ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

北海道地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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2020年7月

13件の記事があります。

2020年07月09日四十三山(よそみやま)とは?

支笏洞爺国立公園 小松瑠菜

初めまして!

4月から洞爺湖管理官事務所のアクティブ・レンジャー(以下;AR)に着任いたしました、

小松 瑠菜(こまつ るな)と申します。

これから支笏洞爺国立公園(羊蹄山・登別・洞爺湖周辺)の美しい自然やイベント等の情報を

発信していきますので、どうぞよろしくお願いいたします!

(支笏湖・定山渓周辺につきましては、當山ARのAR日記をのぞいてみてくださいね☆)

さて、早速ですが、記念すべき第1回の投稿を飾るのは「四十三山(よそみやま)」です☆彡

 「なんで四十三山?!洞爺湖じゃないの?!」と思った方もいるでしょう。笑

なぜなら、四十三山は私が初めての野外業務を担当した思い出の山だからです♪

 実はこの四十三山、2009年8月に日本初の「世界ジオパーク」として登録された

「洞爺湖有珠山ジオパーク」のエリア内なのです!

ジオパークとは?

地球(ジオ)を楽しむ自然公園です。

地形・地質学的にも重要で価値のある場所を保護・保全しながら、ビジターセンターや

展示施設・自然観察路、解説看板やガイドブックを通じて教育や観光に活用しています。

洞爺湖有珠山ジオパークはユネスコが支援する世界ジオパークネットワークの一員です。

(小冊子:洞爺湖有珠山ジオパークガイド01『四十三山(明治新山)ルートを歩く』

著・宇井忠英、岡田弘、加賀谷仁左衛門)より

 四十三山の名前は、1910年(明治43年)の有珠山噴火の際に誕生した山であることから、

命名されました。別名・明治新山とも言うみたいですよ♪

 噴火直後は不毛の地であったこの山は、110年の時を経て、こんなにも緑が回復しました♪

 四十三山開通の際、パークボランティアさん(以下;PV)と一緒に、

看板の清掃作業、倒木の撤去作業、登山道の整備などを行っています!

 四十三山では、他にもPVさんたちと一緒に、ゴミ拾いや草刈り、

金比羅山(噴火後20年経過)と四十三山(噴火後110年経過)の植生の違いを調査しました☆

【4月に観察した植物】 @四十三山

【6月に観察した植物】 @四十三山

 今回、見つけることは出来ませんでしたが、他にもフクジュソウ、コハコメ、ツルアジサイ、

カンボク、ニセアカシア、コメツブウマゴヤシ、オオイヌノフグリなどのお花も、

この時期の四十三山で見ることができるようです♪

樹種はミズナラ、ホオノキ、ハリギリ、エゾヤマザクラ、トドマツ、オオカメノキ、アズキナシ

などを見ることができました!

場所によっては陰樹も数多く生育しており、遷移を確認することができます!^^

樹種も安定しているようです♪

【6月観察した植物】 @金比羅山

 写真にはありませんが、このほかにもノラニンジン、シロツメクサ、アメリカオニアザミ

などのお花が確認できました!☆

きれいなお花がたくさん咲いていますが、実はこれ...外来植物も多いんです...;;

遷移が移りゆき、植生が回復する中で、外来植物も入り込んでしまうんです。

そのため、PV活動で要注意外来生物であるアメリカオニアザミの駆除活動を行いました!

 樹種はヤナギ、ニセアカシア、ドロノキ、カラマツ、シラカバ、カツラ、タラノキ、アキグミ、カエデ、

ホオノキ、ヤマグワ、ミズナラ、ハリギリ、ミズキなどが見られました!

こちらは、一時遷移が始まってまだ20年しか経過しておりませんが、

ここまで植生が回復していることに驚きました...!

火口付近はまだ裸地が多く見られますが、ヤナギが優先して生育しており、

シラカバなども確認できました!☆

 皆さまいかがでしたか?

金比羅山は1時間、四十三山は2時間程度で登れるお手頃な山です♪

フットパスも整備されているため、日帰りでサクッと登って、

帰りは有珠山の恵みである洞爺湖温泉に入ることもできますよ☆

 ※令和2年7月8日現在、周辺でクマの目撃情報が相次いでいるため、

閉鎖しているフットパスがございます。ご注意ください。

植生の遷移をこんなにも間近で感じられるのは、"火山があるから"こそです。

『火山』 は人間生活に支障をもたらすイメージが大きいですが、

その分大地に与える 『恵み』 も大きいです。みなさんも一緒にその魅力に浸ってみませんか?♪

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2020年07月07日大雪山のパークボランティア、すごい!

