北海道地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。
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アクティブ・レンジャーとは、自然保護官の補佐役として、国立公園等のパトロール、調査、利用者指導、自然解説などの業務を担う環境省の職員です。管内には、利尻礼文サロベツ、知床、阿寒摩周、釧路湿原、大雪山、支笏洞爺国立公園があります。
中島では、エゾシカの食害による植生の変化に加え、ここ数年、アメリカオニアザミが急激に繁殖。非常に強力な繁殖力を持つため、在来植物を駆逐してしまうおそれがある。
札幌ほかから一般公募のボランティア9名も参加し、総勢17名での作業。業務委託したNPO法人アースウィンドより、アメリカオニアザミについてのレクチャーを受け、作業にかかる。
30m×45mを1区画とし、それを2区画設置。一方は草刈り鎌による刈り取り、もう一方は根こそぎ引き抜き、今後の繁殖状況を比較する作戦。
ほとんどの方が初めての参加。二重にした厚手の革手袋を貫いてくるアメリカオニアザミの手強さに、引き抜きエリアのあちこちから「アイタ!」「痛っ!」という悲鳴が…。それでもボランティアの皆さんの頑張りで、麻袋約30袋分を引っこ抜いた。
それにしても、既に大平原のあちこちに広がっている繁殖力と、その棘の強力なこと…。家に帰ってからも体中チクチクする感触が。 ミミズやオケラはたくさん見かけたし、アメリカオニアザミも確かに生きてはいるけれど、さすがに「友達」とは思えませんでした…。
8月にも、今年度2回目の調査駆除を予定しています。皆さん、ご協力をお願い致します!
※洞爺湖中島のアメリカオニアザミの防除にあたっては、各方面から土壌流出につながらないよう細心の注意を払うべきというご意見をいただきました。今回の防除作業にあたっては、いただきました意見を踏まえ、湖岸から離れた島の中央部に調査区を設定するとともに、アメリカオニアザミ以外の植生もあり防除=裸地化とならないよう、土壌流出の恐れはないことを確認た上で作業を行いました。貴重な意見をいただきました皆様にはこの場を借りてお礼申し上げます。(野生生物課担当)
洞爺湖真ん中に浮かぶ中島の、さらに中腹に広がる「大平原」
アメリカオニアザミ。茎や葉に強力な棘が。
根こそぎ引き抜く。