2015年8月28日
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2015年08月28日セイヨウオオマルハナバチ調査
大雪山国立公園 上川 一守さちえ
こんにちは。上川自然保護官事務所の一守です。
今日、上川高校の授業の一貫で、セイヨウオオマルハナバチの調査を生徒と一緒に行いました。
場所は銀泉台から赤岳途中の第二花園まで。
2学年45名が6班に分かれ、各班に先生と私達が一人ずつついて歩きます。
暑すぎず、時折涼しい風が通り抜け、調査登山日和です!
銀泉台から入り、ゆっくり登りながらアザミなどを見て、ハチが居たら観察。
発見!マルハナバチの写真表と見比べます。
「ノサップだっ!!」
いえ、希少種ノサップマルハナバチではありません。
肩の薄黄色とおしりの縞模様が特徴のエゾナガマルハナバチでした。
でもこれで、ノサップの事を覚えてくれただろうと思うと嬉しく思います。
ぜひいつか本物を見て欲しいですね。
第二花園までの予定でしたが、元気のある高校生のみ、コマクサ平まで行き、昼食となりました。
景色の良い所で食べるごはんは格別です。みんなわいわい、楽しそうに過ごしていました。
疲れた疲れたと言っていても、やはり若い彼らは、ケガもなく、あっという間に降りて、野外活動は終了となりました。
名残惜しいなという大人達を横目に、爽やかにバスで去っていきました。
今回の調査では、セイヨウオオマルハナバチは1頭もいませんでした。
外来種調査をする事で、地域の環境について考え、自然愛護の意識を高めるという目的を、少しは達成できたかなと思い、
こういった郷土理解野外活動は続けていただきたいと思います。
単純な感想としては、純粋でかわいい高校生達と触れ合って、いつもの登山道でも新しい発見もあり、非常に楽しかったです。
7月28日、気象庁は雌阿寒岳の観測データから火山活動が活発になっているとし、噴火警戒レベルをレベル1(活火山である事に留意)からレベル2(火口周辺規制)に引き上げました。そのため、現在は6合目(阿寒湖温泉登山道)、または7合目(雌阿寒温泉/オンネトー登山道)までしか登ることが出来ません。
体感できるような火山活動は起こっておらず、阿寒湖温泉周辺は平常と変わりがありませんが、百名山登頂を目指して来られた方は、残念な状況になっています。
しかし、実は「日本百名山」に記載されているのは「阿寒岳」であって、「雌阿寒岳」ではないのです。
「日本百名山」の作者、深田久弥氏が登山に来られた時には、「雌阿寒岳」がやはり火山活動のため登山できず、「雄阿寒岳」について書かれています。
歩行時間の短さや登山道が複数ある事、山頂の火口や麓のオンネトー、初夏の高山植物の風景など一般的には雌阿寒岳の知名度が高く、実際に登山者数も雌阿寒岳のほうが何倍も多くなっています。
ですが雄阿寒岳には、雌阿寒岳とはまた違った良さもあります。
まずは、パンケトー。
一般の方が近くまで行ける道路が無いため、湖全体を見ることが出来るのは雄阿寒岳の山頂からだけです。
阿寒湖も、雌阿寒岳より間近に見ることが出来ますよ。
もちろん、屈斜路湖や知床連山などは雌阿寒岳から望むより近くに見えます。
登山道が1本しかなく、コースタイムが往復6時間程度かかりますが、これを機会にまた違った「阿寒岳」に登られてはいかがでしょうか。