ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

北海道地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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2021年2月 3日

3件の記事があります。

2021年02月03日今年もやってくる

知床国立公園 高林紗弥香

流氷の到着が待ちきれず、1月初めから昼休みになると海氷情報とにらめっこを続けている羅臼事務所の高林です。

流氷は知床半島の北側(斜里町ウトロ)に接岸し、半島先端部では既に羅臼町側に回り込んでいるとの情報を得て、羅臼市街地付近でも見られる日を楽しみにしています。

さて皆さま、つぶらな瞳、ぽってりとした口、つるつるな肌!

魅力たっぷりなこちらの魚をご存じでしょうか?

ダンゴウオ科ホテイウオ属ホテイウオです。北海道では「ごっこ」と呼ばれています。

北海道の方であれば、ごっこ汁といえば聞いたことがあるでしょうか?

なぜごっこが手元にあったかというと、拾ったのです。

流氷が押し寄せると、特に小さな魚は急速に冷やされ仮死状態になることがあります。

まるで「氷締め」されたような魚が流氷の隙間に見つかることがあるのです。

そんな魚を求めて野生動物たちも流氷の上をさまよいます。

オオワシやオジロワシもそのような魚を獲りに氷上にやってくることがあります。

こちらの写真は昨年のものですが、ルサフィールドハウスの前でキタキツネが流氷の上を歩いていました。

個人的には、クリオネに捕食されることで有名!?なミジンウキマイマイ(ミジンウキマイマイ科ミジンウキマイマイ属)の姿を確認することも楽しみにしています。翼足と呼ばれる羽根のような器官を羽ばたかせて泳ぐ姿がなんともいえません。

流氷の海は魅力満点ですが危険も沢山あります。

冷たい海に落ちる危険性はもちろん、滑って転んでしまったり、流されてしまったり、押し寄せる流氷に挟まれてしまったり・・・

危険ですので、絶対に流氷に乗らないで下さい。

流氷に乗ってみたい!という方は、知床にはドライスーツを着用して流氷に乗ることが出来るアクティビティもありますので検索してみて下さい。

温暖化による海水温の上昇も影響し過去100年で流氷勢力は40%減少※していると言われます。

流氷と共にある知床の自然をしっかり観察していきたいと思います。

※地球環境研究センターニュース参考

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2021年02月03日クッチャロ湖の森で

利尻礼文サロベツ国立公園 稚内 津田涼夏

こんにちは!雪も負けず、風にも負けず、除雪を頑張るアクティブレンジャーの津田です。

今回はクッチャロ湖水鳥観察館から東側に向かってすぐの文芸の森からお届けします。

文芸の森はクッチャロ湖畔に位置し、夏はハイキング、冬はスノーシューができる散策路になっています◎

少し歩くと、まるで動物の姿を現すように石碑の上に雪が積もっていました。

何かの動物に似ている...!

ウサギ...?と思ったらそこからウサギしか出てこないぐらいウサギしか考えられなくなりました。

みなさんはどんな生き物にみえますか?

どんどん進んで行くと、たくさんのカラマツ林を横にします。

下から上に顔を上げると、高くそびえ立つカラマツに圧倒されます。

ここにいると、この木に守られている、この地球に守られていると思ってしまいますね。

針葉樹の群落とは一変し、広葉樹が広がっているところに出ると

シマエナガや、ゴジュウカラが迎えてくれるかのように目に飛び込んできました。

 

ついついじっと身体の動きをとめ、驚かせずにカシャっと。

*シマエナガはおしりのエントリーでした...

まだまだ雪もたくさんあるので歩く際はスノーシューをお持ち下さい★

そして、クッチャロ湖の横の散策路ということもあり、空にはオナガガモの大群の姿が見えました。

散策路では、多少の風は木々で遮られるため、散策路を出た瞬間、吹き抜ける強い風にあおられます。

今クッチャロ湖では、ハクチョウやカモ類が越冬していますが、

もう少しすると、更に多くのコハクチョウやカモ類が北上し、賑やかな湖になることでしょう。

また、この日ではないですが、稚内からクッチャロ湖への道中には素敵な出会いがありました。

 

     モフっとしたオオワシ           遠くに見えるはトド?

飛ぶかな~?と思った瞬間に撮影するとモフっとしていました。

写真を拡大するとトド?の姿を確認できました~こんなにたくさんの野生のトドを見ることができるとは...これが証拠写真です。

冬は寒いですが、すぐそばの自然観察からはじめてみませんか!

