2011年4月21日
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2011年04月21日その男、空腹につき
知床国立公園 羅臼 後藤 菜生子
おてんとさんの光があったかいなー。
川の音にいきおいがでてきたぞ。山の雪が融けてるな。
ミソサザイも鳴いてるし、フキノトウも顔出してる。
ようやく春が来たか。
腹も減ったし、そろそろ起きるか。
どーも、おはようさん。

いや~、
それにしても腹へったなぁ。
冬の間何も食べてないからなー。
ミズバショウは、ちと早いか。
浜に魚介や海獣の死体が打ち上がってるかもしれない。
冬を越せなかったエゾシカもごちそうなんだが…。
あぁ、腹へったぁ~。

*******************
海岸を巡視中、冬眠明けのヒグマ♂に出会いました。
4ヶ月以上にもおよぶ冬眠を経たヒグマは、さぞ空腹でしょう。
漁具のようなものをひっくり返したり、波打ち際をクンクンしながら
歩いていました。
これからの時期、山では山菜採りのシーズンをむかえます。
雪解けの早い沢筋や日当たりのよい斜面など、
私たち人間にとっても良さそうな山菜採りポイントは、
春、お腹をすかせたヒグマの重要な餌場になることを、
絶対に忘れてはいけません!
出会わないようにすることが一番ですが、
出会ってしまったときはどうすればいいのか、とってはいけない行動は
何かなど、よく確認しておきましょう。
川の音にいきおいがでてきたぞ。山の雪が融けてるな。
ミソサザイも鳴いてるし、フキノトウも顔出してる。
ようやく春が来たか。
腹も減ったし、そろそろ起きるか。
どーも、おはようさん。

いや~、
それにしても腹へったなぁ。
冬の間何も食べてないからなー。
ミズバショウは、ちと早いか。
浜に魚介や海獣の死体が打ち上がってるかもしれない。
冬を越せなかったエゾシカもごちそうなんだが…。
あぁ、腹へったぁ~。

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海岸を巡視中、冬眠明けのヒグマ♂に出会いました。
4ヶ月以上にもおよぶ冬眠を経たヒグマは、さぞ空腹でしょう。
漁具のようなものをひっくり返したり、波打ち際をクンクンしながら
歩いていました。
これからの時期、山では山菜採りのシーズンをむかえます。
雪解けの早い沢筋や日当たりのよい斜面など、
私たち人間にとっても良さそうな山菜採りポイントは、
春、お腹をすかせたヒグマの重要な餌場になることを、
絶対に忘れてはいけません!
出会わないようにすることが一番ですが、
出会ってしまったときはどうすればいいのか、とってはいけない行動は
何かなど、よく確認しておきましょう。
先日、地域の方から「アライグマがいる」との連絡を受け、現地確認をしてきました。そこにいたのはアライグマではなく、小柄で痩せているエゾタヌキでした。エゾタヌキは逃げる気配もなくじっとしていましたが確かに呼吸をしています。狸寝入りでしょうか。タヌキは擬死といって本当に死んだふりをします。全く動かなかったので少し不安になりましたが、翌日朝にはいなくなっていたのできっと大丈夫でしょう。
タヌキとアライグマの違い、皆さんはわかりますか?なかなか見ることのできない野生動物を区別することはなれていない人には難しいかもしれません。英語圏に分布していないタヌキの英語の名前はラクーンドッグ(Raccoon dog)といいます。dogはご存じ犬のことですが、raccoonとはアライグマのことです。特定外来生物に指定されているアライグマは北アメリカ、英語圏の地域原産のいきものです。一方タヌキは日本、中国、ロシアなどアジア原産のいきものです。欧米の人たちもタヌキとアライグマは似ていると感じたようですね。
そんな2種類の動物を最も簡単な見分け方は、尻尾の模様の違いです。エゾタヌキの尻尾は茶色や黒といった体と同じ色をしています。一方アライグマは茶色と黒の縞模様になっています。顔の特徴は、タヌキはヒゲが黒く目立たない耳が丸いのが特徴です。アライグマのヒゲは白くて目立ち、耳には白い縁取りがありタヌキよりも角張っている印象です。
また、アライグマはその特徴から足跡で見分けることもできます。アライグマの足跡は人間の赤ちゃんの手形のような形をしています。ある場所でアライグマの足跡だらけのぬかるみを見つけたことがあるのですが、ぬかるみに残るいくつもの赤ちゃんの手形はホラー映画のワンシーンのようでとにかく気持ち悪かったことを覚えています。いつか日本でこの足跡が見つからない日がくると良いのですが、残念ながらその道のりはまだまだ長いでしょう。
普段見ることのないいきものを違ういきものと勘違いすることはよくあります。ですが、いつの間にかタヌキがいなくなりアライグマだらけになってしまうのは絶対に避けなければなりません。アライグマによって地域の大切ないきものが絶滅してしまう可能性もあります。また、外来生物だけでなく盗掘など、人の手によって貴重ないきものがいなくなるということも絶対にあってはなりません。国立公園の中でアライグマなど特定外来生物を見つけた場合や貴重な植物が盗掘されていたという情報がありましたらぜひ保護官事務所までお越し下さい。皆様から情報を頂くことで守れる自然があるはずです。
上の写真がエゾタヌキ、下がアライグマです。尻尾は見えませんが、顔の特徴の違いがわかるかと思います。
アライグマの足跡。人の手形にそっくりです。
※特定外来生物
日本の生態系や農業被害、身体に多大な被害をもたらす恐れのあるいきもの。生きたままの移動や飼育、譲渡などが規制されている。アライグマの他にアメリカミンク、ウチダザリガニ、セアカゴケグモなどが指定されている。