北海道地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。
1件の記事があります。
こんにちは。羅臼自然保護官事務所の高林です。
知床峠を越えて知床半島の東西(南北?)を結ぶ「知床横断道路」(国道334号線)。
11/8より全面通行止めの予定となっていましたが、路面凍結の恐れのため11/7から終日通行止めとなりました。
横断道路が閉じると観光で訪れる方もめっきり少なくなり、静かな知床羅臼ビジターセンターです。
館内をゆっくり眺めたい方は今がオススメ!
雪が積もった羅臼岳をみながら、夏の発見を少し振り返ってみます。
休日、羅臼町内で実施された、ある調査に同行中のことです。
川を覗いていると、なにやら大きな魚影を見つけました。
水中にカメラを入れると・・・いました!いました!※写真内、矢印先。
長さ30~35cmほどあるでしょうか?
撮影した動画から2匹のサケの仲間と思われる魚を確認できました。
この時はちょうどサケやマスの遡上時期。大きなサケ科魚類が河川にいてもおかしくないと思われるかもしれません。
しかし、確認したのは魚道のない砂防ダムを数基登った場所なのです!
いくつかは「切り崩し」(※1)も施されていますが、地図上では7基のダムが確認できます。
この魚は一体、どこから来た何者なのか・・・?
知床羅臼ビジターセンターの魚博士に動画を見せたところ、おそらく「サクラマス」ではないかとのこと。
それにしても何故この河川にいるのか謎は深まるばかりです。放流されてしまったのか?陸封型(※2)がいるのか?ダムを越えて遡上したのか?はたまた、魚たちの桃源郷があるのか・・・。
知床の河川、魚に関する論文等も探して読みましたが、この河川で、過去に実施された調査で確認されているのはオショロコマのみ。オショロコマのみ沢山いるのも知床の凄いことですが・・・
後日、魚博士さんが同じ場所で調査を行ったところ、サクラマスは確認できませんでしたが、サクラマスの産卵床と、さらにダムを越えた上流にてヤマメ(※3)の生息も確認されたそうです。
更に上流は果たしてどうなっているのでしょうか・・・続きは来年以降の調査となるでしょう。
また、魚を研究されている方からもワクワクしてしまうようなコメントをいただきました。
ふと、のぞき込んだ河川でこんな発見に繋がるとは・・・。
歩けば歩くほど、発見と共に疑問が浮かぶ日々。知床の豊かさに魅了されるばかりです!
何年かかかってしまうかもしれませんが、続報が出ましたらお知らせいたします。お楽しみに!!!
※1 ダムの高さを一部下げる作業
※2 陸水に留まり成長する魚
※3 ヤマメとサクラマスは同一の魚種
ページ先頭へ↑
アクティブ・レンジャーとは、自然保護官の補佐役として、国立公園等のパトロール、調査、利用者指導、自然解説などの業務を担う環境省の職員です。管内には、利尻礼文サロベツ、知床、阿寒摩周、釧路湿原、大雪山、支笏洞爺国立公園があります。
こんにちは。羅臼自然保護官事務所の高林です。
知床峠を越えて知床半島の東西(南北?)を結ぶ「知床横断道路」(国道334号線)。
11/8より全面通行止めの予定となっていましたが、路面凍結の恐れのため11/7から終日通行止めとなりました。
横断道路が閉じると観光で訪れる方もめっきり少なくなり、静かな知床羅臼ビジターセンターです。
館内をゆっくり眺めたい方は今がオススメ!
雪が積もった羅臼岳をみながら、夏の発見を少し振り返ってみます。
休日、羅臼町内で実施された、ある調査に同行中のことです。
川を覗いていると、なにやら大きな魚影を見つけました。
水中にカメラを入れると・・・いました!いました!※写真内、矢印先。
長さ30~35cmほどあるでしょうか?
撮影した動画から2匹のサケの仲間と思われる魚を確認できました。
この時はちょうどサケやマスの遡上時期。大きなサケ科魚類が河川にいてもおかしくないと思われるかもしれません。
しかし、確認したのは魚道のない砂防ダムを数基登った場所なのです!
いくつかは「切り崩し」(※1)も施されていますが、地図上では7基のダムが確認できます。
この魚は一体、どこから来た何者なのか・・・?
知床羅臼ビジターセンターの魚博士に動画を見せたところ、おそらく「サクラマス」ではないかとのこと。
それにしても何故この河川にいるのか謎は深まるばかりです。放流されてしまったのか?陸封型(※2)がいるのか?ダムを越えて遡上したのか?はたまた、魚たちの桃源郷があるのか・・・。
知床の河川、魚に関する論文等も探して読みましたが、この河川で、過去に実施された調査で確認されているのはオショロコマのみ。オショロコマのみ沢山いるのも知床の凄いことですが・・・
後日、魚博士さんが同じ場所で調査を行ったところ、サクラマスは確認できませんでしたが、サクラマスの産卵床と、さらにダムを越えた上流にてヤマメ(※3)の生息も確認されたそうです。
更に上流は果たしてどうなっているのでしょうか・・・続きは来年以降の調査となるでしょう。
また、魚を研究されている方からもワクワクしてしまうようなコメントをいただきました。
ふと、のぞき込んだ河川でこんな発見に繋がるとは・・・。
歩けば歩くほど、発見と共に疑問が浮かぶ日々。知床の豊かさに魅了されるばかりです!
何年かかかってしまうかもしれませんが、続報が出ましたらお知らせいたします。お楽しみに!!!
※1 ダムの高さを一部下げる作業
※2 陸水に留まり成長する魚
※3 ヤマメとサクラマスは同一の魚種