北海道地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。
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アクティブ・レンジャーとは、自然保護官の補佐役として、国立公園等のパトロール、調査、利用者指導、自然解説などの業務を担う環境省の職員です。管内には、利尻礼文サロベツ、知床、阿寒摩周、釧路湿原、大雪山、支笏洞爺国立公園があります。
冬本番前にスノーモービル乗り入れ規制看板を設置するため鹿追町の北部へ車を走らせていると、規則的な“何か”の跡が。少しだけ降り積もった雪がちょうど良い具合にその形を浮かび上がらせています。はじめは全く気にしていなかったのですが、減速してよく見ると、これはでかいなと。日が昇り融ける前に撮影しておこうと車を降りると、その大きさに結構な恐怖感も湧いてきます。
通常、足の幅が16センチ程度で200kg~280kgの個体と計算できるのですが、見た感じはそれよりも一回り大きい。タイヤ痕が大体18センチですからこの足跡の持ち主はかなりのつわものでしょう。
このとなりにも別の足跡があり、これはテンです。少し斜めに前後2つ並ぶのが特徴です。
予定としては冬本番のネタとしてアニマルトラッキングなど考えていたのですがこうも早く、しかもくっきりと現れているとは思いませんでした。
それにしても、車道の真ん中を堂々と歩いてますねえ。おそらく相当な貫禄なんでしょう。300kgを超えているかもしれません。
足跡の主は100m以上車道を歩いてから5mほどUターンして森の中へ消えています。できればこのまま冬眠して欲しいものです。
最近は暖冬には冬眠せず、真冬でもエサを求めて徘徊するヒグマが確認されています。真冬の厳しさが少しでも和らぐと人間にとっても暮らしやすくて暖房代もかからなくなるのですが、それとこれとは別。やはり冬眠すべき動物は冬眠してくれないと怖いですね。
かくいう私は毎年冬になると、冬眠できたら良いのになあと思いながら過ごしています。枕草子の作者の境地に到達なんぞできなくとも構わぬのでござりまする。