ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

北海道地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

RSS

2012年8月

20件の記事があります。

2012年08月30日餌やり厳禁

知床国立公園 ウトロ 伊藤典子

本年は、ヒグマの目撃情報が、非常に多く、気軽な気持ちで野生動物に会いに来た観光客(まさかヒグマに会うことはないと考えている人)の前にも姿をあらわします。その際に最もおそれていたことがおこりました。

写真撮影をするため、ヒグマに餌をあげた観光客が目撃されました。

このことは、どのようなことにつながるでしょうか。想像してみてください。

自分さえ良い写真が撮れればそれでいいのでしょうか。次にこの場所に訪れた人に近づき、餌をねだり、最悪の場合人に危害を加え、駆除。そんな事が考えつかないでしょうか。

ウトロ事務所では、餌やり厳禁の周知をするため、過去に起こってしまった悲劇について書かれたものを遺産センターや道の駅等、目に付く所のトイレに貼り付けてあります。知床五湖高架木道にも「餌やり厳禁」のパウチを掲示しました。また、カムイワッカ湯の滝に巡視に行った際には、チラシの配布をしながら説明を行っています。地道な事ですが、一人でも多くの人に安全に訪れてもらえればと思います。


高架木道に設置したパウチ。「餌やり厳禁」と「ヒグマを見てもお静かに」

チラシ配布中の野川R

ページ先頭へ↑

2012年08月30日人工飼育のシマフクロウ森へかえる 第2章

苫小牧 平 尚恵

第2章の始まりです。

再捕獲されてからはケージの中で、順調に馴化をしていったシマフクロウのオスですが、すっかり体重も元に戻り、羽の生え替わりも済ませました。(一時は抜け掛かった羽がぼさぼさでとっても可愛らしかったです 笑)

そして迎えた2回目の放鳥

試行錯誤はしましたが、数日後にオスが給餌池に来たときには嬉しさ半分、ほっとしたのが本音です。
また、捕まえることになったら可愛そうですもんね。

その後オスとメスは2羽で魚を捕るようになり、その様子が設置しているビデオカメラでも確認できるようになったことで、いよいよ繁殖も期待出来るところまで来ました。

ここから情報収集は、ビデオの映像に託されることになりました。
夕方から次の日の朝まで給餌池を録画し、映像を確認しました。
すると2月を最後にメスが給餌池に来なくなったのです。

このことが意味するのは、メスが卵を温めている可能性が高いと言うことです。
ここからは、一気に事態が動き出します。

オスが、今まで池の縁で食べていた魚を、持ち去るようになったのです。
私たちはこの持ち去りという行動を頼りに、メスの様子を推理していきました。

オスが魚をメスに運んでいる=メスは卵を抱いていて魚を捕りに来られない

そして約2ヶ月半後、メスが再度給餌池に現れました。
この段階ではまだヒナが孵ったのかは分かりません。

するとメスも魚を持ち去り、どこかへ運んでいるではないですか。
つまり巣にはヒナが誕生していて、エサを待ちわびているということになります。

これほどの朗報はありません。
ビデオの映像ごしとはいえ、魚を捕る姿を自然に応援している自分がいました。

そしてついに、ヒナに脚環を付ける日を迎えました。
この日まで本当にヒナが居るかどうかの確認は出来ていませんでした。

そして・・・ いました!

元気なヒナが2羽。 後の遺伝子検査でメスと判明。
無事に脚環を付けることができました。

獣医さんによるヒナの健康診断の様子

これは大変なことです!!
人工飼育下で育ったシマフクロウが野生個体のメスと、繁殖に成功したということは記録が残っている中では初めてのことなのです。

それから今、親子4羽は毎日元気にエサを捕りにきていますよ!!
これから、幼鳥は少しずつ魚の取り方を覚えて親元から巣立つ日に向けて訓練を積んでいきます。


彼らを驚かせないように、赤外線フラッシュのセンサーカメラで撮影しています。

ここで皆さんにお願いです。
体の大きな彼らの子育てには、太くて大きな木の巣穴が必要です。
食欲旺盛なヒナには、魚が沢山いる豊かな川が必要です。
そして、人が近寄らず静かで安心して子育てが出来る環境が必要です。

近年は特に野生動物との関わり方について、色々と問題になっています。
ごく一部の方の行為ではありますが、興味本位で写真を撮ろうとしたり、軽い気持ちで彼らを追い回すようなことだけはしないで下さい。

