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釧路自然環境事務所

報道発表資料

2024年03月29日
  • 報道発表

「環境省タンチョウ給餌場における高病原性鳥インフルエンザ対応方針」策定について

「環境省タンチョウ給餌場における高病原性鳥インフルエンザ対応方針」を策定しました。
1. 高病原性鳥インフルエンザによるタンチョウの大量死発生リスクの増大等の懸念から、環境省タンチョウ給餌場において、集中の緩和と感染個体の早期発見・隔離を基本とする感染拡大防止対策を、関係機関等と連携・協働して実施することとし、「環境省タンチョウ給餌場における高病原性鳥インフルエンザ対応方針」を策定しました。今後は、本対応方針に基づき高病原性鳥インフルエンザの感染対策にも万全を期して、給餌事業を実施して参ります。   
 
2. タンチョウへの給餌は、保護増殖事業の一環として有識者による科学的な助言・指導をもとに、関係機関・団体と調整のうえ実施しております。    
保護増殖事業で実施している給餌以外のタンチョウへの餌付け・餌やりは、タンチョウの高病原性鳥インフルエンザの感染リスクを高めるだけでなく、交通事故の誘発など人間生活との軋轢要因になるほか、タンチョウ本来の生態や行動を撹乱する要因となりますのでお控えください。

 ■ 経緯 
 絶滅のおそれのある野生生物の種の保存に関する法律に基づき国内希少野生動植物に指定されているタンチョウの北海道内での推定生息数は、近年1,800羽程度で推移しており繁忙期には分布域も徐々に広がりつつあります。
 一方で、越冬期は給餌場を中心とする道東に推定生息数の約9割が集中して越冬しています。このような中、令和4年11月に国内で初めてタンチョウの高病原性インフルエンザの感染が確認され、令和5年度もタンチョウの高病原性インフルエンザの感染が確認され、同病による大量死発生が現実味を帯びてきていることを受け、最盛期には最大で200羽超のタンチョウが飛来する環境省タンチョウ給餌場における高病原性インフルエンザへの対応策並びに関係機関・団体との連携・協働体制の整備を目的として「環境省タンチョウ給餌場における高病原性インフルエンザ対応方針」を策定しました。


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 ​ ■ 「環境省タンチョウ給餌場における高病原性鳥インフルエンザ対応方針」の概要
1.モニタリング及び連絡体制
  異常個体等の早期発見に向け、環境省給餌事業受託者を軸に環境省給餌場内のモニタリングを実施し、異常が発見された場合には発見者から関係行政機関へ速やかに連絡が行き届くよう関係者間で連携します。

2.給餌の実施方針
 個体(タンチョウ)間に密が生じないよう可能な範囲で餌を広く撒くほか、他の野鳥の追払いを適宜実施するなど基本的な感染拡大防止対策を実施します。
給餌開始前にタンチョウの高病原性鳥インフルエンザ感染が確認された場合、給餌開始を極力見合わせることにより給餌場への集中を防ぎます。給餌を開始する際には、小規模給餌場から開始し、大規模給餌場での給餌開始を遅らせるなど分散定着と感染予防に留意して実施します。なお、これらは効果検証を行いつつ、状況に応じて関係者と協議のうえ柔軟に進めます。

3.高病原性鳥インフルエンザウイルスの拡散防止対策
 拡散及び侵入を防ぐため、消毒体制の整備、給餌場における観光客対応、地域住民等に対する周知普及に努めます。
 
4.高病原性鳥インフルエンザ感染(疑い)個体の取扱い
高病原性鳥インフルエンザの感染が疑われる個体が発見された場合、感染拡大防止のため、生死問わず速やかに回収・捕獲し、隔離します。回収・捕獲した個体は、給餌場近隣に設置する仮保管スペースにて保管・隔離し、隔離後の個体の取扱いは、本方針別紙「タンチョウ収容個体の取扱いに係る判断基準」に基づき個体のQOLの確保等をふまえ安楽死殺処分も含め個別に検討・判断します。

5.その他
報道発表の対応窓口を一元化し情報の正確性を担保するとともに関係者間の情報共有も速やかに行うことで、被害の拡大防止に努めます。また、タンチョウの生息状況、給餌環境およびウイルスの感染状況に応じて、本方針は適宜見直し・更新を行います。

お問い合わせ先

環境省 釧路自然環境事務所
直通:0154-32-7500
 所長: 岡野 隆宏
 野生生物企画官: 若松 徹
 野生生物課専門官: 古川 徹(担当

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