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釧路自然環境事務所

平成31年度釧路湿原野生生物保護センター管理運営業務

公  示

 次のとおり、参加者希望書類の募集を行います。

 なお、本入札に係る落札及び契約締結は、当該業務に係る平成31年度予算が成立し、予算の示達がなされることを条件とするものである。

平成31年2月15日

分任支出負担行為担当官

北海道地方環境事務所

釧路自然環境事務所長 安田 直人

1 業務概要

(1)業務名

 平成31年度釧路湿原野生生物保護センター管理運営業務

(2)業務内容

 1)傷病個体に係る業務及び野生由来の感染症に関する平常時の監視

 本業務の対象とする傷病個体は、鳥類のうち下記①、②に該当する種とし、保護・収容する個体については環境省が必要と判断するものとする。

 ① 対象範囲:釧路総合振興局、根室振興局及びオホーツク総合振興局管内

 ② 対象種:主に、保護増殖事業計画策定種(シマフクロウ、オジロワシ、オオワシ、タンチョウ、エトピリカ)とし、その他の種については以下に該当するものとする。

<その他の種>

・国内希少野生動植物種

・鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律に基づく国指定鳥獣保護区内の鳥獣および同法に基づく希少鳥獣

なお、業務の実施に必要な機器・検査キットのうち、別表1については環境省が準備するものを使用する。

(ア)通報の受理

 センターに傷病個体に係る通報があった際は、傷病個体の種名、発見場所、状況等に係る情報及び通報者の連絡先を聞き取り、必要に応じて通報者に対し応急的な対応を助言するとともに、環境省担当官に連絡し、対応について指示を受ける。

(イ)現地における傷病個体の収容及び検査

 環境省担当官の指示を受けて、指定された現地において、傷病個体を確保(以下、確保した傷病個体を「保護個体」という。)し、以下の①~③の状況に応じて収容(ここでの「収容」は、保護個体をセンターまで搬送することをいう。以下同様)等の作業を行うこと。また、収容原因の解明及び事故等の再発防止策を検討する上で有用な現地状況(他個体の存在、再発する可能性のある周辺環境や緊急性を要する改善箇所等)の把握に努め、写真等により記録する。収容等の結果(現地において傷病個体を確保できなかった場合も含む。)については、環境省担当官に報告する。

現地において重要感染症の羅患が疑われた場合は、感染防御及び病原体の拡散に十分留意しつつ行動すること。

なお、周辺地域において既に鳥インフルエンザが発生している又は強く疑われる場合であって、鳥インフルエンザに係る非常時の対応については、本業務に含まない。現地における傷病個体の収容対応は、年間40個体程度を見込んでいる。

 ① 保護個体が生体の場合

 現地において個体を観察し、必要に応じて応急処置を行い、放鳥可能と判断される場合は現地において放鳥する。応急処置では対応が困難と判断される場合は、事前に環境省担当官が指示する場所へ搬送すること。ただし、鳥インフルエンザの感染が疑われる保護個体の場合には③によること。

 ② 保護個体が死体(生体が死亡した場合を含む。)の場合

 保護個体の一部(遺伝子検査用の検体)又は全部を環境省担当官が指定する場所へ搬送する。ただし、鳥インフルエンザの感染が疑われる保護個体の場合には③によること。

 ③ 鳥インフルエンザの感染が疑われる場合

 保護個体の状況、全国の鳥インフルエンザの発生状況、周辺の状況等から鳥インフルエンザの感染が疑われる保護個体の場合は、現地において鳥インフルエンザの簡易検査を実施、遺伝子検査等のための検体を採取、保護個体及び検体のセンターへの搬送、現地において感染症対策の実施及び現地において可能な限り速やかに環境省担当官へ報告を行うこと。

なお、保護個体が生体であって、鳥インフルエンザの簡易検査の結果等を勘案し、センターへの搬送が適切でないと判断される場合は、環境省担当官の指示により、安楽殺の処置を行うこと。

