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アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

北海道地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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2013年8月28日

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2013年08月28日ウチダザリガニ防除

支笏洞爺国立公園 洞爺湖 大塚 武

1920年代に食料難解決策としてアメリカより北海道の摩周湖に持ち込まれたウチダザリガニ。洞爺湖でも2005年に発見され、2006年から調査や防除をスタートし、2013年現在もウチダザリガニ防除(※1)を継続して行っています。パークボランティアの活動の一環としてもウチダザリガニの防除作業を行っています。

防除の方法はどうと呼ばれる筒状のカゴわなにロープ結びつけ、おびき寄せるエサを入れて沈め、時間をおいてからそのカゴわなを引き上げます。
ウチダザリガニが生息しているところでは、ある程度の時間カゴを沈めると獲れる可能性が高くなります。
ただ、生息が確認されていない場所などにカゴわなを沈めるとウチダザリガニを誘引してしまう恐れがあり、逆に生息範囲を拡げてしまう可能性があるので長い時間沈めておくことが出来ません。
今回は生息範囲の確認のためにカゴわなを仕掛けて一日で引き上げました。


<カゴわなの投げ入れ>(撮影:原保護官)

<カゴわなの引き上げ>

獲れたウチダザリガニは殺処分しますが、ウグイ(※2)、スジエビなどウチダザリガニ以外の生き物が混獲された場合はその場で湖に返します。今回、ウチダザリガニは確認されませんでしたがウチダザリガニの生息範囲は毎年広がり変化しているので今後も続けていきたいと思います。



<混獲したウグイ>

ウチダザリガニは「特定外来生物」に指定され、生きたまま運んだり飼ったりすることが法律で規制されています。もし見つけても捕獲せず、自然保護官事務所等に情報をお寄せください。

※1ウチダザリガニを防除する場合には、原則として、外来生物法に基づく防除の確認又は認定が必要です。また、その際、捕獲にカゴわな等を使用する場合には、北海道内水面漁業調整規則に基づく採捕の許可が必要となります。

※2ウグイ(学名:Tribolodon hakonensis)コイ目コイ科ウグイ亜科に分類される魚。
北海道、本州、四国、九州まで広く分布し河川や湖沼で一生を終える陸封型と海に下って回遊し成長後、産卵時に川を遡上する降海型の種類がいます。
雑食性で体長は30cmほどになります。
北海道の河川、湖沼には近縁種のエゾウグイ (Tribolodon ezoe)も生息すします。

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