人間が近くにいるだけで、警戒して魚を捕りに来られなくなったり、巣で子育てが出来なくなってしまいます。

「いやいや俺の知っているシマフクロウは、人間なんか気にせず魚を捕りに来ているよ。」
と言う方もいますが、それは違います。

彼らは、そこがどんなに嫌な場所でも魚を捕りに来るしかないのです。
そこにしか食べ物がないのですから。
どうかお願いします。彼らの自由を尊重してあげて下さい。


ページ先頭へ↑

2012年08月28日人工飼育のシマフクロウ森へかえる 第1章

苫小牧 平 尚恵

こんにちは

さてさて、今日はシマフクロウのお話をしようと思います。

今年の6月22日に、「人工飼育していたシマフクロウが野生復帰をして、繁殖に成功した!!」と新聞各紙やテレビでも放映されましたね。

そこで今回は、新聞やテレビにはのっていないような、裏話を中心に書きたいと思います。

そう。あれは昨年の春のことでした。

上川管内の森で、放鳥したオスのシマフクロウが行方不明になっていたのです。

と、その前に
元々この森には野生のシマフクロウのメス(シマフクロウとしてはかなりのおばぁちゃん24歳)が、たった1羽生息していたのですが、近くに他のシマフクロウはおらず、最も近い生息地からシマフクロウのオスが飛んでくるには遠くて、繁殖することは困難な状況でした。
そもそもシマフクロウは、日本には北海道にのみ生息し、しかも140羽しかおらず、環境省のレッドリストでは絶滅危惧ⅠA類ですので、このメスも大変貴重な1羽なのです。

そこで、このメスに繁殖をしてシマフクロウの生息地の拡大をして欲しいと考え、環境省で保護しているオスを連れてきては、メスとのお見合いを試みましたが、それはとてつもなく難しいことで5羽目となる今回でようやく成功に至ったのでした。

ここからが、人工飼育のシマフクロウ野生復帰への第1章の物語になります。

まず第1に行ったことは、メスとお見合いをするために、馴化といってその周辺の環境に慣れるよう、オスを野外のケージの中で飼育しました。


ケージの中のシマフクロウのオス(3歳)

馴化を始めてすぐにメスが、ケージの近くに飛んできてオスに興味を示すようになりました。そしてお互いの相性も良いだろうと判断されたため、オスをケージから外に出す(放鳥)ことになりました。


が、しかし・・・


オスの尾羽には小さな発信器が付けてあったのですが、居所が分からなくなってしまったのです。


電波を受信するアンテナや、追跡に使用した機材


そこで、オスがいそうな森の近くで、専門家や職員が連日電波を追い続けました。
そのかいあってオスは発見されたのですが、健康が心配されたため、再捕獲をすることになりました。

捕獲されたオスは痩せていて、回復にもう少し時間を必要としました。
そのため再度ケージの中で、馴化を行うことになったのです。

シマフクロウは、魚を主食としているため豊かな川が残っている場所でしか生きることが出来ないのです。
私たちの豊かな生活を支えている裏側で、様々な生き物に影響を与えていることを忘れてはいけません。

ここから、オスの野生復帰の物語、第2章が始まるのですが、それはまた次回ということで。
楽しみにしていて下さいね。


ページ先頭へ↑

2012年08月22日登山道整備

利尻礼文サロベツ国立公園 稚内 山本 貴之

環境省による登山道整備工事が利尻山の沓形コースで始まり、今年度は8合目上部から三眺山までの区間で整備を行っています。昨年度に完了した鴛泊コースの整備と同様、「近自然工法」を用いての整備です。
近自然工法は、元々は河川工法として用いられてきたものですが、雨水や雪解け水などの流水が浸食の要因の一つとなっている登山道に応用されるようになり、現在では利尻山や大雪山、知床などで近自然工法による登山道整備が行なわれています。
利尻山で行っている登山道整備は、登山者の歩きやすさを向上すること以上に、登山道の荒廃や浸食を抑え植生の回復を図るといった利尻山の「自然を守る」ことを目的としています。
お花や景色だけではなく、登山道から見えてくる山の姿もあるかもしれませんね。

さて、工事期間中に沓形コースを利用される方へのお願いです。
工事中も登山道の通行はできますが、登山道上やその脇には整備用の石材や木材が積まれています。整備中ご不便をおかけして申し訳ありませんが、積まれた石材や木材に注意してご通行ください。また同様に、登山道脇には資材置き場が設置されていますが、人が乗るのは危険ですので、決して乗らないようお願いします。