(ウ)環境省担当官が実施する業務の補助

 環境省担当官からの連絡に応じ、傷病個体の応急措置について助言を行う。また、環境省担当官等がセンターへ搬送した傷病個体について、環境省担当官の指示により、センターにおいて鳥インフルエンザ簡易検査を行うとともに、遺伝子検査等のための検体を採取する。

環境省が収容する保護個体は、年間20個体程度を見込んでいる。

(エ)保護個体の診断及び治療又は剖検並びに収容原因の解明

 ① 生体について

 センターへ収容した保護個体及び環境省担当官が搬送した傷病個体のうち、環境省が指示する生体については獣医師による診断及び治療並びに収容原因の解明を行う。

生体の収容原因の解明等は、年間20個体程度を見込んでいる。

 ② 死体について

 センターへ収容した保護個体及び環境省担当官が搬送した傷病個体のうち、環境省が指示する死体については獣医師による剖検及び収容原因の解明を行う。

死体の収容原因の解明等は、年間40個体程度を見込んでいる。

生体及び死体の収容原因の解明にあたっては、個体試料のみならず、体表付着物、消化管内容物、吐瀉物等の試料も採取・分析するとともに、必要に応じて、鉛中毒の簡易検査、病理検査、寄生虫検査及び毒物等の細密検査を実施する。鉛中毒の簡易検査において正常値以上の値を示した場合は、必要に応じてレントゲン検査や安定同位体比分析(鉛の由来検査)を実施する。診断及び治療又は剖検並びに収容原因の解明の結果については、事前に環境省担当官が了解した様式に基づき、環境省担当官に報告する。

なお、保護個体の診断及び治療又は剖検並びに収容原因の解明に当たる獣医師は、野生動物の重要感染症や新興感染症に関する専門知識を有する者とし、施設内における人や飼育動物への感染を予防すること。

(オ)治療済み個体等の飼育及びリハビリ

 治療が終了した個体(以下、「治療済み個体」という。)については、治療済み個体の動物としての機能を踏まえて野生復帰の可能性について環境省担当官に報告するとともに野外ケージ等で飼育する。野生復帰可能な治療済み個体については、そのためのリハビリ訓練を収容及び治療の経過並びに個体差を考慮の上、段階的に野外ケージ等で行う。なお、飼育については、その期間中の疾病による治療及び環境省担当官が指示した場合の繁殖を含む。また、飼育中に繁殖した個体、釧路市動物園等で繁殖した個体、別途治療等が行われた個体等(以下、「繁殖等個体」という。)について、飼育及び野生復帰のためのリハビリ訓練を野外ケージ等で行う。

飼育及びリハビリ訓練にあたっては、身体機能の回復のみならず、自然界において種本来の生態を取り戻すことを念頭に置き、人や恵まれた飼育環境に慣れさせない工夫をすること。また、リハビリ訓練中の個体に関しては、自然界で採食可能な食物を野外に存在する状態で与えるよう努める。飼育及びリハビリ期間中に個体が死亡した場合は、剖検を行い、結果を環境省担当官に報告する。

なお、飼育およびリハビリ個体数については、環境省が指定する前年度からの継続飼育個体(別表2)及び新規で20個体程度を見込んでいる。1個体あたりの飼育・リハビリ日数として、継続飼育個体は350日程度、新規個体は100日程度を見込んでいる。

(カ)放鳥等

 治療済み個体及び繁殖等個体のリハビリが終了し野生復帰が可能となった場合は、環境省担当官に報告し、環境省担当官より指示があった場合は個体識別のための足環を装着し指定された場所で放鳥を行う。なお、野生復帰の判断は、生態系及び遺伝的撹乱を防止するため、自然界における対象種の生態学的知見に基づき行うとともに、病原体や医原性の薬剤耐性菌等が自然界に拡散しないよう留意する。

放鳥個体は、年間10個体程度を見込んでいる。

また、治療済み個体であって動物園等に譲渡する場合は、環境省担当官の指示のもと、搬送等ができる状態にする(搬送等にかかる費用は環境省又は譲渡先の負担とする。)。

(キ)試料(死体を含む。以下同様)の採取及び保存管理

 1)の業務実施に当たり、試料を採取するとともに、必要に応じて使用又は外部へ提供できるよう各試料に番号を付して保存管理するとともに、使用又は外部への提供の際は、環境省担当官が指示する試料を選別し、発送等ができる状態にする(発送等にかかる費用は含まない。)。

