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釧路自然環境事務所

報道発表資料

2020年05月01日
  • 結果報告

令和元年度(2019年度)国内希少野生動植物種シマフクロウ、タンチョウ、オジロワシ及びオオワシの傷病個体収容結果について

 環境省では、絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律で国内希少野生動植物種に指定されているシマフクロウ、タンチョウ、オジロワシ及びオオワシの保全に資するため、傷病個体(死体を含む)が発見された際には収容し、現場状況や収容個体を調査し原因の解明に努めています。このたび、令和元年度(2019年度)までの収容結果について、とりまとめましたので、お知らせします。

1.令和元年度(2019年度)の収容結果について

 令和元年度は、シマフクロウ、タンチョウ、オジロワシ及びオオワシ4種で合計117羽の傷病個体(死体を含む)を収容し、昨年度の97羽に比べて20羽増加しました。最も多い収容原因は交通事故となりました。

 種別の収容状況は以下のとおりです。

■シマフクロウ(別紙1)

 収容数は、昨年度比2羽増の9羽でした。収容原因としては、昨年に続き「交通事故」が最も多く、3件ありました。シマフクロウの生息個体数は回復傾向にありますが、依然として確認個体数は約165羽と極めて少ないことから、今後も保全を図ることが必要です。

■タンチョウ(別紙2)

 収容数は、平成12年度以降最多の53羽でした。収容原因としては、「交通事故」が15件と最も多く、次に「電線衝突」が11件、「スラリー等への落下」が9件となりました。

■オジロワシ(別紙3)

 収容数は、昨年度比5羽増の30羽でした。収容原因として多いものは、「風車衝突」が8件、「交通事故」が6件、「列車事故」が5件でした。また、「鉛中毒」及び「鉛暴露」を合わせて3件確認しました。北海道では、鉛弾の使用に加え、所持についても平成26年10月1日から禁止されております。令和2年においても鉛中毒等が発生しておりますので今後も注視していく必要があります。

■オオワシ(別紙4)

 収容数は、昨年度比7羽減の25羽でした。収容原因としては、「列車事故」が3年連続で最も多く、また、平成12年度以降の「列車事故」の収容件数の中でも過去最多の12件となりました。その他の特定できる原因としては、「交通事故」、「感電事故」がそれぞれ1件でした。

※収容結果は令和2年3月31日時点までの状況を取りまとめたものであり、今後、剖検の実施等により収容原因別の件数は変わる場合があります。

2.傷病収容個体を一羽でも減らしていくためのお願い

 希少種の傷病収容の原因の多くは、人為的な要因によるものです。特に収容原因として大きな割合を占める「交通事故」は、適正な速度に落とし安全運転を心がけて頂くことで、交通事故回避の可能性が高まります。また、「風車・列車・電線衝突」等の事業活動に伴う事故等が発生した際には、早期の個体回収や環境省への通報を行っていただくことで、原因の特定につながり、対策を検討していくうえで有効です。

 これらのことが、希少種の保全につながりますので、皆様のご理解とご協力をよろしくお願い致します。

添付資料

■ 問い合わせ先
環境省 北海道地方環境事務所
所長: 三村 起一
統括自然保護企画官: 大林 圭司
野生生物課係員: 仲原 沙希

環境省 釧路自然環境事務所
所長: 田邉 仁
野生生物企画官: 七目木 修一(しちめき しゅういち)
野生生物課係員: 内野 祐弥(担当)
電話(0154)32-7500 FAX(0154)32-7575