幅の狭い登山道。安全のため、作業現場では作業員の誘導に従っていただきますよう、ご理解とご協力をお願いいたします。


すべて手作業による整備


資材置き場


整備用の資材

ページ先頭へ↑

2012年08月20日知床連山フードロッカー

知床国立公園 羅臼 菅原 弘貴

知床連山巡視に行ってきました。

知床連山縦走路には、美しい花々やすばらしい景色があります。でもそんな場所だからこそ利用のルールもあるのです。
知床連山には、フードロッカーなるものがキャンプ地に設置されています。
その名の通り食べ物(ニオイのするもの)専用のロッカーです。ではなぜ食べ物をロッカーに入れてく必要があるのか?それはズバリ 知床のヒグマです!!
 人間の食べ物のニオイは強く、野生動物を引き寄せてしまいます。つまり食べ物をそのままテント周辺に置いておくだけで、ヒグマがテントの近くまで来てしまう可能性があります。もし万が一そうなってしまった場合、大変危険です!

 知床連山縦走路には、テント場が4箇所あります。そのすべてにフードロッカーが設置されています。キャンパーは必ずフードロッカーを活用してください。


上の写真が、フードロッカーです。
よくフードロッカー内にザックなどをデポしてしまう登山者がいます。
ザックを一つ入れてしまうだけでテント場利用者が食料を入れられなくなります。

 知床連山縦走を行う際には、フードロッカーを正しくお使いください。






知床連山の風景

ルールを守って気持ちの良い登山にしましょう。
ご協力おねがいします。

ページ先頭へ↑

2012年08月17日イベントが無事に終了しました。

苫小牧 平 尚恵

こんにちは!!

7月28日にウトナイ湖野生鳥獣保護センター10週年記念イベントを行いました。
当日は雨も降らず、かといって猛暑でもなく、参加者の皆さんと元気よく10週年をお祝い出来ました。
センターに来館して下さったみなさま、ありがとうございました。

さて、当日は午前中に私や先輩レンジャーがガイドとして、ウトナイ湖の木道や湖岸、林の中を散策したのですが、子供から大人までが一緒になって、花や虫、鳥などを発見してウトナイ湖の生き物たちの賑わいを感じて歩きました。


左上:ホザキシモツケ  右上:ノコギリソウ
左下:ヒシの実     右下:フタスジチョウ



何がみつかるかな??発見した生き物の写真をパシャリ!
子供達ともパシャリ!



みんなで撮った写真をパネルにまとめました。
こんなに生き物がいるんだなぁ~



午後からはセンターの獣医師である、山田先生から野生動物の救護の現場について、おはなしと現場見学を行いました。
参加者の皆さんは真剣な表情で救護の話に聞き入っていました。

最後に、ミニコンサートも開かれて、イベントは無事に終了。
皆さん楽しんで頂けたでしょうか??

通常のセンターのイベントとして、観察会はあと3回予定していますし、動物救護のボランティア講座も開かれますので、興味を持って頂けた方は、ぜひ参加してみて下さいね!!


我々一同、ウトナイ湖の素晴らしさを守り伝えて行けるよう頑張りますので、これからもウトナイ湖と野生鳥獣保護センターを、どうぞ宜しくお願いします。

ページ先頭へ↑

2012年08月16日大合唱

支笏洞爺国立公園 洞爺湖 大塚 武

先日、洞爺湖パークボランティアの方たちと四十三山のパトロールを行いました。
歩道を進むと耳がおかしくなるくらいのミンミンゼミ(※1)たちの大合唱でした。
木の幹や葉の裏など至る所でミンミンゼミの抜け殻を見つけることができます、
また、セミが歩道や頭上を飛び交い、そのうち数匹のセミは私たちにぶつかってきました。


ボランティアさんの手にとまるミンミンゼミ

ボランティアさんのシャツにとまるミンミンゼミ

他にも四十三山では、支笏湖はアキアカネ(※2)でしたが、コノシメトンボ(※3)が飛び始めました。
アキアカネもコノシメトンボもアカネ属のトンボです。


羽を休めるコノシメトンボ(♀)

アカネ属のトンボは日本では21種類確認されているようで、体が赤いものが多く、種類が違っていてもまとめて「赤とんぼ」と呼ばれています。よく観察すると体の色や羽の模様が違うのでもし見つけたらよく観察してみてください。

