報道発表資料
- 結果報告
令和3年度シマフクロウ標識調査の実施結果について
シマフクロウは、北海道の道東を中心に生息している絶滅危惧種であり、国により「シマフクロウ保護増殖事業計画(平成5年11月26日策定)」が策定され、その保護が図られています。環境省では、保護増殖事業の一環として毎年春に標識調査を行い、個体識別、性別・来歴等の個体情報の収集、繁殖状況の把握等を行っています。 今年度の調査を実施した結果、28巣で37羽のヒナに標識を装着しましたのでお知らせします。なお、累積の標識個体数は658羽になりました。
1.調査目的
保護増殖事業の一環として、シマフクロウのヒナに標識を装着し、個体識別、性別・来歴等の個体情報の収集、繁殖状況の把握等を行っています。この調査を行うことで、シマフクロウの繁殖状況、移動分散、寿命などの重要な生態情報を得ることができます。
2.調査期間
令和3年5月17日~7月2日
3.結果概要
保護増殖事業の一環として設置している巣箱を中心に調査し(一部天然木も含む)、28巣において計37羽のヒナに標識を装着しました。標識調査を行った巣の数ヒナの数ともに、過去最多になります。道内地域ごとの内訳は下表の通りです(生息地保全のため、位置の詳細は公表しておりません)。
4.留意事項
シマフクロウは非常に警戒心の強い鳥です。そのため、特に繁殖中の巣に近づくと、巣を放棄してしまう恐れがあります。まだ生息数も限られていることから、巣の位置等の詳細は公表しておりません。もしも巣箱や営巣を確認した場合でも不用意に近づかないよう、ご理解とご協力をよろしくお願いします。
表 令和3年度シマフクロウ標識調査結果
地域 |
標識ヒナ数(巣数) |
根室 |
16(13) |
オホーツク |
5(4) |
釧路 |
8(5) |
十勝 |
4(3) |
日高 |
1(1) |
上川 |
3(2) |
合計 |
37(28) |
(参考)
・1985年に標識調査を開始して以降、合計658羽に標識を装着しました。これまでの標識ヒナ数の推移は以下の通りです。
※数値はあくまで標識したヒナの数を示すものであって、取組の努力量等も影響するため、ヒナの全体数を示すものではありません。
・シマフクロウは、現在72つがい165羽(平成29年度の確認個体数:つがい(72つがい)×2+平成29年度の標識ヒナ数)が確認されています。
・1986年以降に傷病等により保護収容した野生個体の約7割が標識付きとなっており、この標識調査によって個体の移動分散状況や年齢の把握等に係る重要なデータが得られています。
- ■ 問い合わせ先
- 環境省 北海道地方環境事務所
所 長: 安田 直人
統括自然保護企画官: 福井 智之
野生生物課課長: 太田 貴智
希少生物係長: 野田 英樹
電話 (011)299-1954 FAX (011)736-1234
環境省 釧路自然環境事務所
所長: 田邉 仁
野生生物企画官: 七目木 修一
野生生物課課長補佐: 北橋 隆史(担当)
電話 (0154)32-7500 FAX (0154)32-7575