報道発表資料
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(お知らせ)釧路湿原国立公園釧路湿原生態系維持回復事業実施計画(第2期)の策定について
環境省では、エゾシカによる影響を低減することを通じて、釧路湿原国立公園における生態系の維持・回復を図ることを目標とする「釧路湿原国立公園釧路湿原生態系維持回復事業」を実施しています。今般、同事業の実施計画として「釧路湿原国立公園釧路湿原生態系維持回復事業実施計画(第2期)」(以下「第2期実施計画」という。)を新たに策定しましたので、お知らせします。
1.経緯
環境省では、エゾシカによる影響を低減することを通じて、釧路湿原国立公園における生態系の維持・回復を図ることを目標として、自然公園法に基づく「釧路湿原国立公園釧路湿原生態系維持回復事業計画」を2016年4月に策定しました。
その後、2018年4月に同事業計画に基づく第1期実施計画(2018年4月~2022年3月)を策定し、エゾシカの個体数調整や植生保護柵の設置、各種調査等の対策を実施してきました。
今般、第1期実施計画の計画期間が終了となることから、これまで実施してきた対策やモニタリング結果等を踏まえ、第2期実施計画となる「釧路湿原国立公園釧路湿原生態系維持回復事業実施計画(第2期)(2022年4月~2027年3月)を新たに策定しました。
2.第2期実施計画の概要
(1)目的
釧路湿原国立公園生態系維持回復事業計画の目標として掲げた「エゾシカによる影響を低減することを通じて、釧路湿原国立公園における生態系の維持又は回復を図る」という目標の達成に向けて、個体数調整を始めとしたエゾシカの管理、高層湿原等の脆弱な植生の保全等の対策を進めるとともに、これら対策の評価に係るモニタリング、広域的な植生への影響把握手法の検討等を適切に実施する。
(2)計画期間
2022年4月1日~2027年3月31日
(3)計画対象地域
釧路湿原国立公園全域及びその隣接地域
(4)第2期実施計画の主なポイント
①計画対象地域を地区区分し、各地区の状況に応じた対策方針を設定
計画対象地域を3つに区分した上で、エゾシカの行動圏・季節移動、各地区の地域特性等に応じた対策方針を次のとおり設定し、エゾシカの管理や高層湿原等の脆弱な植生の保全など、各地区の状況に応じた対策を進める。
<地区区分図>
■A地区(赤沼、右岸堤防、大島川、北斗遺跡等を含む地区)
・重点的にエゾシカの個体数調整及び植生保護柵の設置等の対策を実施。
(エゾシカの増加を抑制するため、捕獲目標頭数は年間140頭を目安として設定)
・赤沼の高層湿原のうち、緊急的な保護が必要とされた場所で植生保護柵を設置。
■B地区(宮島岬及びキラコラン岬から細岡にかけての湿原核心部)
・植生の保護対策を優先的に実施。
・捕獲が困難な地域であるが、保全対象である高層湿原への加害個体に関する情報収集及び
捕獲手法について検討。
■C地区(釧路川から北側及び東側の茅沼、コッタロ、塘路、達古武等を含む地区)
・達古武及びコッタロにおいて、森林や高層湿原への被害防止のための捕獲を検討・実施。
・関係行政機関と連携し、エゾシカの季節移動の経路上における捕獲を促進。
・エゾシカによる植生への影響を注視し、重大な影響が確認された場合は速やかに対策を検討。
②モニタリングに基づき、事業の検証・評価を実施
計画対象地域におけるエゾシカ対策を適正に推進するため、「エゾシカの生息状況」及び「植生」に関するモニタリング調査を計画的、継続的に実施する。また、「エゾシカの生息状況」「植生への影響」「対策効果等」の3つの観点から、指標に基づく評価を実施。
添付資料
- ■ 問い合わせ先
- 環境省 釧路自然環境事務所
国立公園課(伊藤・川村)
TEL:0154-32-7500
FAX:0154-32-7575