北海道地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。
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アクティブ・レンジャーとは、自然保護官の補佐役として、国立公園等のパトロール、調査、利用者指導、自然解説などの業務を担う環境省の職員です。管内には、利尻礼文サロベツ、知床、阿寒摩周、釧路湿原、大雪山、支笏洞爺国立公園があります。
17日現在の糠平湖の様子です。北側から約半分が結氷し、放射冷却でどんどん広がっているようです。
この湖にはあの有名なタウシュベツ橋梁(国鉄旧士幌線)が沈んでいるのですが、夏から秋にかけては水面の下にあり、冬から湖の水位低下に伴い徐々に姿を現します。現在はほんの少し頭を見せています。結氷した湖面が毎年橋を削っていくので劣化のスピードも速く何もしなければいずれは消えてしまう運命にあります。
タウシュベツ橋梁は糠平湖(ダム)の対岸にあり、糠平湖完成後の士幌線はというと、国道273号線のすぐ脇に線路が変更されているわけです。1987年に士幌線廃止ですからもう20年以上経つのですが、現在は一部区間の線路跡が自然歩道として利用されています。
ルートはぬかびら源泉郷の鉄道資料館から糠平湖北岸のメトセップまでの8.5km。夏期の利用者はそれなりにあるのですが、積雪期はほとんど利用されていません。
しかし、今の時期の自然歩道周辺では盛んに野鳥の活動が活発で、この日はアカゲラが至近距離で樹を突っついていました。冬の静寂のおかげで耳を澄まさずともあちらこちらで野鳥の活動音が聞こえてきます。
スノーシューで冬の自然歩道を散策するのもまた良いではありませんか。おそらく某大型ほ乳類はこの寒さで冬眠に入ったと思われるので(たぶん)安全でしょう。
そして運が良ければ、この猛者にも出会えます。
オジロワシです(絶滅危惧IB類、天然記念物:国・1970)。
まさに飛び立つ瞬間です。
ユーラシア大陸から越冬のため北海道へ飛来するのですが、一部は周年で生息している留鳥も道東などにいます。
なかなか貫禄のある成鳥です。飛び立って悠々と旋回しながら森へ消えていきました。少し、感激。
このような猛禽類が国道付近で見ることができるのも東大雪の魅力ではあります。表大雪に比べ利用者の数は足元にも及びませんが、冬の東大雪もおもしろいですよ。
※くれぐれも車内から目撃した場合にはわき見事故に注意下さい。凍結路面で減速すると大型車両に追突される危険性もありますので。