北海道地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。
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アクティブ・レンジャーとは、自然保護官の補佐役として、国立公園等のパトロール、調査、利用者指導、自然解説などの業務を担う環境省の職員です。管内には、利尻礼文サロベツ、知床、阿寒摩周、釧路湿原、大雪山、支笏洞爺国立公園があります。
昨年夏の礼文島は、霧の季節6月の好天続き、天候が安定する7月の天候不順、記録的な残暑など例年にない気象が続きました。対して今年の夏は7月に好天が続いてほとんど雨が降らなかったこと、8月に入ってから天候が安定せず残暑の時期が短いこと、中旬以降肌寒い日が多くなっていることなど昨年とは全く正反対の気象が続いています。
8月に入って雨の降る日が多くなるとともに、歩道がぬかるむことが多くなっています。特に雨の降っている時や降った直後は木階段が滑りやすくなることに加えてぬかるみや水たまりが多くなりますので、歩行の際は注意が必要です。
雨天時に歩行する際は通気性の良いレインウエアと汚れても構わない防水性の靴などの装備をご用意ください。また、荷物が濡れるのを防ぐため、ザックカバーがあると便利です。
雨天時の桃岩歩道(8/14)
雨天時の歩道を歩く際、皆様に必ず守っていただきたいことがあります。それはぬかるみや水たまりを避けて歩道外を歩くことでその場所に生育する植物を踏みつけてしまうことです。踏まれることで植生にダメージを与えるのはもちろんですが、一度植生が踏まれるとそこに足跡がつき、その足跡をたどって別の人が歩くようになり植生の荒廃がさらに広がってしまうのです。それはつまり、一人一人の何気ない一歩が植生荒廃の要因になり得るということです。礼文島の歩道沿いには希少種も含め多種多様な植物が生育しています。それら貴重な植物を守るため、皆様のご協力をお願いします。
青線が元の道、赤線がぬかるみを避けて植生の上を歩いたことによる新しい道
踏まれてダメージを受けた植生が元に戻るまでには長い年月が必要です
(5/23 ゴロタ岬付近)
現在、桃岩歩道ではトリカブトの仲間リシリブシ(キンポウゲ科)が見ごろを迎えつつあります。毎年紫色のこの花が咲くと秋の訪れとともに花シーズンの終わりが近いことを感じさせます。ただ、駆け足で過ぎていった昨年の花シーズンとは異なり、今年はややゆっくりとした例年並みのペースのようです。空気は早くも秋めいてきた礼文島ですが、花の季節はまだもう少し楽しむことができそうです。
リシリブシ(8/21 桃岩歩道)