北海道地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。
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アクティブ・レンジャーとは、自然保護官の補佐役として、国立公園等のパトロール、調査、利用者指導、自然解説などの業務を担う環境省の職員です。管内には、利尻礼文サロベツ、知床、阿寒摩周、釧路湿原、大雪山、支笏洞爺国立公園があります。
礼文島北部の江戸屋山道では冬期間の除雪が行われないため、例年12月になると車両通行ができなくなるのですが、先日巡視を行った際、まだ車両通行が可能なほど積雪が少なく、非常に驚きました。
トド島展望台(12/18)
山肌にほとんど積雪が見られません
澄海岬も昨年の同時期はすでに腰の高さほどの積雪があり、展望台へ登ることは困難でしたが、今年はほぼ積雪がゼロのため、容易に展望台まで行くことができました。また、冬の澄海岬といえば北西から吹く肌を刺すような冷たく強烈な季節風を抜きには語れませんが、この日は気温が0℃以上まで上がり、風も穏やかだったため、冬の空気という感じではありませんでした。
上段:今年の澄海岬(12/18) 下段:昨年の澄海岬(12/19)
ほぼ同時期に同じアングルで撮影した写真ですが、これだけ積雪量に差があります
その一方で南部の桃岩周辺では数センチ程度ではあるものの積雪が見られ、北部の久種湖(くしゅこ)では湖面の凍結が始まっているなど、冬らしさも徐々に見られるようになってきました。
雪が少ないと除雪の手間が省けるという点では喜ばしいのですが、礼文島の高山植物の生育期間や繁殖期間は冬の積雪に影響を受けていると言われているため、例年に比べてあまりにも積雪が少ないと高山植物に影響が出ないだろうかと少し心配になります。
天気予報によると1月以降の積雪は例年並みかやや多くなるとのことです。とりあえずこれから本格的な冬が到来し、例年並みに雪が降ってくれればあまり心配しなくてもよさそうです。
ただし、除雪の手間を考えると雪もほどほどに…とつい思ってしまいます。
枯れた植物を探すのも楽しいものです
これはコガネギクでしょうか?(12/18 澄海岬)