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北海道洞爺湖サミット

事業紹介

洞爺湖でのウチダザリガニ対策

2008年1月15日

ウチダザリガニの発見と生態

平成17年9月、潜水した報道機関により、ウチダザリガニの生息が支笏洞爺国立公園内の洞爺湖で確認されました。

洞爺湖湖底のウチダザリガニ
洞爺湖湖底のウチダザリガニ

ウチダザリガニは北アメリカ原産で、北海道には昭和のはじめに食用として摩周湖に持ち込まれ、その後各地に持ち出されたと考えられています。現在、道内各地で生息しており、支笏洞爺国立公園内では支笏湖でも確認されています。

ウチダザリガニは、生態系に以下のような影響を及ぼす恐れがあることから、平成18年2月に外来生物法に係る特定外来生物に指定されています。

  • 在来種であるニホンザリガニとの競合
  • ザリガニペスト※を蔓延させる恐れ
  • 在来の貝類や水生昆虫、水草を捕食する恐れ
※ザリガニペスト:水カビ菌の一種。ニホンザリガニに抵抗性がなく、感染すると死に至ると言われている。

北海道内でのウチダザリガニの確認地域
北海道内でのウチダザリガニの確認地域
特定外来生物への指定によって、生きた個体の持ち出しや放流が禁止になり、新たな野生化の心配はなくなりましたが、既に野生化したウチダザリガニが繁殖し、分布を拡大することによる生態系への影響が懸念されています。

実施している事業内容

環境省では、特定外来生物の指定を受け、平成18年度より効率的な捕獲方法や地元で防除を行う体制を確立するため、ウチダザリガニの調査事業を実施しています。ウチダザリガニを捕獲して生息数を減少させることに加えて、捕獲地点や時期、捕獲個体の大きさを分析して捕獲に適した時期を予測したり、湖岸全域のカニ籠の設置や潜水調査によって分布域のモニタリングを行っています。併せて、地域住民への環境教育やボランティアダイバーの企画などを行い、ウチダザリガニを駆除する必要性について積極的に普及啓発しています。

カニ籠設置の様子
カニ籠設置の様子
潜水捕獲の様子
潜水捕獲の様子
地元中学生による固体測定
地元中学生による固体測定

皆様へお願い

外来生物は、人の持ち込みによって生態系のバランスが崩れることにより、自然の状態では起こり得ない問題を起こします。以下の「外来生物被害予防三原則」にご留意いただき、日本の生態系を守るために外来生物に対するご理解ご協力をお願いいたします。

 
外来生物被害予防3原則
  1. 「入れない」
    悪影響を及ぼすかもしれない外来生物を日本に入れない
  2. 「捨てない」
    飼っている外来生物を野外に絶対に捨てない
  3. 「拡げない」
    野外で既に繁殖している外来生物を他地域に拡げない

より詳しく知りたい方は、以下のページをご覧下さい。