報道発表資料
【通知】平成20年度 第3回知床国立公園利用適正化検討会議の開催及び知床半島先端部地区利用の心得に係るリーフレット等の作成について
2008.03.14 釧路自然環境事務所
(概要)
環境省釧路自然環境事務所では、知床国立公園の望ましい保護と利用のあり方について検討する知床国立公園利用適正化検討会議を、3月18日(火)に開催することとしましたので、お知らせします。
また、この検討会議では、知床半島先端部地区について「知床ならではの原始性の高い自然景観と多様な生態系の持続的な保全」及び「質の高い自然体験機会の適正な提供」を主眼とした「利用ルール」づくりを進めてきました。
この度、知床半島先端部地区利用の心得の冊子及びリーフレットを作成しましたので、併せてお知らせします。
▽知床国立公園利用適正化検討会議に係る資料及び知床半島先端部地区「利用の心得」に係る冊子とリーフレットについては、当日配布します。
T 利用適正化検討会議の開催について
1 検討会議の目的
知床国立公園の望ましい保護と利用のあり方について検討すること。
2 検討経緯
- ▽平成13年度:
- 学識経験者等で構成する検討会を設置
基本構想策定
「知床ならではの原始性の高い自然景観と豊富な野生生物によって形成される多様な生態系の持続的な保全」を前提として、「原始的な自然の地域(バックカントリー)において、一定のルールの下での自然体験機会の適正な提供と持続的な利用を図る。」ことを基本方針として策定 - ▽平成14年度:
- 学識経験者等で構成する「利用適正化検討会議」を設置
- ▽平成16年度:
- 知床半島先端部地区利用適正化基本計画策定
- ▽平成17年度:
- 知床半島中央部地区利用適正化基本計画策定
3 検討会議の開催(公開)
検討会議は、検討委員(学識経験者)、斜里・羅臼両町の地域関係団体及び関係行政機関で構成しています。
- (1)日時:
- 平成20年3月18日(火)13時30分〜15時00分
- (2)場所:
- 釧路地方合同庁舎5階 第一会議室(釧路市幸町10の3)
- (3)議案:
- ▽ 平成20年度知床半島中央部地区利用適正化実施計画について
▽ 知床半島中央部地区利用の心得の検討について
▽ 報告事項
U 知床半島先端部地区利用の心得の冊子及びリーフレットの作成・配布について
1 知床半島先端部地区利用の心得作成の背景と目的
世界自然遺産に登録される前においても、知床はわが国で数少ない原始的な自然環境が残された国立公園として、その自然を体験することを目的とした利用による植生の衰退等の影響が生じていました。
このため、「ヒグマの棲家におじゃまする」という基本理念のもと、平成13年度から地元関係団体、学識経験者、関係行政機関等で構成する「知床国立公園利用適正化検討会議」において、知床国立公園の利用適正化に関する検討を進め、平成20年1月開催の検討会議において、先端部地区の利用者が守るべき事項をまとめた「知床半島先端部地区利用の心得」が合議されました。
この度、この利用の心得を利用者へ広く周知するため、冊子とパンフレットを作成し、3月18日以降、環境省釧路自然環境事務所長から山岳会、ガイド事業者等の業界団体及び関係行政機関等へ送付するとともに、知床地域のビジターセンターや公共施設で配布することとなりました。
2 知床半島先端部地区「利用の心得」の内容について
- (1)趣旨
- この「知床半島先端部地区利用の心得」は、平成16年12月策定の「知床半島先端部地区利用適正化基本計画」に定められた利用形態である「海岸トレッキング利用」、「沿岸カヤッキング利用」、「山岳部登山利用」、「沿岸河口部サケ・マス釣り利用」によって「先端部地区」に立ち入る利用者、及び「動力船による海域利用」に関し、自然保護やリスクの軽減の観点から留意すべき事項や禁止事項を定め、それを守っていただくことにより、「先端部地区」の風致景観と生態系を持続的に保全するためのものです。また、「知床半島先端部地区利用の心得」は、特に必要性が高い留意事項・禁止事項についてとりまとめたもので、試行を行うことと併せて、今後の利用実態や立入りによる自然環境への影響等をモニタリングし、その結果の解析・評価等のフィードバックにより、修正・補完等充実を図っていきます。
(2)構成
▽はじめに
- 1.基本原則
- (1)自然環境への配慮
(2)他の「利用者への配慮」
(3)動力船による上陸の禁止
(4)自己責任
(5)情報収集等 - 2.共通事項
- (1)リスクの軽減に関する事項
(2)自然環境の保全に関する事項
(3)その他の事項 - 3.特定利用形態別事項(特定の利用形態に関して守るべき事項)
- (1)海岸トレッキング利用に関する事項
(2)山岳部利用に関する事項
(3)沿岸カヤッキング利用に関する事項
(4)沿岸河口付近でのサケ・マス釣り利用に関する事項
(5)動力船による海域利用に関する事項
▽別紙−1「自然公園法に基づく国立公園内の規制対象行為」
▽別紙−2「リスクの軽減及び利用に関する情報」
▽別紙−3「羅臼遊漁釣り部会自主ルール」
▽参考「知床半島先端部地区利用適正化基本計画」との関連
▽別図−1「先端部地区位置図」、「区域図」
▽別図−2「情報箇所図」
▽検討会議構成員
▽とりまとめにあたって
(知床国立公園利用適正化検討会議 座 長 辻井達一)
- (3)その他
- 知床半島先端部地区「利用の心得」の冊子とパンフレットは、3月18日以降、次のWebサイトに掲載します。(http://hokkaido.env.go.jp/kushiro/)
3 作成部数及び配布先
(1)作成部数:冊子 1,000部、リーフレット 10,000部
(2)知床半島先端部地区利用の心得の主な送付先(順不同)
- ア 関係行政機関
- 北海道庁、北海道網走支庁、北海道根室支庁、斜里町、羅臼町、北海道森林管理局、網走南部森林管理署、根釧東部森林管理署、知床森林センター、北海道開発局、北海道運輸局、第一管区海上保安本部 等
- イ 地元関係機関
- (財)知床財団、(財)自然公園財団 知床支部、知床ガイド協議会、知床エコツーリズム推進協議会、北海道山岳ガイド協会、知床斜里町観光協会、知床羅臼町観光協会、斜里山岳会、羅臼山岳会、羅臼遊漁釣り部会 等
- ウ 山岳関係、観光関係全国組織 等
- エ アウトドア雑誌等編集部 等
- オ パンフレット等を配布する主な場所
- 環境省ウトロ自然保護官事務所、斜里町役場、知床自然センター、道の駅 うとろ・シリエトク、知床五湖レストハウス、環境省羅臼自然保護官事務所、羅臼ビジターセンター、羅臼町役場、道の駅 知床・らうす 等