※1ミンミンゼミ(学名:Hyalessa maculaticollis)
カメムシ目(半翅目)・ヨコバイ亜目(同翅亜目)・セミ科に分類されるセミの一種
北海道南部から九州、対馬、甑島列島の平地、低山地の林、市街地などに生息しています。
卵→幼虫→成虫の不完全変態(小変態)をおこないます。
幼虫は土中で生活し、成虫大きさは33mm~36mmになります。
声量のある声で、ミーン、ミンミンミンミーンと鳴きます。
※2【参照】2012年8月10日 支笏湖自然保護官事務所 福家AR「自然公園クリーンデー」
※3コノシメトンボ(学名: Sympetrum baccha matutinum)
トンボ科 アカネ属に分類されるトンボの一種
日本全国に分布しています。
成虫は体長38~45mmほどで、羽の先端が黒くなっているのが目立ちます。
平地から低山地にかけての開放的な池沼、水田などで見られます。

ページ先頭へ↑

2012年08月16日パークボランティアを募集します

支笏洞爺国立公園 支笏湖 福家 菜緒

皆さん、こんにちは。残暑お見舞い申し上げます。
お盆も中日を過ぎ空気は秋めいてきました、と思いきや昨夜の大雨でむしむしを取り戻した支笏湖です。

さて支笏洞爺国立公園・支笏湖地区では今年、新しいパークボランティアを募集します。
パークボランティアとは、国立公園の豊かな自然環境をいつまでも残していこうと国立公園の維持管理に携わり様々な活動していただいている方々です。支笏湖地区では現在26名の会員が在籍しており、月1、2回実施している自然観察会や清掃活動、散策路整備、外来植物除去作業などを支笏湖自然保護官事務所スタッフとともに行っています。



↑活動の様子

会員の皆さんには、千歳市、苫小牧市、札幌市などからイベントの際に駆けつけていただいています。札幌から車で1時間ほどの国立公園で、自然解説の手法を学びたい!自然に詳しくなりたい!国立公園で何かしたい!支笏湖がすき!支笏湖きれい! という方、ぜひご検討いただければと思います。支笏湖の自然にも歴史にも詳しいパークボランティアさんたちから、支笏湖1年生の私も毎回色々なことを学んでいます。

パークボランティアになるためには、養成研修会に参加し、環境省北海道地方環境事務所長の登録を受けていただくことが必要となります。その養成研修が今年、約10年ぶりに開催されます。

― 平成24年度支笏湖地区パークボランティア養成研修 ―
日時: 9月8日(土)
9:30 ~ 16:30
場所: 支笏湖ビジターセンター 及び 休暇村支笏湖園地
内容: 国立公園制度、パークボランティア制度の説明、
    観察会を想定した野外研修 等
※参加費は無料です。

応募締切: 平成24年8月27日(月)17時

詳細はこちらのページをご覧ください。
北海道地方環境事務所HP
【お知らせ】平成24年度支笏洞爺国立公園支笏湖地区パークボランティア養成研修会の開催について
(リンク)

ご応募お待ちしております!



↑7月の休暇村園地・散策路整備後のパークボランティアさん

ページ先頭へ↑

2012年08月16日外来種子の防除にご協力ください

利尻礼文サロベツ国立公園 稚内 中野 雄介

 現在、礼文島南部の桃岩展望台から元地灯台へと向かう歩道の入り口に木の枠に囲まれたマットが設置されています。これは環境省の外来種防除事業の一環として試験的に行っているもので、歩道の入り口にマットを置くことで外来植物の種子が侵入するのを水際で防ごうというものです。


桃岩展望台入り口に設置されているマット

 辞書などによると、外来種という言葉の定義は「もともとその地にいなかったにもかかわらず、人間の活動によって他の地域から入ってきた生物」ということですが、実は私たちも知らず知らずのうちに外来種の侵入に一役買ってしまっている可能性があるのです。特に植物については靴の底に種子をつけて他の場所に移動することが原因の一つとして考えられています。歩道の入り口にマットを設置しているのはそうやって移動してくる種子が高山植生の中へ侵入するのを防ぐという目的があるのです。ただ、このマットは定期的に交換しているため、時にはまったく汚れておらず、踏むのをためらわれる方もいるようです。しかし、このマットは踏まれなければ意味のないものです。遠慮は要りませんので靴底についた種子をマットでしっかり落としてから歩道を歩くようお願いします。


