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釧路自然環境事務所

報道発表資料

2022年07月14日
  • 報道発表

釧路湿原国立公園(釧路市)がゼロカーボンパークに登録されました

1.環境省では、国立公園の脱炭素化に向けて、令和3年3月から「ゼロカーボンパーク」の取組を進めています。令和4年7月14日に、釧路湿原国立公園(釧路市)がゼロカーボンパークに登録されましたので、お知らせします。

2.釧路湿原国立公園(釧路市)では、ゼロカーボンパークとして、炭素吸収源としての湿原及び森林の保全・再生の推進、リサイクルを通じた脱炭素社会の構築、サステナブルな観光地づくりなどに取り組んでいくこととしています。
1.概要
 釧路湿原国立公園は、北海道東部に位置する釧路川とその支流を抱く日本最大の湿原及びそれを取り囲む丘陵地からなる国立公園です。特別天然記念物であるタンチョウをはじめとした貴重な野生動植物の生息地となっており、1980年には日本で最初のラムサール条約登録湿地となりました。
 現在は多様な主体によって、豊かな湿原環境の保全再生に向けた自然再生事業が進められているほか、釧路川を下るカヌーツアーや湿原内の木道の散策等、釧路湿原ならではのエコツアーが行われるなどしています。
 釧路市は、令和3年2月にゼロカーボンシティを宣言し、脱炭素化やプラスチックゴミの削減に積極的に取り組んでいるところですが、釧路市からの申し出により、令和4年7月14日付けで釧路湿原国立公園をゼロカーボンパークとして登録しました。

2.釧路湿原国立公園(釧路市)ゼロカーボンパークの取組の概要
(1)炭素吸収源としての湿原及び森林の保全・再生の推進
 ①市民と民間企業との連携による「都市型森林再生事業」の実施

 ・国立公園内で育成した地域産種苗の植樹を、市街地における温室効果ガスの排出量が多い企業等の敷地において地
  域住民や企業と共同で実施する「都市型森林再生事業」を実施。
 ②釧路湿原自然再生事業を通じた湿原の保全再生
 ・自然再生事業における普及啓発の取り組みであるワンダグリンダプロジェクト(釧路湿原自然再生協議会)と連携
  し、湿原の持つ炭素吸収効果等について積極的に発信。

(2)リサイクルを通じた脱炭素社会の推進
 ①「ボトル to ボトル」リサイクルの推進
 ・使用済みペットボトルから新たなペットボトルに再生するリサイクル(ボトルtoボトル)に取り組み、石油由来原
  料の使用削減を進めるとともに、高いリサイクル率を目指し、市内の観光関連施設・宿泊施設等へも協力を広げる
  など、地域全体での取り組みを推進。
 ②マイボトルの利用推進によるプラスチックごみの削減
 ・利用拠点施設である釧路市湿原展望台を中心に、釧路湿原の地下水を活用したマイボト ルへの無償給水を推進す
  ることにより、プラスチックごみを削減。

(3)サステナブルな観光地づくりの推進
 ①収益還元型のツーリズムの提供

 ・自然再生事業の一環として実施されている達古武湖でのヒシの刈り取りに注目し、一般観光客等の再生事業への参
  加と合わせ、収益の一部を環境保全に活用するサステナブルなツーリズムの提供を民間と連携して進めていく。

(4)COOL CHOICEを旗印とした取組の普及啓発
 ①ゼロカーボンパーク普及キャンペーン事業
 ・釧路市では、「ゼロカーボンパーク普及キャンペーン事業」として、地元のガイド団体等と連携し、釧路湿原展望
  台を中心に自然観察会等を実施するとともに、釧路湿原と脱炭素の関係やゼロカーボンの取組を紹介するパネル展
  を市内各所にて開催する。また、ガイドによる解説や展示、SNSによる発信などを観光客をはじめ、広く一般市
  民に向けた周知キャンペーンを展開することにより、一人ひとりの温暖化防止に向けた行動へとつなげていく。
 ②「食を通じたサステナブルな観光」の普及啓発
 ・釧路市湿原展望台のレストランにおいて、湿原生態系の維持のために不可欠なエゾシカ捕獲事業で捕獲されたエゾ
  シカを活用したメニューを提供することで、広い層に向けて地産地消や自然環境保全など「食を通じたサステナブ
  ルな観光」の普及啓発を進める。


(参考)
○ゼロカーボンパークとは
 国立公園における電気自動車等の活用、国立公園に立地する利用施設における再生可能エネルギーの活用、地産地消等の取組を進めることで、国立公園の脱炭素を目指すとともに、脱プラスチックも含めてサステナブルな観光地づくりを実現していくエリアです。
 国立公園をカーボンニュートラルのショーケースとし、訪れる国内外の人たち脱炭素型の持続可能なライフスタイルを体験していただく場作りを目指しています。令和4年7月14日までに、中部山岳国立公園の乗鞍高原エリア(長野県松本市)、伊勢志摩国立公園の三重県志摩市、日光国立公園の塩原温泉・板室温泉地区(栃木県那須塩原市)、妙高戸隠連山国立公園の新潟県妙高市、支笏洞爺国立公園の支笏湖(北海道千歳市)、尾瀬国立公園の尾瀬かたしなエリア(群馬県片品村)、そして阿寒摩周国立公園(北海道釧路市、弟子屈町、美幌町、足寄町)がゼロカーボンパークとして登録されています。

 環境省HP:https://www.env.go.jp/nature/post_134.html

○支援の枠組み
 環境省では、ゼロカーボンパークの実現に向けて、ゼロカーボンシティ支援に活用しているエネルギー対策特別会計予算及び自然公園等整備費等の既存予算をパッケージとして支援するほか、釧路自然環境事務所が釧路市と連携をとりながら、伴走支援を行うこととしています。

お問い合わせ先

環境省 釧路自然環境事務所 国立公園課
電話:0154-32-7500
担当:柳川 智己

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