北海道地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。
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アクティブ・レンジャーとは、自然保護官の補佐役として、国立公園等のパトロール、調査、利用者指導、自然解説などの業務を担う環境省の職員です。管内には、利尻礼文サロベツ、知床、阿寒摩周、釧路湿原、大雪山、支笏洞爺国立公園があります。
この季節、知床の森の中を歩いていると黄色がひときわ鮮やかなキノコを目にします。
タモギタケです。
タモギタケはヒラタケ科のキノコで、7月~8月にかけてニレ類の倒木に生えます。歯ごたえや香りも良く、食用としてもとてもおいしいきのこで、免疫力を強化する成分も含まれているそうです。
※国立公園内での採取はご遠慮ください。
写真はエゾシカが樹皮を食べてしまったハルニレに生えるタモギタケ。最近知床ではエゾシカの食害によって枯れたハルニレが多く、このような光景をよく見かけるようになりました。
よく見ると、タモギタケにはたくさんの虫がついていました。
ハエなどの幼虫もこのキノコが大好きで、表面だけでなく根本まで入り込み、ぼりぼりとキノコを食べています。
タモギタケ
タモギタケと虫(虫の苦手な方、すいません)
そして、タモギタケはヒグマも大好き。木登りをして食べていることもあります。
キノコ自体にはあまり栄養がなく、ヒグマがなぜこのキノコを食べるのかははっきりとわかっていません。免疫力を強化しているのでしょうか?虫の付いたキノコを食べれば、タンパク質もとれて一石二鳥ですね・・・。
人間だけではなく、虫や動物たちも大好きなタモギタケ。もし知床国立公園で見かけたときは、ひとつのキノコから始まる「いきもののつながり」を想像しながらそっと見守ってください。