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釧路自然環境事務所

報道発表資料

2022年03月18日
  • その他

阿寒摩周国立公園(阿寒湖温泉)のゼロカーボンパークの登録について

 環境省では、国立公園の脱炭素化に向けて、令和3年3月から、「ゼロカーボンパーク」の取組を進めています。 この度、阿寒摩周国立公園内、北海道釧路市に位置する阿寒湖温泉が全国で4番目(新潟県妙高市と同時)のゼロカーボンパークに登録されましたので、お知らせします。 阿寒湖温泉では、ゼロカーボンパークとして、自然環境に配慮した脱炭素の取組、エリア全体の脱炭素化を進める取組、サステナブルな観光地づくり、国立公園利用者への普及啓発などに取り組んでいくこととしています。  釧路自然環境事務所では、これらのゼロカーボンパークの取組を支援してまいります。

1.概要

阿寒湖温泉は、阿寒摩周国立公園内の北海道釧路市の北側に位置し、火山活動により形成されたカルデラ湖である阿寒湖の湖畔に発展した、ひがし北海道を代表する温泉観光地です。湖の周囲には原生的な森林が保全されており、湖には世界で唯一の大型球状マリモの群生地があるなど、豊かな自然環境に囲まれています。釧路市は、令和3年2月にゼロカーボンシティを宣言し、脱炭素化やプラスチックゴミの削減に積極的に取り組んでいるところです。

釧路市からの申し出により、令和4年3月18日付けで阿寒摩周国立公園内の阿寒湖温泉を全国で4番目となるゼロカーボンパークとして登録しました。

2.阿寒摩周国立公園(阿寒湖温泉)ゼロカーボンパークの取組の概要

(1) トレイルネットワーク及びゼロカーボン観光の推進

・阿寒摩周国立公園では国立公園満喫プロジェクトの取組として、ひがし北海道3空港を結ぶ「阿寒摩周国立公園トレイルネットワーク」の構築を推進。

・阿寒湖温泉で導入したE-bikeの活用も含め、ゼロカーボンの移動手段によるトレイル活用を推進

・宿泊施設の業務用車両、公用車のEV化、グリーンスローモビリティー導入の検討、公共交通機関への脱炭素化の働きかけなど、域内の交通手段の脱炭素化を図る

(2) 温泉熱利用設備の導入による省エネ推進

・阿寒湖温泉では、宿泊施設及び釧路市の公共施設において、従来から温泉熱を利用した熱交換システムを導入しており、引き続き暖房設備の省エネ化を図っていく。

・今後も施設の改修等にあわせて温泉熱利用設備を積極的に導入。

・令和4年度から整備する「(仮称)阿寒アイヌクラフトセンター」においても、温泉熱利用の導入を予定。

(3) 地元のおいしい水のPRによるペットボトルごみ削減

・阿寒山系のおいしい水道水である「くしろ阿寒百年水」のPRとあわせ、マイボトルの利用のよる、ペットボトルごみの削減を推進。

・地域内の観光施設、公共施設等に「くしろ阿寒百年水」の給水スポットの設置を進める。

(4) 民間事業者と連携した普及啓発

・脱炭素化、プラスチックゴミ削減の取組について、地域内だけでなく地域外の民間事業者とも連携し、セミナーやイベントの開催等による普及啓発を推進。

・アウトドア企業と連携し、阿寒湖温泉でアウトドアウェア等を回収し、新たな製品の原料へのリサイクルを推進するとともに、活動を積極的に発信。

(参考)

○ゼロカーボンパークとは

ゼロカーボンパークとは、国立公園における電気自動車等の活用、国立公園に立地する利用施設における再生可能エネルギーの活用、地産地消等の取組を進めることで、国立公園の脱炭素化を目指すとともに、脱プラスチックも含めてサステナブルな観光地づくりを実現していくエリアです。

国立公園をカーボンニュートラルのショーケースとし、訪れる国内外の人たち脱炭素型の持続可能なライフスタイルを体験していただく場作りを目指しています。令和3年3月に中部山岳国立公園の乗鞍高原エリア(長野県松本市)、6月には伊勢志摩国立公園の志摩市、9月には日光国立公園の塩原温泉・板室温泉地区(栃木県那須塩原市)ゼロカーボンパークとして登録されています。

環境省HP:https://www.env.go.jp/nature/post_134.html

○支援の枠組み

環境省では、ゼロカーボンパークの実現に向けて、ゼロカーボンシティ支援に活用しているエネルギー対策特別会計予算及び自然公園等整備費等の既存予算をパッケージとして支援する他、釧路自然環境事務所が釧路市と連携をとりながら伴走支援を行うこととしています。

添付資料

■ 問い合わせ先
環境省北海道地方環境事務所釧路自然環境事務所
阿寒摩周国立公園管理事務所長:笹渕紘平
電話番号:015-483-2335