ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

北海道地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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2009年8月 7日

2件の記事があります。

2009年08月07日夏の羊蹄山

支笏洞爺国立公園 洞爺湖 浅田 唯衣

 7月は天候不順で、昨年よりも低温が続き洞爺湖からの羊蹄山はなかなか顔を出してくれませんでした。そんな中、7月20日の1日はすっきり晴れて巡視日和となりました。
 羊蹄山は4コースありますが、多くの方が利用されているのは、真狩コースと倶知安(比羅夫)コースです。今回の巡視は、京極口から倶知安口へ下山するコースで、登山者カウンター、登山道、避難小屋などの状況確認をしました。京極コースは喜茂別コースと並んで利用は他と比べ少なく、夏でも外輪まで静かな登山が楽しめます。京極コースは山頂まで、4時間半~5時間かかり、途中1600m付近からはガレ場を抜け、足元に咲く花々や雲の合間からのぞく町並みに元気づけられます。




登山者で賑わう羊蹄山山頂。

 この時期目立つのはイワブクロ(岩袋)。うすい紫色で高山のレキ地や岩場に咲き、葉は厚みがあります。そして特徴的なのが花の外側にある産毛みたいな毛。きっと羊蹄山の厳しい天候下にも耐えられるような仕組みになっているのでしょう。しっかりと根を張り、力強さを感じます。




イワブクロと火口。

 他、メアカンキンバイ、コケモモ、ヨツバシオガマ、イワギキョウ、チシマキンレイカ、クルマユリ、ミヤマオダマキなどが見られます。
 
 羊蹄山は往復約8~9時間かかります。トイレは避難小屋にあるのみ。真狩コース8合目と倶知安コースの9合目を結ぶ間にあります。また、水は山中では補給できません。少なくても夏は1.5~2リットルの水を持ち、水分補給と服装での体温調整を行いながら無理のない登山を行ってください。山中ではテントは張ることができません。避難小屋の利用となります。山中泊の場合、避難小屋へは少なくても15時位までには着くようにしましょう。


外輪より洞爺湖や有珠山、昭和新山が望める。

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2009年08月07日山の遠景

大雪山国立公園 上士幌 三浦 武

梅雨がない北海道にようやく梅雨明け(?)が到来したような暑さになりました。山ではこれから熱射病や脱水症に注意を払って登りましょう。
雪渓の崩れにも細心の注意を払ってください。
山の高山花はそろそろ終わりを迎えています。東大雪エリアで見られるのはイワギキョウ、チシマギキョウ、ミヤマリンドウ、イワブクロなどです。
コケモモやクロウスゴなどの実が見られるようになりました。

最近、動物写真や花の接写ばかりの日記が多くなっていましたのでたまには遠景を紹介することにします。

まずは沼ノ原から見たトムラウシ山です。
鏡面反射は風がないときにそこに居るかどうかです。完全な無風状態ならもっと鏡面に近い風景が撮れたと思います。

8月5日撮影(沼ノ原大沼より)


次はニペソツ山です。
深田百名山(名水百選のように公的な機関の認定ではないので私はこう呼ぶ)に差し替えを本気で考えていたという山です。
その姿を眺めると存在感はありますね。
これはウペペサンケ山から撮影しました。
ウペペサンケ山はニペソツ山に人気の面で大きく水を開けられている山ですが、周辺の山々や湖(糠平湖、然別湖)を眺めることができる点ではなかなか魅力的な山です。

8月6日撮影(ウペペサンケ山より)

天候が良く雲のない日に山を眺めると、登ってみたい衝動に駆られる登山者も多いのではないでしょうか。私もその一人です。
登りたい欲求もまた山の魅力の裏返しではあります。
ですがその欲求が時に山の“魔力”に負けることがあるのもまた事実。
恐ろしいですね。

おまけ画像は6日に撮影したナキウサギ。
余裕があればこそ途中で時間を取って撮影できるわけです。
とはいえ、あまり粘りすぎて下山時間を誤らないようにしましょう。
夏とはいえ6月の夏至からは日没がかなり早まっているのでこれからさらに注意して計画を立てることが必要になってきます。

8月6日撮影(秘技岩化けの術)

※ウペペサンケ山登山道周辺で熊のフンが7カ所確認されております。大きさから子熊と思われますが好奇心旺盛なお年頃であれば人に平気で近づいてくるので十分な警戒をお願いします。

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