外来種子防除への協力を呼び掛ける貼り紙

 フラワーロードと呼ばれ春から秋にかけて色とりどりの高山植物で埋め尽くされる桃岩歩道ですが、近年はセイヨウタンポポ、ムラサキツメクサ、シロツメクサなど元々礼文島には生育していなかった外来種が侵入してきています。そこでそれら外来種の生育域がこれ以上広がらないようにするため、侵入状況の調査やすでに侵入している個体の除去作業など、在来の植物を守るための取り組みを行っています。そしてそれは礼文島の生物多様性を保全することにつながります。外来種とはいえ、ひとつの種を排除しようとすることは一見、生物多様性の保全とは逆行するように思えるかもしれません。実際、そこで精いっぱい生きている外来種を引き抜くときは申し訳ない気持ちでいっぱいなのですが、こうした外来種の中には侵略的に周囲の植物を駆逐してしまうものもあり、それによってその場所で長い間生きてきた一つの種が失われることこそ生物多様性の大きな損失なのです。そのような事態にならないために、侵入してしまった外来種を地道に除去していくことはもちろんですが、外来種がこれ以上侵入しないようにするための対策も必要であり、そのために皆様のご協力をお願いしたいのです。礼文島の生物多様性保全のためにまずはマットで種子を落とすというだれにでも気軽にできる小さな行動から始めてみませんか?


マットから回収した土。現在このサンプルの中に外来種の種子があるかどうか分析を行っているところです。ちなみに赤い丸で囲った大きな種子は外来種ではないようです(セリ科のオオハナウド?)

【関連リンク】
http://www.biodic.go.jp/biodiversity/
(環境省生物多様性ホームページ)

http://www.env.go.jp/nature/intro/index.html
(外来生物法)

http://www.town.rebun.hokkaido.jp/ikimono/index.html
(礼文島いきものつながりプロジェクト)

ページ先頭へ↑

2012年08月13日サロベツの自然再生について

利尻礼文サロベツ国立公園 稚内 山上佳祐

 

 サロベツには、低地における日本最大の高層湿原が広がっています。湿原にはエゾカンゾウやツルコケモモ、日本では宗谷地方の湿原にしか生息していないコモチカナヘビなど貴重な動植物が数多く生息し、サロベツの豊かな自然や風景を彩っているのです。
しかし、近年では湿原の乾燥化が進んでササの分布が広がるなどの問題が生じています。そこで、これらの問題を解決すべく、平成17年から上サロベツ自然再生事業がスタートしました。環境省をはじめとして、各関係機関や団体、地域に住む人達、サロベツが大好きな人達などたくさんの人々が協力し、農業と共生しながら湿原の豊かな自然を取り戻すための取り組みが進められています。

 自然再生は、各関係機関による事業や、専門家による科学的な調査や議論だけではなく、地域の人達による自然観察会や植樹イベントなどといった地道な広報活動や保全活動も行われており、自然再生事業を進めていくためには、地域の方々と協力を深めていくことは欠かせません。
そこで、より多くの人達に自然再生への関心をもっていただこうと、地元豊富町のお祭りであるホッキ祭りをとおして自然再生のPR活動を行いました。


 PR活動では、サロベツの自然再生に関係する地域活動(通称サロベツ・エコモー・プロジェクト)の紹介や、自然再生事業のパネルによる解説、マスコットキャラの塗り絵や野鳥カルタなどが催され、来場された皆さんにサロベツの自然や自然再生事業などの取り組みについて知ってもらいました。
 「エコモー」とは、エコロジー(=自然)とモー(=牛の鳴き声=農業)をかけあわせた造語で、サロベツの自然と農業が共生し、地域と自然が元気な、そんなサロベツにしていきたいという願いが込められています。


 また、子供の来場者を集めてネイチャーゲームを行いました。ネイチャーゲームとは、五感を使った自然体験プログラム(ゲーム)のことで、写真はミステリーアニマルというゲームを行っている様子です。 
 講師の「大きい目が2つあります。体は細長く・・・」といった説明だけを頼りに、大人も子供も楽しみながら想像して、個性的な動物の絵を描いていました。

 サロベツの湿原は約6000年という長い年月をかけて形成されました。サロベツの自然再生は国立公園に指定された1974年当時の自然を取り戻すことを目標にしていますが、そのためにはとても長い年月を要します。この取り組みをこれからも続けていくためには、地域内外の多くの人々の理解と協力が必要不可欠なのです。

もし、少しでも興味をもっていただけたなら、是非下記のHPをご覧下さい!

サロベツ・エコモー・プロジェクトのホームページ
→http://sarobetsu-saisei.jp/ecomo/
サロベツの自然再生事業のホームページ
→http://sarobetsu-saisei.jp/

ページ先頭へ↑

ページ先頭へ