ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

北海道地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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2012年7月

17件の記事があります。

2012年07月11日携帯トイレブース設置

知床国立公園 ウトロ 伊藤典子

本日、羅臼岳登山道(ウトロ側)途中の「銀冷水」において、携帯トイレ用ブースの設置作業を行いました。

羅臼岳登山道にはトイレ施設は有りません。「携帯トイレ」を登山の前に購入し、持参してください!今までは、携帯トイレを持って来ていても、使用するためには、他の登山者から見えないよう、道から外れて用足しをしなければならなかったかもしれません。これからは、設置した携帯トイレブース(テント式)で、安心してご使用ください。

使用方法は、テント内に書いてありますので、くれぐれも見落とさないようお願いいたします!また、どの程度使用がされているかの確認を行っていますので、数取り器の数字を一つ足してください。



風で飛ばないよう、四隅をペグで固定。数取り器も設置。

今年度はこの銀冷水にて、常設の携帯トイレブースの設置工事を行います。登山者の方には迷惑をかけるかもしれませんが、今後の多少の快適のため、よろしくお願いいたします。


使用イメージ

携帯トイレの代わりに、ペット用トイレシートを持参している方がいました。なるほど。参考にさせていただきます。

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2012年07月10日想像力

釧路湿原国立公園 釧路湿原 小林 美保

緑が濃くなり、夏本番を迎えた釧路湿原。
涼しい気候に 自然の中を走るドライブも気持ちがいいものです。

それと同時に、毎年この時期に多く目にする悲しい出来事があります。
動物たちの交通事故です。(本当にたくさん見られます)

春に生まれた子どもたちにエサをやるため、
エサが探しやすいのか動物たちが道路沿いに出てくることが多くなり
車との事故が多くなります。
車に慣れていない動物の子どもたちもよく事故にあっています。
また、野生動物たちの愛らしい姿に、思わずエサをやってしまう方々も
まだまだ見られます。(※1)

北海道はデッカイドウ!
ついついスピードを出しすぎてしまいがちですが
どうか、「野性動物たちがたくさんたくさん住んでいる場所」
ということを想像しながら、スピード控えめ安全運転でお願いします。
そして出会ったら、かわいくてたまらないのをぐっと我慢して
近づきすぎず遠くからそっと見守ってください。

その他国立公園利用時のマナーについて下記HPでご覧願います。
http://www.env.go.jp/park/kushiro/guide/rule.html

※1 エサをもらった動物たちは、人間=エサをくれる になってしまい
   自動車でさえも恐れなくなり、最終的に交通事故に遭うことが多く
   例え人間に悪気がなくても、動物たちには悲しい結果を残します



 春に生まれたキタキツネの子ども 


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2012年07月09日お知らせ!  ウトナイ湖野生鳥獣保護センターでのイベントの開催

苫小牧 平 尚恵

皆さんこんにちは。
だんだん夏本番になってきましたね!

さて、今年は苫小牧市のウトナイ湖にあります、ウトナイ湖野生鳥獣保護センターが7月28日で開館10週年を向かえることになりました。 

そこで、日頃からウトナイ湖鳥獣保護区を利用して下さっている方から、初めてウトナイ湖の存在を知った方まで楽しめるセンター開館10週年記念イベントを行います!!

10年間の感謝を込めて、センター職員が企画する鳥獣保護区散策やセンターの裏側見学ツアーを行うなど、盛りだくさんの内容でおおくりいたします。

イベント詳細
1.イベントスケジュール  
 日時:平成24年7月28日
 場所:ウトナイ湖野生鳥獣保護センター(苫小牧市字植苗156番地26)
① 夏の水辺で自然ウォッチング!:午前9時30分~12時(雨天決行)
内容:湖岸や林の自然観察路を散策しながら草花や野鳥などを五感で楽しみ、生きものたちのにぎわいやウトナイ湖の夏を感じます。
用意:飲み物、雨具(カッパ)、あれば双眼鏡(貸出しあり)、歩きやすい靴と服装
② 野生動物救護の現場見学とおはなし:午後13時~14時
内容:ウトナイ湖野生鳥獣保護センターの野生動物救護活動を知ってもらい、人間と野生動物のよりよい共生のために、私たちになにができるのかを一緒に考えます。
③ 開設10周年記念ミニコンサート:午後14時30分~15時
内容:鳥と自然をテーマにした琴とシンセサイザーの演奏会。