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2021年02月03日ひょうたん沼スノーシューハイキング

阿寒摩周国立公園 阿寒湖 鈴木達郎

みなさん、はじめまして。

阿寒湖管理官事務所の鈴木達郎です。

これから、阿寒の自然や私たちの活動について紹介していきますので、どうぞよろしくお願いします。

1月22日(日)、阿寒湖畔エコミュージアムセンター主催の自然ふれあいイベント「ひょうたん沼スノーシューハイキング」に同行してきました。

ひょうたん沼は阿寒湖畔から東へ10kmほど離れた、鶴見峠の入り口に位置する沼です。この沼は、春から夏の釣り利用を除いてほとんど人の立ち入りが無く、ひっそりとした雰囲気が魅力のスポットです。

特に冬期は、林道の閉鎖にともない車の通行が制限されるため、沼周辺は一層静まりかえって、耳を澄ませば動物の息づく声さえ聞こえてきそうなほどです。

今回はツアー参加者とスタッフ合わせて総勢21名で森にお邪魔しました。


スノーシューを装着し、森に入ろうとしたところで早速動物の足跡を発見しました。

ひょうたん沼入口付近にてエゾユキウサギの足跡

▲前後に長い後ろ足と、真ん中にちょんと着いた前足の跡。この特徴的な足跡は、エゾユキウサギですね。

ひょうたん沼入口付近エゾユキウサギの糞

▲足跡と一緒にまん丸い糞も転がっていました。

木材を細かく砕いてそのまま丸く圧縮したような面白い見た目です。


可愛らしい痕跡に皆さん顔を綻ばせながら、木々の間を抜けていきます。

今季は雪が少なかったためか、斜面でもどこでも随分歩きやすくなっており、余裕を持って自然を楽しめました。

ひょうたん沼林道にて針葉樹の葉状に成長した霜の結晶ひょうたん沼林道にて羽毛状に成長した霜の結晶

▲地面の段差から垂れ下がって大きく成長した霜の結晶。

場所によって風向きや湿度などの条件が異なるのか、まるでビーズで出来た針葉樹の葉のような形状もあれば、もこもこした羽毛のような形状もありました。

ひょうたん沼林道にてエゾシカによるオヒョウニレ食害の解説

▲阿寒湖畔エコミュージアムセンター野竿さんによるオヒョウニレの解説。

エゾシカによる食害の傷跡が痛々しい...。オヒョウニレ内皮は強靱な繊維質になっており、アイヌの人々はかつて布や衣服に利用していたそうです。

ひょうたん沼の凍結湖面から仰ぎ見る雄阿寒岳

▲結氷したひょうたん沼の湖上から仰ぎ見る雄阿寒岳。
雲一つ無い青い空と真っ白な雪原に挟まれて非常に美しかったです。

ひょうたん沼凍結湖面にて何層にも連なったアイスバブル

▲ひょうたん沼のアイスバブル。

氷の層が10層以上も重なり、中に多数のアイスバブルが閉じ込められた幻想的な様相を呈していました。

今回は残念ながら動物と出会うことはありませんでしたが、写真で紹介した他にもエゾリスの食痕、エゾシカやキタキツネの足跡、したたかに根付く樹木の数々など、様々な自然の営みを観察出来ました。

来月は、阿寒湖から国道240号線を挟んで南側にある、前田一歩園財団が管理する「光の森」をスノーシューで歩くイベントが開催されます。光の森は、温泉街近郊であるにもかかわらず、一般には開放されていないエリアで、ひょうたん沼と同様に動植物のありのままの姿を楽しむことが出来ます。

冬のハイキングが初めてという方でも参加しやすいイベントですので、是非お気軽にご参加下さい。

・一歩園の森展望ハイキング

■日時  :2月14日(日)午前10時~午後3時半

■集合場所:阿寒湖畔エコミュージアムセンター

■参加費 :1,000円

■主催  :阿寒湖畔エコミュージアムセンター

※申込受付は阿寒湖畔エコミュージアムセンター(0154-67-4100)までご連絡下さい。 

 イベント詳細は阿寒湖畔エコミュージアムセンターのインスタグラム(https://www.instagram.com/p/CKs7H11nLs7/)にも掲載しております。

※新型コロナウイルスの状況により、開催を中止させて頂く場合がございます。悪しからずご了承下さい。

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