ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

北海道地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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2012年5月25日

2件の記事があります。

2012年05月25日四季折々天人峡羽衣の滝

大雪山国立公園 東川 宮崎 浩

 「天女が羽衣を翻して舞うような滝」と大正時代の文人、大町桂月が名付けたといわれ、落差が270mで北海道一の落差を誇る天人峡羽衣の滝は旭岳と並んで東川町の大きな見どころの一つです。
 ちなみに層雲峡側の見どころでもあり、同じ大雪山にある滝として比較されがちな「銀河流星の滝」の落差は104mだそうです。羽衣の滝は実にこの2倍以上の落差を誇るのですね。

 その羽衣の滝も季節によってさまざまな顔を見せてくれますが、さてさて皆さんはどの時期の姿が好きでしょうか?見る角度や季節によっていろいろな顔を見せてくれますが、やはりどこから見ても「素晴らしい」ですね。


まずは一番賑わう秋の紅葉時期。ちょっと視点を変えて滝を上から見下ろしてみました。(天人峡滝見台より)この時期は大雨の後を除けば水量も若干少ないことが多いです。


こちらは6月の雪解け時期。まさにこれからみられる姿です。
鮮やかな新緑の中にゴォーゴォーと水の音が聞こえてきそうですね。この時期は特に水量が多く、迫力のある羽衣の滝です。


11月、初雪のころの羽衣の滝。
厳冬期は遊歩道が閉鎖されるため見ることはできませんので雪と滝を見られるのはこの時期くらいでしょうか?ちょっとした水墨画の世界ですね。

 毎年行っている関係者による現地確認及び清掃作業は今年度、5月24日(木)に行われ、無事遊歩道は開通となりました。行政担当者に加え、作業に協力していただいたひがしかわ観光協会、天人峡温泉街の皆様、大変お疲れ様でした。

雪崩の多発地帯では雪と一緒に大量の石や枯れ枝なども落ちてきます。これらの除去作業を行います。

 緑がまぶしい季節になりました。道もきれいに清掃され、快適に歩くことが出来るようになりましたので、ぜひ羽衣の滝を見に来て下さい。

【注意】4月の下旬位より、天人峡周辺ではヒグマの目撃情報も確認されています。状況によっては遊歩道の閉鎖をすることもありますのでご了承ください。

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2012年05月25日雪解け時期になると行う事

大雪山国立公園 東川 宮崎 浩

 5月も中旬を過ぎ、白一色の山肌から黒い山肌が目立つ時期となってきました。
 近年にない豪雪に見舞われた北海道の今年の冬でしたが、山の雪解けも着実に進んでおり、春の訪れを告げる花、ニリンソウやエゾエンゴサク、湿原ではミズバショウやエゾノリュウキンカも目立つようになってきました。


この時期ひときわ目立つ存在の1つ、足元にひっそりと咲くニリンソウ

 雪解けとともに毎年行う事、それは冬の時期に設置しているスノーモビル等の乗入れ規制看板の撤去作業です。この作業を行うと「冬が終わった」という少し寂しい感じがすると同時にこれから訪れる夏山シーズンへの気持ちが切り替わる作業です。

あれだけあった積雪もすっかり無くなり、まさに今は「新緑の季節」という言葉がぴったりと来る時期でしょう。

 国立公園内の乗り入れ規制・禁止区域への車馬等の違法な乗入れを防ぐために毎年啓発活動を行っていますが、残念な事に今シーズンは美瑛町および富良野方面においてスノーモビルと思われる違法乗入れ跡が確認されました。
 夏山と違い、積雪状態になればどこでも入っていくことが出来ます。しかしながらその雪の下にはじっと春を待ちわびている植物が眠っています。また、冬でも冬眠をしないでいる貴重な野生動物たちも多く生息しています。

 これらを守っていくために我々が出来る事は何でしょうか?

 旭岳スキーコースオープンの時にも触れましたが、雪の時期においても夏と同じ自然に配慮しなければならないのは当然の事でしょう。
「植物を傷つけない」
「野生動物を驚かさない」
「ゴミは持ち帰る、雪の下に埋めない」
これらは山に入る人間の最低限我々が守らなければならないマナーであると思います。
 それだけではありません。冬の時期でも静かな山歩きを楽しんでいる人がいます。そのことも忘れないで下さい。

 夏冬問わずに、静かで原始的な風景が大雪山で保たれていく事を望みたいものです。


3月に富良野方面の乗入れ規制区域付近で確認されたスノーモビルの乗入れ跡。(赤枠部分)
環境省では地上からだけでなく、空からも監視を行っています。
このような監視業務がなくなる事が理想なのですが・・・。

 大雪山におけるスノーモビルなどの乗入れ禁止・規制区域についてはこちらで詳しく見ることが出来ます。
http://c-hokkaido.env.go.jp/nature/mat/data/m_1_7/snowmobile.pdf
 また、スノーモビル販売店や山道具販売店などでも同パンフレットは手に入れることが出来ます。


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