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釧路自然環境事務所

報道発表資料

2023年11月30日
  • 報道発表

「タンチョウ生息地分散行動計画(第2.0版)」の 公表について

1.タンチョウの一極集中分布に伴う絶滅リスクの増大等の懸念から平成25年に策定された「タンチョウ生息地分散行動計画」について、タンチョウの生息状況の変化や新たに顕在化した課題等を踏まえ「タンチョウ生息地分散行動計画(第2.0版)」として内容を改定しました。
 今回の改定においては、最新の情報への更新のほか、今後5年間(令和5年度~9年度)で実施する取組を優先度とともに具体的に整理した「実施計画」を新たに盛り込むなど、より取組内容が明確になるよう項立ての再整理も行いました。

2.引き続き、本計画に基づき、タンチョウの生息分散促進に向けた各種取組を推進します。

■ 経 緯

 絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律に基づき国内希少野生動植物種に指定されているタンチョウについては、1993 年(平成5年)に策定された「タンチョウ保護増殖事業計画」(以下「保護増殖計画」という。)」に基づき、給餌、生息環境の整備、モニタリング調査、傷病個体の収容・要因究明等の事業が実施されています。
 個体数が順調に回復する一方で、非繁殖期には、多くの個体が釧根地域を軸に行っている給餌に依存しており、過度の集中が見られることから、重篤な感染症が発症した場合、個体数が一気に減少するおそれがある等の課題が生じていることを受け、給餌のあり方の検討等も踏まえつつ、2013 年(平成25 年)に「タンチョウ生息地分散行動計画(以下「分散行動計画」という。)」を保護増殖計画に基づく計画として策定しています。
 分散行動計画の策定から7年が経過した2020 年度(令和2年度)に、分散行動計画策定以降のタンチョウの生息状況の変化や、各主体の取組の進捗状況を評価した結果、年次計画として位置づけられている取組の進捗状況に差がある一方で、分散行動計画に記載されていない新たな展開が確認されていること、さらに計画の目標や、関係機関の連携強化の推進及び分散行動計画の評価手法等について再検討の必要があるとされました。
 これら中間評価やこれまでの検討結果、時点修正を踏まえ、分散行動計画の見直しを行い、この度、関係機関・団体で連携・協働して実施する「タンチョウ生息地分散行動計画(第2.0 版)」としてとりまとめました。
 

■ タンチョウ生息地分散行動計画(第2.0版)の主な内容

第1章「背景と計画の位置づけ」
 本計画策定の経緯やタンチョウの個体数、生息状況の変遷など
第2章「目標と方針」
 本計画の目標及びその達成に向けた方針
第3章「生息地分散に関する現状と課題」
 タンチョウを取り巻く現状と生息地を分散する上での課題
第4章「目標達成に向けた具体的な行動」
 第3章で挙げた課題の解決や目標達成のために想定される取り組み
第5章「実施計画」
 第4章で掲げた取り組みのうち、今後5年間に実施する項目を具体的に整理

■ 改定のポイント

背景や分散の方針と課題について、時点修正を含めた所要の修正を行いました。
重複表現を整理し、計画全体のスリム化を図りました。
旧計画の「§4 行動計画」と「§5 年次計画」に掲載されている取組について実現可能性もふまえ改めて整理を行いつつ、統合しました。
旧計画の「§5 年次計画」に差し替える形で、「§5 実施計画」を新たな項目として設け、今後5年間に実施する具体的な取組を優先度とともに整理しました。なお、「§5 実施計画」は、5年経過した時点で取組の進捗を評価できるよう、各項目を簡潔な文章で表現しチェックリスト形式としています。
 
以 上

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直 通:011-299-1954
所長: 牛場 雅己
野生生物課長: 西野 雄一
野生生物課課長補佐: 福田 真
環境省 釧路自然環境事務所
直 通:0154-32-7500
所長: 岡野 隆宏
野生生物企画官: 若松 徹
野生生物課専門官: 古川 徹

◆内容についての問合せ先◆
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直 通:0154-32-7500
所長: 岡野 隆宏
野生生物企画官: 若松 徹
野生生物課専門官: 古川 徹(担当)