北海道地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。
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アクティブ・レンジャーとは、自然保護官の補佐役として、国立公園等のパトロール、調査、利用者指導、自然解説などの業務を担う環境省の職員です。管内には、利尻礼文サロベツ、知床、阿寒摩周、釧路湿原、大雪山、支笏洞爺国立公園があります。
さて、今回は(も?)趣向を変えて登山中ではあまりやらない撮影をしてみました。
石狩連峰を望む(8月26日撮影)
登山をしていると登山道脇に細い沢が流れていることがありますが、通常は上から見るだけのケースがほとんどだと思います。国立公園内は開発が制限されているので沢への土砂の流れ込みも少なく非常に澄んだ水が流れています。登山者として通常気になるのは水場として考えた場合の大腸菌であるとかエキノコックスでしょうか。
今回はその沢の中へカメラを入れてみました。
すると、わずか幅1m程度の沢に魚が群れています。
渓流魚の群れ
背中の虫食い模様の特徴がオショロコマです。
このオショロコマですが、語源はアイヌ語のオソルコマ(ウスルコマという資料もある)。意味は<尻・それによって・泳ぐ(掘る、とも)>。
北海道のサケ科魚類では最も標高の高い場所に生息できます。他のサケ科魚類と違って共食いをしない魚として知られています。縄張り意識が希薄なのか1カ所のポイントにたくさん群れているケースも見られます。落ち葉やそれをエサにする淡水性プランクトン、水生昆虫が豊富だからこその光景です。アメマスや魚食性の高い外来魚に負けずに生存し続けて欲しいものです。
それにしてもなんという透明度でしょう。2日前に大雨だったとは思えません。山の保水力や地質が良い状態なのでしょう。飲みたくなります。
オショロコマ(別名カラフトイワナ)
※水中撮影する場合はあまり粘りすぎないように注意してください。なぜならあまりに水温が低いので手が冷たくなってしもやけになってしまいます。