大雪山国立公園 渡邉 あゆみ

 こんにちは、東川管理官事務所の渡邉です。

 ご報告が遅くなりましたが、今年も6月の山開き前の十勝岳と旭岳でパークボランティアの皆さんと登山道整備を行いました。

 ステイホーム期間明け、ということもあったのでしょうか。例年より多く、二日間でのべ36名もの方に参加していただきました(昨年は28名)。

 今年は密を避けるため、5隊に分けての整備です。

【6月14日(日) 十勝岳周辺登山道整備】

 6月の整備は毎年のことながら計画から実施まで考えることが山盛りで、足りないことはないだろうか、無事に整備ができるだろうか、とドキドキしながら当日を迎えます。ですが、案ずるより産むが易しで、現地に行けばパークボランティアの皆さんに引っ張っていただき、チームワーク良く作業を進め、気付けば全ての作業を終えて安堵感と疲労感に包まれて下山先に向かっています。

【6月20日(土) 旭岳周辺登山道整備】

 たくさんの方が集まってくださったおかげで、いつもはできないきめ細やかな作業もでき、雨に降られ寒い日もありましたが、山開きの準備は万端で作業を終えることができました。

 大変な整備のさなかでもビューポイントでは絶景が見れたことを喜び合い、作業のサポートをし合い、お互いの労をねぎらい合う大雪山のパークボランティア。昨年度から整備に参加していただいている新人さんも既にベテランのように心強い一員になっていることにも感動し、皆さんの一生懸命な様子は、自分への激励にもなっています。私もパークボランティアに入りたい!

  【背負子に積まれた鉄ピン。一人20kg近い廃材の荷下げをしていただきました。】

【重たい荷物を背負いながらも、ノリノリな人たち。最高!】

 整備のときはイワウメやミネズオウなどの鮮やかなお花はまだ咲いていませんでしたが、周囲を見渡すと下の写真のような地味なお花たちが満開でした。普段は主役にならないこういったお花たちも大雪の多様性を支える縁の下の力持ちのようで、ひっそりと咲いている姿を見かけるたびに、尊さで胸がキュンとなります。

 

 整備に参加された皆様、お疲れさまでした。

 心が落ち着かない日々が続いていますが、山で深呼吸をして、野生動物やお花から癒やされる人が一人でも増えるといいなと思っています。自然からもらうパワーは他では得られません(^^)

 良い夏山シーズンをお過ごしください。

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2020年07月03日不思議な魅力に惹かれています...!

利尻礼文サロベツ国立公園 稚内 津田涼夏

礼文島の西海岸は断崖絶壁が続いており、海岸線の多くの場所は人が立ち入ることのできない秘境の地になっています。ですが北部の鉄府海岸や8時間コース終盤のアナマ、南部の礼文滝など一部通行可能な場所もあります。そこでは砂地や岩場に生息する海岸性の植物を見ることができます。

               北部の鉄府海岸

               礼文滝コース

その海岸性の植物の1つであるハマナスが、高山植物群落のすぐ横の浜辺でひっそりと咲いているのを見つけました。


ハマナスはバラ科の仲間であり、枝に鋭いトゲを持っています。

また、ハマナスと同じ海岸性の植物である、ハイネズ、ハマボウフウ、ハマニンニク、

ハマハタザオを見ることができます。

 

 

写真ではまだ花は咲いてないのですが、ハマボウフウは白いカリフラワーの様な花を咲かせます。テンキグサは葉が厚くニンニクに似ていることから別名ハマニンニクとも呼ばれているイネ科の植物です。ハマハタザオは花の時期を終え、実になっていました。

海岸性の植物は砂地や岩場で潮風に耐えながら生きている姿そのままのたくましさと力強さがみなぎっているように感じます。

礼文島では、海岸性の植物と高山性の植物が同じ場所に咲く不思議な光景を見ることができます。礼文島ならではの光景と不思議な魅力どんどん惹かれています...!

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