ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

北海道地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

RSS

2018年11月30日

4件の記事があります。

2018年11月30日「藻琴山巡視」

阿寒摩周国立公園 川湯 岡西 大助

阿寒摩周事務所の岡西です。川湯に移住して3度目の冬を迎えました。今年は本当に暖かい日が続いており、とても過ごしやすいのですが、あとで帳尻合わせのような大雪が降るのではないかと少し不安でもあります。何事も普通が良いですね。

11月21日、雪に閉ざされる前に藻琴山巡視に行ってきました。藻琴山登山はハイランド小清水725から入るコースと大空町側から入る2つの登山コースがありますが、今回は最も利用者の多いハイランド小清水725駐車場から入山。

登山届けを出す箱はすでにかたづけられていました。

今日はパークボランティアのメンバーが同行してくれました。心強い!

町中に雪はないけど、山は真っ白。ハイマツに綿を被せたような美しい景色。

雪の重みで樹木が垂れ下がり、あちこちでこのように這うような山登りになりました。

山頂からの眺望は雪とガスで全くなし!しかも寒い!

雪のない時期なら1時間もあれば余裕で登頂できるのですが、今日は1時間半もかかりました。

春に咲き、夏に育ち、秋に実り、冬に休む。自然のサイクルはおおらかに進んでゆく...。

道道102号線からハイランド小清水725駐車場への道は除雪されません。冬期登山はキャンプ場付近の駐車スペースに車をとめて登るしかありませんのでご注意下さい。

ページ先頭へ↑

2018年11月30日ニペソツ山幌加温泉コースの復活

大雪山国立公園 上士幌 上村 哲也

 ニペソツ山は標高2,013m、東大雪いちばんの鋭鋒です。深田久弥氏が「日本百名山」の執筆までに登高できなかったことからそこには選ばれていませんが、その後の著作で「申し訳なかった」と言わしめるほど、山容、展望、景観のよい立派な山です。けれども、選ばれなかったおかげで大勢の登山者が押し寄せることなく、じっとナキウサギとの出逢いを待つことのできる静かな山です。5分、身じろぎせず待っていればニペソツ山のナキウサギは愛らしく姿を現してくれます。5分の内に次々と登山者が続くことはニペソツ山では滅多にありません。

前天狗から望むニペソツ山の頂 2016年の夏、連続して接近した台風などの大雨によって、十六ノ沢登山口に通じる林道が崩壊してしまいました。その被害は大きく復旧の目途は立っていません。もう、ニペソツ山には登れないでしょうか。ひがし大雪自然館やひがし大雪自然ガイドセンターなどに多くの問合せが寄せられていました。

 ニペソツ山にはもう一つ登山コースがあります。幌加温泉コースです。十六ノ沢コースの8時間に対して10時間余り(*1)と登山時間が長いことが敬遠されて利用されず、10年近く整備されることなく笹やハイマツが被っていました。この幌加温泉コースが地元関係者の努力により復活することになりました。入口となる2kmの作業道が整備され、登行を妨げていた笹やハイマツが刈り払われ、簡易トイレや携帯トイレ回収ボックスが設置され、道標が整備されました。

 上士幌自然保護官事務所は、赤外線を検知して登山者の通過日時と人数を記録する登山者カウンターを登山口に設置しました。西暦標高年2013年の十六ノ沢コース、2,648人(*2)には遠く及びませんが、2018年夏山シーズンに千人余りの登山者が訪れました。幌加温泉コースは行程が長く標高差も1,300m余りと大きく日帰りで往復するには健脚が求められます。自身の体力をしっかり見極め、例えば下山が日没前になるように綿密な計画が必要です。9月下旬ともなれば日の出から日没までは12時間ほど、登山口から中腹辺りまで森の中を歩く東大雪の山では、日が落ちれば途端に暗くなってしまいます。足下が暗くなれば転倒の危険があります。ありがたくない野生動物との遭遇も起こりえます。

登山道の途中、三条沼 ニペソツ山を訪れる登山者はそこのところをよく心得ていて、それが登山者カウンターのデータにも表れていました。次の図は、日別の入下山時間帯分布です。バブルの大きさが通過した登山者の人数を表しています。早朝の下山や遅い入山、日出没の線から大きく外れているのは恐らくはシカなど野生動物を検知したものでしょう。登山者が、日のある内に行動時間を納めようとしていることがうかがえます。

