2020年9月10日
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2020年09月10日日本一早い紅葉のはじまり
大雪山国立公園 忠鉢伸一
こんにちは。大雪山国立公園管理事務所の忠鉢です。
今年の北海道は雨も多くなく、暑い夏だったように感じます。
終わってしまえばあっという間の、長いようで短かった夏も過ぎてゆき、
日本一早いと言われている大雪山の紅葉が今年も始まろうとしています。
9月だというのに暑い日が続いている北海道です。
9/7に赤岳へ行ったところ、まだ緑が多いですが所々色づきが始まっています。
今年の紅葉はいったいどうなるのでしょうか。
2020年9/7撮影(赤岳)
紅葉が綺麗に色づく為には、気温、日照時間、適度な湿気の3つの条件があると言われています。
日中は天気が良く夜になると急激に寒くなるような気候で、乾燥して枯れてしまわないように適度な雨が降るのが理想的とされています。
毎年色づき具合も違うし、その日の天候によっても見え方は違います。
今年も最高な景色に出会えるのが楽しみです。
2019年9/18撮影(赤岳)
9月12日から9月22日まで、銀泉台へのマイカーでの立入りが制限されます。
アクティブレンジャーと大雪山国立公園パークボランティアは、シャトルバス運行期間にあわせて、携帯トイレブースを設置するとともに、利用者指導を行います。
山頂付近では風が強い恐れがあるので注意が必要です。麓は秋でも山頂は冬のような気温になる場合もあります。
防寒対策もしっかりとして、日本一早い紅葉を楽しんでください。
※マイカー規制についての詳細は上川町のホームページをご覧ください。
9/7に登山道を巡視中、珍しい蝶を発見しました。
春には南から北へ、秋には北から南へ、海を越えて日本を縦断する、旅をする蝶。
最近、層雲峡黒岳でも撮影されて話題になっていたアサギマダラという蝶です。
アサギマダラの学名は「parantica sita(パランティカ・シータ)」
マダラチョウ亜科に分類される蝶で、「シータ」という名前は蝶が発見されたインド・ヒマラヤ山地
にちなみ、ヒンドゥー教の女神の名前から名付けられたとのことです。
そのうち日本に分布するアサギマダラは「parantica sita niphonica
(パランティカ・シータ・ニッポニカ)」とされています。
2020年9/7 高原温泉付近にて撮影
「旅をする蝶」アサギマダラは、日本列島で北上と南下を繰り返していて、その距離は
2000kmにも達します。
この個体にはついていませんでしたが、羽にマーキングをして放蝶するという方法で調査活動がおこなわれており、遠くは台湾までの移動記録があるそうです。
羽化後4~5ヶ月位が寿命とされていて、その与えられた時間の中で2000kmを移動し産卵するのです。
2020年9/7 高原温泉付近にて撮影
この1gに満たない身体でなぜ2000kmもの距離を移動できるのか?
鳥のように繁殖地という目的地を目指しての旅という訳でもなさそうですし、海を渡るというリスクを冒してまで移動するのはいったいなぜなんでしょうか?
今のところは謎のままです。
謎を秘めた蝶故に、愛好者を魅了し続けるのでしょう。
偶然出会えたこのアサギマダラが、冬が来る前に無事に南へ旅立てる事を祈るばかりです。