2.募集要領
 ① 夏の水辺で自然ウォッチング!, ② 野生動物救護の現場見学とおはなし
申し込み:先着30名
対象:どなたでも(小学生以下は保護者同伴)
③ 開設10周年記念ミニコンサート
どなたでも参加可能。
  ※本日より募集開始、すべてのイベントは無料です。
  ※昼食が必要な方は、各自ご用意ください。

3.その他
  申し込み、お問い合わせはウトナイ湖野生鳥獣保護センターにお願いします。
TEL:0144-58-2231(月曜日を除く9:00~17:00)


たくさんの方と、ウトナイ湖でお会い出来ることを楽しみにしていますね。

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2012年07月05日夏山シーズン本番!知床登山で携帯トイレデビューしてみませんか

知床国立公園 ウトロ 高橋 優太


硫黄山周辺から羅臼岳へ続く縦走路(尾根部分)

 先日奄美地方で梅雨明けが宣言されましたが、ここ知床・ウトロは既に夏真っ盛りです。連日の晴天で、知床五湖では気温30℃を超えた、なんて話も聞いています。お越しの際は、帽子や飲みものなど熱中症対策を万全に!特に暑い日の水遊びにうってつけな「カムイワッカ湯の滝」には、売店や自動販売機はありませんのでご注意ください。もちろん湯の滝の水も酸性が強すぎて飲めません。(非常に酸っぱいです)

 そんな夏日の中、6月24日には硫黄山、7月1日には羅臼岳の山開きがおこなわれました。いよいよ知床連山の登山シーズン本番です。この夏、羅臼岳から硫黄山まで縦走する計画を立てている方もいらっしゃるのでは?そんなあなたのザックに、そっと忍ばせていただきたいのが「携帯トイレ」です。

 知床連山の上には、山小屋やトイレといった施設がありません。縦走するとなれば、自分の寝床も食料も、もちろん出したモノも担いで歩く必要があります。「そんなの、そこら辺の茂みでやればいいじゃない」そう思われる野性派の方へ。こんな調査結果があります。

 環境省が平成20年度に実施した、知床連山におけるし尿の痕跡調査によると、連山のあちこちで使用済みティッシュが回収されています。下記表はその回収場所と、回収数です。



【引用元】 14.『知床連山における携帯トイレの利用促進対策』
高橋啓介(環境省ウトロ自然保護官事務所)
「第10回山のトイレを考えるフォーラム」報告資料より
http://www.yamatoilet.jp/mtclean/forum101.htm

 一歩登山道を外れたらティッシュの花が百花繚乱、シレトコスミレだと思ったらティッシュのかすだった、なんて時期が割と最近まであったんですね。携帯トイレ使用を呼びかけるようになって以降、改善されたようですが……。山を登っているのかトイレを登っているのか分からなくなる前に、携帯トイレのご活用を!家に帰るまでが遠足であるのと同様、出したモノを持ち帰って処分するまでが用便です!


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※ 携帯トイレの購入・廃棄についての詳細情報はこちら
『知床登山のマナー 携帯トイレを使いましょう』
http://www.pref.hokkaido.lg.jp/ks/skn/ssi/keitaitoire.htm

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2012年07月03日目を凝らしてみれば

大雪山国立公園 東川 宮崎 浩

 花真っ盛りの大雪山、この時期によく尋ねられるのは当然のことながら花の名前。まがりなりにも腕章をつけて山に入っている身分としては「分かりません」というのは何とも頼りない・・・。
 とはいえ、「花の百名山」とも言われる富良野岳に代表されるような花の種類の多い山などでは「これ何だっけ?」としばらく昨年までの記憶を辿る(たどる)時もしばしば。今の時期の山行には花図鑑は欠かせません。

 富良野地方の最高気温が32℃と記録的な暑さを記録した6月の最終土曜日(6/30)に高山蝶パトロールで富良野岳を訪れた際、同行したパークボランティアの方によるとこの日見られた花の数はなんと52種類あったそうです。さすがは花の山、富良野岳です。(それを数えられる方も凄い)