ニペソツ山幌加温泉コースの日別時間帯分布

*1 北海道新聞社刊 夏山ガイド第3巻による。

*2 上士幌町観光協会設置の登山者名簿による。

ページ先頭へ↑

2018年11月30日知床・羅臼の身近な植物5

知床国立公園 羅臼 宮奈光一郎

冬の冷たさが染みこんだ熊越の滝(2018年11月撮影) 今年は全道的に雪が少ない様子。知床・羅臼も降りはするものの日中には溶けてしまうことが多く、まだ根雪にはなっておりません。しかし、厳冬期らしい寒さが日に日に増しています。(写真は熊越の滝)

雪の少ない水辺で若葉を出すアキタブキ(2018年11月撮影) 広葉樹の葉もすっかり落ちきった林内。ふと水辺を見てみるとこの季節に似合わない新緑の葉が顔を出しておりました。

冬に入ったにも関わらず花を咲かそうとするアキタブキ(2018年11月撮影) こちらは北海道ならどこでも見られるアキタブキ。雪が少なく暖かい日が続いたからでしょうか、雪が積もりにくい水辺や日当たりの良い斜面で幾つも顔を出しておりました。

卵の様な形をしてコケ類の上に顔を出したアキタブキの蕾み(2018年11月撮影) 普段大量に見ているため気にしなくなってしまう植物ですが、この様な時期に姿を見付けると思わず足を止めてしまうものです。

枯れ落ちたアキタブキの葉を朝日が染め上げる(2018年11月撮影) 茎の高さが1m以上、葉の幅も1mを越えることもあるアキタブキ。密生した箇所では足下を覆い隠してしまうため、ヒグマの痕跡が見えにくくなり、ヒグマの良い隠れ家ということもあって周囲を歩くときは多少なりとも緊張感をもちます。

落ち葉の中から次々とアキタブキが目を出している(2018年11月撮影) そんなアキタブキの園が見られるのもおよそ半年後。知床・羅臼に訪れた冬はまだまだこれからです。

ページ先頭へ↑

2018年11月30日「野鳥と冬芽の観察会」開催!

支笏洞爺国立公園 當山真貴子

先日の初雪で本格的な冬がやってくると思いきや、支笏湖では、

いつの間にか道路の雪が溶けてしまい、

例年とは違う冬の訪れを感じる季節、皆様はいかがお過ごしでしょうか。

 

さて、先日(11/10)に「野鳥と冬芽の観察会」を開催しました。

※参加者:5名(30代~70代)

      冬芽の解説中               カモの仲間のカワアイサを観察中

 

解説の最中、「コンコンコン、コンコンコン」という音が聞こえ、上を見上げると・・・

キツツキの仲間の「アカゲラ」が木を突いていました♪

ちなみに、アカゲラやクマゲラ等のキツツキの仲間は、木の内部にいるアリなどの虫を

捕まえやすくするために、舌先がブラシのようになっていることが特徴的です。

キツツキの仲間のアカゲラ

 

紅葉のシーズンは終わってしまいましたが、その代わり、赤色のアズキナシや

紫黒色のヤマブドウが熟し、さらに地面に目を向けてみるとフキノトウを発見しました。

例年、この周辺は雪で覆われているのですが、今年は雪が無く、

芽吹く前のレアなフキノトウを見ることができ、

参加者の皆さんも驚いていました。

 

葉を落とした木々が目立ち、少し寂しい支笏湖ですが、

北から渡ってきた冬鳥や一年中生息している留鳥、樹木の枝先では種類によって

大きさや形が異なる冬芽が観察しやすい時期となっています。

ほんの少し足をとめ、野鳥の声に耳をすませながら、

樹木の枝先に注目してみてはいかがでしょうか♪

 

☆おまけ☆

11/3()より支笏湖ビジターセンターで、北海道アクティブ・レンジャー写真展が

開催中です!

11/25()までの予定でしたが、12/3()まで延長中ですので、

お近くにいらした際は、是非お立ち寄り下さい(^^)

※アンケートに回答いただけるとオリジナルのしおりをプレゼント☆

※次の開催地は、モンベル大雪ひがしかわ店です!

詳細はこちら↓↓

http://hokkaido.env.go.jp/to_2018/30_3.html

 

ページ先頭へ↑

ページ先頭へ