれません。ですが、車のスピードを出し過ぎない等、運転には気を付けてほしいです。道東の道は広く、車も少ないためか、もの凄いスピードで走っている車をよく見かけます。道東は北海道内でもシカなどの飛び出しが多い地域。

どうかそのことを念頭に置いて運転してください。

国交省ではヒヤリハットマップというものを作成し、動物の飛び出しが多い地域などを掲載しています。

犠牲になる野生動物をこれ以上増やさないために、是非、ご参考ください。

https://www.hkd.mlit.go.jp/ks/douro_keikaku/qgmend0000000420.html

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2019年08月23日2泊3日南岳登山道整備作業

知床国立公園 ウトロ 小泉尚也

 はじめまして。6月からウトロ自然保護官事務所に着任致しました、小泉尚也と申します。

 サケ・マスが大好きで、秋に一生懸命遡上する姿が今から楽しみで仕方ありません。知床のウトロ側の自然を皆様に発信できるよう努めていきたいと思います。よろしくお願い致します。

 さて、去る728日から30日の間、23日の行程で南岳の登山道整備を行いました。南岳とは知床連山にある標高1,459mの山になります。私はほとんど登山経験がありません。そこへキャンプ泊を伴う登山ですので、右も左もわからぬままのスタートでした。

 今回の作業は、登山道を歩く妨げになるようなハイマツの枝やササなどを刈り払い、安全を確保するためのもので、地元の山岳ガイドの方を始め、林野庁職員、環境省職員が作業にあたりました。

 登山道幅は限りがあり、荷物を背負ったままでの作業ということもあって、数メートル進むのも一苦労でした。

南岳のコル手前

南岳から風衝地地点

 しっかり足下が見え、ザックへの引っかかりが気にならなくなる程度まで整備することが出来ました。

上から見てもくっきりと登山道が見えます。関係者の皆様、本当にお疲れ様でした。

 今回の作業中に見つけた山の植物のたちです。

 登山道沿いにたくさん見られたので、登山道から足を踏み外さないように気をつけて歩きました。

とてもきれいに咲いていていました。

 他にも、山で気をつけてほしいことがあります。

 ヒグマです。

 最近、北海道でヒグマ目撃のニュースをよく耳にしますが、知床連山でも多くの目撃情報があります。

ヒグマも人間と同じように歩きやすい登山道を利用しているようです。

 登山道では視界が悪いところもあるので、ヒグマとばったり出会わないように、クマ鈴や声を出して歩くなど事前に自分の存在を知らせてあげることが重要です。

                    

 ハードな巡視でしたが、疲労よりもここまで登ったという達成感の方が上回り、山の魅力にはまりつつあります。私はまだ羅臼岳・硫黄山ともに頂上を踏んでいないので、いつ踏みに行くか模索しております。

 是非皆さんも知床の山に挑戦してみてはいかがでしょうか?

尾根に立ち喜ぶ小泉です。

それではまた!

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2019年04月19日知床五湖開園します!

知床国立公園 白石海弥

こんにちは。ようやく春の香りがし始め、シカより早くギョウジャニンニクを手に入れんと意気込んでいる白石です。山菜はシカとの競争です。去年は敗北したので今年こそは...!

さて、4/20に開園予定の知床五湖では着々と開園の準備が進められています。

駐車場や施設周りの除雪も大方終わり、あとは細かい作業だけという時に雪が降りました。

こちら4月16日現在の高架木道です。10㎝ほどでしたが積雪しました。翌日気温が上がってくれたので溶けましたが、まさかまだ雪が降るとは...。4月、5月に知床五湖を訪れる予定の方は長靴と防寒着を忘れずに持ってきてくださいね。

自然公園財団スタッフと協力して遊歩道上にロープを張り、看板のブルーシートを剥がしお披露目です。無事冬を越せたみたいですね。良かった。

そして、毎年恒例小ループの除雪作業です。こちらは毎年すべて手作業で雪かきをしていて、関係機関とガイドさんがボランティアで行っているものです。今年は総勢30名ほどが参加しました。

4/18現在の積雪状況です。深いところで80㎝ほどありました。道産子魂が燃えます。

 

ザックザック掘っていって30分でこの通り。人数が多いのであっという間ですね。

木道の両サイドはくぼみになっており、踏み抜くのでご注意ください。

4月20日11:00 いよいよ知床五湖開園です!一般の方は高架木道と小ループのみ利用可能です。大ループは雪が解けるまでもう少しお待ちくださいね。

ヒグマも冬眠から目覚め活動を始めているので、知床に来る方はクマ鈴などを携帯して遭遇しないように注意し、見かけても決して近づいたり車から降りないようにしてください。

自然いっぱいの知床をぜひ満喫していってください!

雪化粧した知床連山 美しいです

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