ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

北海道地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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2019年11月18日

2件の記事があります。

2019年11月18日鳥インフルエンザ糞便採取調査 ウトナイ湖

苫小牧 大久保 智子

こんにちは、野生生物課の大久保です。

ウトナイ湖で休息していた渡り鳥もだいぶ旅立っていきました。

渡り鳥の往来があると心配なのは野鳥の鳥インフルエンザの発生です。

日本における高病原性鳥インフルエンザの発生要因は、渡り鳥等の野鳥によりウイルスが運搬されていると考えられます。その理由として、渡り鳥が飛来する10月から5月の間の発生であることや、野鳥の糞や死亡個体から原因ウイルスが検出されること、発生のたびに新しいウイルスが大陸から国内へ持ち込まれていることから、渡り鳥による持ち込みであると推測されています。

高病原性の鳥インフルエンザは、伝染力が強く家きん産業に及ぼす影響が大きいため、毎年渡り鳥の時期には警戒しています。

鳥インフルエンザの感染の拡大を防ぐために、野鳥の異常の監視やウイルス保有状況の調査を行いウイルスの国内の発生を早期発見することが重要になっています。そこでウトナイ湖でも毎年、渡り鳥の飛来の時期に、糞便を採取しウイルスの保有状況の調査を実施しています。今年も10月24日に糞便調査を行い、検査したところ陰性でした。ひとまず安心です。

 

       採便の様子                  採水の様子

鳥インフルエンザウイルスは、野鳥を観察する程度の接し方では、ヒトに感染しませんが、死亡または衰弱した野鳥やその排泄物に直接触れると危険性が高まるので触らないでください。

野鳥にむやみに近付きすぎず冬鳥の観察を楽しんでください。

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2019年11月18日海ワシ類の越冬調査が始まりました!

知床国立公園 白石海弥

10月下旬から一層冷え込み、木枯らしが吹いているウトロ。

初雪も降り、羅臼への横断道路も通行止め、いよいよ長い冬がはじまりました。

そんな冬と一緒にやってくるのがオオワシ・オジロワシたち。彼らは越冬のためロシアから渡ってきます。

11月からウトロと羅臼、知床国立公園にある二つの自然保護官事務所で毎週、ワシ類のカウント調査を行っています。

この調査は知床半島において、傷病などによる個体の早期発見や、長期にわたり分布情報を蓄積し、渡来数や性年齢の変動から環境変化を把握するために行われています。

また、知床世界自然遺産のモニタリング項目にもなっている大切な調査の一つです。

調査に必要な持ち物はこちら☟

 

       記録表               双眼鏡と望遠鏡(フィールドスコープ)

    鳥インフルエンザ対策キット

あと大事なのは暖かい服装と見つけるぞというやる気と根気。

調査は2人以上一組になり、ラインセンサス(直接観察)法でカウントしていきます。

 

進行方向に対して右側と左側、それぞれ担当を決めて、飛んでいるもしくは木にとまっているオオワシ・オジロワシを探していきます。

   

見通しの良い場所や特にワシ類が集まりやすい場所では、車を停めて一定時間、双眼鏡で探します。本日の気温は4度。冷たい風と「何をやっているんだこの人たちは...」というドライバーの冷たい視線に耐え、ただひたすらに探します。

見つけたら、先ずはオオワシかオジロワシか、成鳥か幼鳥かを識別します。成鳥は羽根の色や体型により、すぐにオオワシとオジロワシの見分けがつきますが、幼鳥は見慣れていないとなかなか分かりづらいです。

識別したら次は記録を行います。飛んでいたらその飛行ルートを、エサを食べていたらそのエサが何かも記録していきます。

今回の調査で確認できたのは、オオワシ10羽、オジロワシ7羽の計17羽。

オオワシ・オジロワシが本格的にやってくるのはもう少し先。1月になって流氷が来ればもっとたくさんのワシたちを確認できます。毎年のことではありますがやはりワクワクしますね!

夏とは全く違う顔を見せてくれる冬の知床。楽しみです。

いた!どこだ!!?

ここだ!!!

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