採取する試料は、生体については個体に健康上の影響が及ばない範囲で、種の保存を目的とした活用が可能と考えられる個体及び組織(血液、体細胞、羽毛、臓器、骨格等を想定)を対象とする。また、環境省担当官が指示する場合は、外・内部寄生虫、胃内容物(異物、銃弾等)等も対象とする。採取した試料は、様々な分析に対応できるよう、試料の状態に応じて可能な限り多様な保存方法(冷蔵、凍結、液浸(ホルマリン、アルコール等)、乾燥、塗抹等)を検討し、適切に保存管理する。また、計測値、画像、動画等の非生物情報の収集にも努める。保存管理する試料の情報は、データベース化し、台帳管理する。

 2)シマフクロウの試料採取等に係る業務

(ア)シマフクロウの試料採取

 環境省が実施する標識調査の現地において、個体からシマフクロウの保護増殖事業に資する試料を採取するとともに、外見的な診断結果(標識装着の是非、保護の必要の判断等)について環境省担当官に報告する。

標識調査の日数は、年間20日程度を見込んでいる。

また、シマフクロウの標識調査において使用するカラーリングの使用及び在庫状況を管理する。

(イ)シマフクロウの試料の分析及び保存管理

 1)(キ)及び2)(ア)において採取したシマフクロウの試料及び環境省が別途収集した試料について分析(性別判定含む。)し、必要に応じて使用又は外部へ提供できるよう各試料に番号を付して保存管理するとともに、使用又は外部への提供の際は、環境省担当官が指示する試料を選別し、発送等ができる状態にする(発送等にかかる費用は含まない。)。保存管理する試料の情報は、データベース化し、台帳管理する。

 3)普及啓発活動に係る業務

 センターにおいて希少猛禽類等の保護増殖事業及び鳥獣の保護管理に関する普及啓発活動を行う。なお、普及啓発活動の実施に当たっては、環境省が所管するセンター内の施設(飼育されている動物を含む。)を使用するものとするが、別途、環境省担当官と使用に関する調整を行うこと。

(ア)無料プログラムの実施

 一般市民を対象とし、センターにおけるバックヤードツアー等の無料プログラムを実施する。募集人数は1回20名程度、年2回程度の開催を想定する。

なお、プログラムの実施にあたっては、事前に環境省担当官に企画書を提出し、内容について了解を得るものとする。

(イ)有料プログラムの実施

 より専門的な知識の習得を目指す者を対象とした環境教育プログラムを実施する。募集人数は1回15名程度、年2回程度の開催を想定する。

なお、プログラムの実施にあたっては、事前に環境省担当官に企画書を提出し、内容について了解を得るものとする。また、プログラムの実施に必要な費用(人件費を除く。)について、プログラムへの参加者から徴収することも可とする。有料プログラムに係る経理については、区分経理を実施し、釧路自然環境事務所に報告する。その際、収入が実際に要した費用を上回った場合は、環境省の承諾を得たうえで、センターの運営の充実に充てることとする(収入が必要な経費を上回った場合でも、国庫への納入等は不要である。)。また、プログラムの実施に当たっては、環境省担当官と協議したうえで、企業等団体の協賛を受けて実施費用に充てることができる。

(ウ)展示

 来館者向けに、センターの展示スペースにおいて、希少猛禽類等の保護増殖事業及び鳥獣の保護管理に関する情報や写真等の展示を行う。また、子供向けの情報発信についても検討する。展示については、年3回程度の更新を行う。

 4)センターの維持管理

 1)から3)において使用する施設等(別図)について、日常的に清掃を実施し清潔を保ち、施錠管理を行うとともに、異常の有無等を点検し、適切に管理する。施設等に異常が確認された際には、環境省担当官に状況を報告し、対応を協議する。野外ケージ等の軽微な損傷等で、簡易な方法で修繕が可能なものについては修繕すること。

