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北海道地方環境事務所TOPICS>2005年度

【通知】タンチョウ、オジロワシ及びオオワシの死亡個体追加検査の結果

2005.07.22 釧路自然保護官事務所

環境省東北海道地区自然保護事務所
所長:星野 一昭
次長:吉中 厚裕
担当:河合 広次
直通:0154-56-2345

平成14年に死亡したタンチョウが、フェンチオン(以下、「MPP」という。)による急性中毒であったことを受け、環境省東北海道地区自然保護事務所では、タンチョウを含む希少鳥類へのMPPの影響について調査する目的で、冷凍保存されていたタンチョウ6検体、オジロワシ3検体及びオオワシ5検体について、北海道環境科学研究センターの協力の下、MPP検査を実施した。その結果、いずれの個体からもMPPは検出されなかった。

今回の調査では、必ずしも道東地域における野生鳥類の体内に広くMPPが蓄積されているという状況は確認できなかったが、過去にMPPの急性中毒により死亡した個体及び冷凍保存していた個体からMPPが検出されていることから、環境省東北海道地区自然保護事務所では道東地域におけるMPPの使用実態等についても調査を実施しているところである。

1.経緯

北海道網走郡女満別町において、平成14年10月に収容された2羽のタンチョウの死因が、有機リン系殺虫剤の成分であるMPPの経口摂取による急性中毒であったと判断された。
このことを受け、北海道環境科学研究センターの協力の下、釧路市動物園に冷凍保存されていた死因不明を含めたタンチョウの死体5検体についてMPP検査を実施したところ、2体からMPPが検出され、うち1体はMPPの経口摂取による急性中毒死であった可能性が高いと判断された旨、平成17年3月9日に東北海道地区自然保護事務所より発表した。
今回は、さらに釧路市動物園に冷凍保存されていたタンチョウ6検体、環境省釧路湿原野生生物保護センターに冷凍保存されていたオジロワシ3検体及びオオワシ5検体について実施したMPP検査の結果をお知らせする。

2.検査結果

北海道環境科学センターの協力の下、タンチョウ6検体、オジロワシ3検体及びオオワシ5検体についてMPP検査を実施した。その結果、いずれの検体からもMPPは検出されなかった。各検体の収容日、死因等については別表のとおり。

3.今後の対応

本検査結果から、現時点では北海道において必ずしも野生鳥類の体内に広くMPPが蓄積されているという状況は確認できなかったが、過去にMPPによる急性中毒死事例が生じたこと及び収容したタンチョウの死亡個体からMPPが検出されていることから、MPPの使用方法によっては野生鳥類に対して影響を与える可能性は否定できないため、環境省東北海道地区自然保護事務所では道東地域におけるMPPの使用実態等についても調査を実施中である。

別表:検査結果

  種名 年齢 収容年月日 収容場所 剖検所見 検査機関 MPP検出の有無
今回検査 タンチョウ 9歳 2003/3/22 阿寒町 出血性腸炎 北海道環境科学研究センター ×
タンチョウ 成鳥 2003/4/22 標茶町 列車衝突 北海道環境科学研究センター ×
タンチョウ 幼鳥 2003/5/6 音別町 交通事故 北海道環境科学研究センター ×
タンチョウ 成鳥 2004/3/16 池田町 電線衝突(推定) 北海道環境科学研究センター ×
タンチョウ 2歳 2004/6/2 豊頃町 交通事故 北海道環境科学研究センター ×
タンチョウ 4歳 2004/9/24 釧路町 電線衝突 北海道環境科学研究センター ×
オジロワシ 成鳥 2003/2/27 常呂町 感電 北海道環境科学研究センター ×
オジロワシ 亜成鳥 2003/4/27 厚岸町 鉛中毒 北海道環境科学研究センター ×
オジロワシ 亜成鳥 2004/12/10 根室市 風力発電施設衝突 北海道環境科学研究センター ×
オオワシ 幼鳥 2004/12/21 浜頓別町 感電 北海道環境科学研究センター ×
オオワシ 成鳥 2004/12/23 厚岸町 交通事故 北海道環境科学研究センター ×
オオワシ 幼鳥 2004/11/18 常呂町 感電 北海道環境科学研究センター ×
オオワシ 成鳥 2004/12/16 標茶町 感電 北海道環境科学研究センター ×
オオワシ 成鳥 2005/1/24 えりも町 鉛中毒 北海道環境科学研究センター ×
H16年度検査(参考) タンチョウ 成鳥 2001/8/18 鶴居村 循環障害(心不全) 北海道環境科学研究センター
タンチョウ 成鳥 2003/9/14 阿寒町 真菌性肺気のう炎 北海道環境科学研究センター ×
タンチョウ 成鳥 2003/9/18 標茶町 うっ血性心不全(未確定) 北海道環境科学研究センター
タンチョウ 1歳 2003/11/4 豊頃町 骨折、臓器損傷 北海道環境科学研究センター ×
タンチョウ 成鳥 2004/1/31 音別町 胸部打撲、肝臓破裂 北海道環境科学研究センター ×
H15年度検査(参考) タンチョウ 成鳥 2002/10/8 女満別町 臓器うっ血、膵臓融解 十二指腸弛緩 北海道環境科学研究センター
タンチョウ 成鳥 2002/10/8 女満別町 臓器うっ血、膵臓融解 十二指腸弛緩 北海道環境科学研究センター

※検査試料には胸筋を用いた。