ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

北海道地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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2021年5月25日

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2021年05月25日五月晴れの日に

大雪山国立公園 渡邉 あゆみ

こんにちは、東川管理官事務所の渡邉です。

今回の日記は5月の東川町を紹介します。

季節の変わり目で中途半端な感じがしますが、実は東川町にとって5月はオススメの時期でもあります。

東川町は全耕地面積のうち水稲作が80%を占めています。

わが町には、北海道最高峰 旭岳をはじめ、水、雪、米、写真の文化など、町自慢のものがたくさんありますが、田んぼに水がはり、稲が植えられるまでの数日間だけ見られる、この水田鏡もご当地自慢の景色の一つ。

【キトウシ展望閣より撮影】

東川町では高級米「ゆめぴりか」、「ななつぼし」などのお米を作っていますが、わが町の「ゆめぴりか」は2019年「ゆめぴりかグランプリ」の最高金賞を受賞しました。

東川町は全家庭、地下水の町。なんと水道代はタダ!

大雪山に降った雨や雪は、山肌に染み込んだり、地表を流れたりしながら長い年月をかけて山の麓におりてきます。

大雪山は火山活動でできた火山群。山体を作っている火山噴出物の地層は、無数の穴や亀裂があり、水がその中を流れていくときに、水の中に含まれるゴミや有機物などを取り除くろ過フィルターの役割を果たすと同時に、周りの岩に含まれる天然ミネラル成分が水に溶け込んでいきます。

いわば、大雪山は「大自然の天然フィルター」としてゆっくり水を磨いてくれます。

東川町のお水は美味しく、お水をきっかけに移住してくる人が多いのも事実です。


【大雪遊水公園より撮影】

5月、東川町の桜は満開となります。

特に、ここ遊水公園にはエゾヤマザクラが植樹され、町民の憩いの場となっています。

遊水公園では、桜の名所としてだけでなく、池に雪解け水を貯め、太陽の日差しで水を温めてから田畑に送るという遊水池の役割も果たしています。雪解け水は農業用水として使用するには冷たすぎるそうです。

【勇駒別湿原から撮影】

旭岳温泉にある勇駒別湿原は5月中旬以降、雪解けが少しずつにすすみ、いち早く雪が溶けたところからエゾノリュウキンカとミズバショウが咲き始めます。ここには木道が敷かれていますが、まだ雪でほとんどが隠れているため、私は週に1回ほど現地に行き、スノーブリッジの雪切りをしたり、スノーブリッジを踏み抜かないようロープ柵を設置したりしています。

長靴での散策と双眼鏡があると楽しめますよ。

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