(3)履行期限

 平成32年3月31日(2020年3月31日)

2 応募要件

(1)基本的要件

 a. 予算決算及び会計令第70条の規定に該当しない者であること。なお、未成年者、被保佐人又は被補助人であって、契約締結のために必要な同意を得ている者は、同条中、特別の理由がある場合に該当する。

 b. 予算決算及び会計令第71条の規定に該当しない者であること。

 c. 参加希望書類の募集要領で示す暴力団排除に関する誓約事項に誓約できる者であること。

(2)業務実績に関する要件

 過去に、大型猛禽類(フクロウ目、タカ目)の獣医臨床業務・病理診断業務・飼育業務実績を有すること。

(3)技術力に関する要件

 a. 大型希少猛禽類(フクロウ目、タカ目)の獣医臨床業務・病理診断業務・飼育業務を行う技術を有する者を本業務従事者として確保できること。

 b. 鳥類標識調査者(各種鳥類)の資格を有し、 シマフクロウ、オジロワシ、オオワシ等希少種を捕獲、標識した経験を有する者を本業務従事者として確保できること。

 c. シマフクロウ血液の塩基配列解析による性別判定を行う技術を有する者を本業務従事者として確保できること。

(4)守秘性に関する要件

 企業等の含む規定として、業務上知り得た情報を漏らさないと言う条件が 満たされていること。

(5)業務執行体制に関する要件

 a. 獣医師資格を有する者であること。

 b. 獣医療法第3条に基づき診療業務届出を行っている者であるもの。

 c. 希少猛禽類に関する生息情報を有する団体、研究者及び専門家との緊密な人脈・ネットワークを有していること。

 d. 獣医診療(外科および内科的高度医療)を行うための各種機器・機材を有すること。

3 募集要領の交付及び問合せ先等

(1)交付期間:平成31年2月15日(金)~3月7日(木)

(2)交付場所

 釧路自然環境事務所ホームページの「調達情報」>「参加者確認公募に関する公示」より必要な件名を選択し、「公示」の下段に募集要領のファイルが添付されているので、ダウンロードして入手すること。

http://hokkaido..env.go.jp/kushiro/procure/index.html#d5

(3)問い合わせ先

 釧路市幸町10-3釧路地方合同庁舎4階

 環境省釧路自然環境事務所 総務課

 TEL:0154-32-7500 FAX:0154-32-7575

4 参加希望書類の提出期限等

(1)提出期限:平成31年3月7日(木)12時

(2)提出先:3(2)に同じ。

(3)提出方法:持参又は郵送(書留郵便等の配達の記録が残るものに限る。)すること(提出期限必着)。

(4)参加希望書類の書式:募集要領に定める様式により作成すること。

5 公募実施後の対応

 審査の結果、応募要件を満たすと認められる者が一しかいない場合にあっては、当該応募者との契約手続に移行する。応募要件を満たすと認められる者が複数いる場合にあっては、企画競争手続に移行することとし、当該応募者に対して、企画書の提出を要請することとする。

6 その他

(1)手続において使用する言語及び通貨 日本語及び日本国通貨に限る。

(2)関連情報を入手するための照会窓口 3(2)に同じ。

(3)企画競争手続に移行した場合の企画書の提出予定期限

 平成31年3月28日(木)12時

(4)平成28・29・30年度環境省競争参加資格(全省庁統一資格)の「役務の提供等」の「調査・研究」の認定を受けていない者であっても、参加希望書類を提出することができるが、その者が2に定める応募要件を満たすと認められ、企画競争方式に移行した場合に企画書を提出するためには、企画書の提出時までに、当該資格の認定を受ける必要があるとともに、平成31・32・33年度環境省競争参加資格(全省庁統一資格)の「役務の提供等」の「調査・研究」の資格を引き続き取得すること。

(5)契約締結日までに平成31年度予算(暫定予算を含む。)が成立しなかった場合は、契約締結日は予算が成立した日以降となる。また、暫定予算になった場合、全体の契約期間に対する暫定予算の期間分のみの契約とする場合がある。

(6)本公示に記載がない事項は、募集要領によることとする。