 同じ色、形でもよく見ると違う花というのは多々あります。よく尋ねられるのが

例えばこちらミヤマキンバイ(左)とメアカンキンバイ(右)。※どちらも「バラ科」
遠目で見るだけでは一見「同じものですか?」と尋ねられることがしばしば。
しかし、目を凝らしてよく見ると花弁の形や付き方が違うのがよく分かります。


そしてこちらはご存じエゾノツガザクラ(左)。※ツツジ科
ズームアップしてみると表面に細かい毛が生えているのが分かります。
良く似たコエゾツガザクラ(右)にはこのような毛がほとんど生えないのが特徴です。

「淡い白色がコエゾツガザクラ?」とよく言われることがありますが、一概にそうではないようです。エゾノツガザクラでも白花が付く事もあるようなので、そうなると花冠の形状や毛の付き方等で見分けなければなりません。じっくりと観察することが大事ですね。
 ちなみにコエゾツガザクラはエゾノツガザクラとアオノツガザクラとの雑種といわれています。そしてアオノツガザクラの変種としてさらにニシキツガザクラもあります。本当にツガザクラは奥が深い。

 この2~3年で大雪山を訪れる人達にも徐々に変化が見られ、とにかく山に登る、山頂に立つことを目的に来られる方が増えて来ているような気がします。
 もちろん人によって目的はそれぞれでしょう。が、たまにはゆっくり花を眺めながらののんびり登山なんていうのもいかがですか?何か別の新しい発見があるかもしれません。
 なんと言っても大雪山にはここでしか見られない固有種の花が多くありますから。

 ただし、花を見るのも写真を撮るのも登山道上で。くれぐれも花畑に踏み込む事の無いように。また狭い登山道の上では写真を撮る時など、くれぐれも譲り合いの精神でお願い致します。


富良野岳山頂付近ではエゾノハクサンイチゲ(写真)が稜線を渡って来る心地よい風を受けて気持ち良さそうに揺らめいていました。雲上の花畑という言葉がぴったりくるのが現在の富良野岳でしょう。

 お知らせ。
6/30未明から始まった十勝岳火口の燃焼現象により、周辺では入山の規制が行われております。詳細につきましてはこちらのHPをご覧ください。
http://cgi.eolas-net.ne.jp/eolas-lab/daisetsu/news/view.php?line=25

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2012年07月03日今年もはじめました

大雪山国立公園 上川 大久保 智子

やっと夏らしくなった上川です。
大雪山の稜線上も高山植物が咲き誇り、カムイミンタラ(アイヌ語で神々の庭という意味)といわれるように、高山植物に囲まれて本当に天国のようです。
さて、大雪山も夏山シーズンに突入し、登山計画のために情報を集めている方も多いと思います。上川事務所では、上川駅前という立地をいかして、表大雪山の山の情報の掲示を今年もはじめました。




層雲峡ビジターセンターで発行している山情報、ヒグマ情報センターで発行している高原沼情報、旭岳ビジターセンターの登山情報など、各施設で出している旬な情報と、巡視で撮影した登山道情報や花情報も一緒に掲示していますので、列車を降りた時、バスを待っている時、どこに行こうと迷った時などは、参考にしてください。

*6月26日に行った小泉岳周辺の花と景色*


白雲岳と稜線の花。
チョウノスケソウ、ホソバウルップソウ、エゾオヤマノエンドウ、ミヤマキンバイなど。

高根ヶ原トムラウシ方面と稜線の花。

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2012年07月03日今年のスミレ調査

知床国立公園 ウトロ 伊藤典子

今年も例年通り、シレトコスミレの調査を行いました。調査の前はいつもドキドキします。
「今年は、食べられてしまった、スミレはないだろうか。」
 
 平成20年に食害にあったシレトコスミレを確認。その後、毎年調査を続けてきました。年々、食べられているスミレの数は減り、ひとまず、スミレはそれほど食べられない、ということが確認できました。しかし、シカの数が増えることによる食害の増加が心配です。
今年の食害確認数は「1」。ほっと安堵のため息。


調査区の中のスミレ数を数取り器で数えるAR2名。

山では花が見頃を迎えていました。シレトコスミレを楽しみたい方はお早めに!
硫黄山登山口の利用については→http://www.okhotsk.pref.hokkaido.lg.jp/kk/akk/shiretoko_riyou.htm

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